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IAEA主催第5回プラズマ物理及び制御核融合研究国際会議の結果について



 国際原子力機関(IAEA)主催の「第5回プラズマ物理及び制御核融合研究国際会議」が昭和49年11月11日(月)から15日(金)まで5日間の会期で東京の高輪プリンスホテルにおいて開催された。
 この国際会議は国際原子力機関加盟各国におけるプラズマ物理及び核融合研究開発に関する第一線の研究者、指導者が一堂に会し、基礎的研究から核融合炉開発までの新しい知見と知識を交換し、核融合研究開発の一層の発展を図ることを目的としている。
 参加国としてはアメリカ、ソ連をはじめとする24か国のほかに欧州共同体等の国際機関が3機関加わり、また参加者数は外国から約250名、わが国から約200名、合わせて約450名の規模となった。
 また、この5日間に取り扱われた論文は、応募総数約300編のうち採択された約180編であり、研究分野は、トカマク型装置、低ベータトロイダル装置、開放端閉じ込め装置、高ベータ装置などの磁場閉じ込めに関するもの、レーザ等による慣性閉じ込めに関するもの、また、プラズマ加熱、核融合炉研究、基礎研究と最近の動向などの種々の観点からの研究が取り扱われ、研究分野ごとに計15のセッションが設けられた。
 今回の会議の特色は、まず第一に各国とも核融合の研究活動が活発化してきたため論文数が大幅に増加し、そのためレポータ方式による発表が大部分を占めるようになったこと、第二にトカマクの論文がかなりの部分を占めるようになり、レーザ、及び核融合炉の比重が増加してきていること。第三にわが国はこの合議の開催国として重要な役割を果たしたのみならず、研究発表等の活動においてもわが国から多数の論文発表があり、また、発表者として多数の参画があったこと等が挙げられる。
 わが国は、核融合の分野における研究開発の振興と国際協力の促進を図るため、招致を積極的に進め、その結果東京開催が決定したものであるが、わが国の核融合研究開発が昭和50年度から核融合動力炉実現を目指し、第二段階の研究開発に飛躍しようとするこの機に、本会議がわが国において開催されたことは極めて意義深いものであったといえる。
 第5回の東京会議は、順調に会議の運営が進められ、優れた研究成果の発表と活発な討論が行なわれ、会議の所期の目的を達成し、成功裏のうちに11月15日閉会した。


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