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放射線審議会の動き(第27総会回)


<総会>
第27回

〔日時〕昭和48年12月21日(金)

〔議題〕
 1 夜光時計に関する放射線障害防止の技術的基準について(部会決議の報告)
 2 「放射性ストロンチウム分析法」(改訂案)等分析法マニュアルの制定について(部会決議の報告)
 3 基本部会の活動状況について
 4 その他上記議題のうち、議題(2)については第27回総会の結論を経て、49年1月11日付で下記のとおり答申された。

「放射性ストロンチウム分析法」
(改訂)等分析法マニュアルの制定について(答申)

48放審議第30号
昭和49年1月11日
科学技術庁長官 森山 欽司 殿
放射線審議会会長 御園生圭輔
日放射性ストロンチウム分析法」 (改訂)等分析法マニュアルの制定について(答申)

 昭和48年2月13日付48原第1745号をもって本審議会に諮問のあった標記の件については、測定部会において慎重に審議を行なったが、昭和48年12月21日開催の第27回放射線審議会総会において下記のと
おり結論を得たので、この旨答申する。なお、測定部会の報告書は別添のとおりである。

〔審議結果〕
 1 「放射性ストロンチウム分析法」(改訂)について

 諮問のあった案のとおり放射能測定方法を制定することは、おおむね適当であるが、次の点について留意することが必要であると考える。

(1)分析に必要な供試量とその結果得られる検出限界と関係の目安とするため1970年の測定結果から得られた各種環境試料中のストロンチウム90濃度を基にして例示すること。

(2)カルシウムの定量法については、フッ化水素酸法と塩酸抽出法とを併記すること。


 2 「放射性コバルト分析法」について

 諮問のあった案のとおり放射能測定方法を制定することは、おおむね適当であるが、次の点について留意することが必要であると考える。

(1)試料採取法についての記載がないので、これについても述べること。

(2)本分析法に必要な試薬の調製法を添付すること。


 3 「NaI(Tl)」シンチレーションスペクトロメータ機器分析法」について

 諮問のあった案のとおり放射能測定法を制定することは、おおむね適当であるが、次の点について留意することが必要であると考える。

(1)混在核種の同定や分離定量については、統一して記述し、全体を分かりやすくすること。

(2)特定核種のほかに土壌および海底土のガンマ線スペクトルを追加すること。

(3)記録および報告についての記述を整理し、分かりやすく訂正すること。

 4 諮問のあった分析法マニュアルの制定に関する総括的意見

(1)分析法マニュアルに用いられている記号および用語についてはその統一を図ることが望ましい。

(2)分析法マニュアルは、主に地方自治体等が行なう放射能調査の標準分析法として作成したものである旨を明示することが必要である。また、今後分析法マニュアルを作成する場合には、分析法マニュアルの利用対象者を明らかにすることが望ましい。

(3)今後分析法の改良、放射能測定機器の開発等にともない、分析法マニュアルを適宜再検討することが望ましい。


(別添)

昭和48年8月2日
放射線審議会長 御園生圭輔殿
測定部会長 斎藤 信房
「放射性ストロンチウム分析法」 (改訂案)等分析法マニュアルの制定について(報告)

 昭和48年2月26日付け放審議第6号の測定部会あて会長通知により本部会に審議を附託され、昭和48年3月28日開催の第26回放線審議会総会においてその旨報告了承された科学技術庁長官から諮問案件である「放射性ストロンチウム分析法」(改訂案)等分析法マニュアルの制定に関しては、本部会において3つのワーキンググループを設け、昭和48年2月27日から同年7月14日まで慎重審議を重ねてきたところ、同年8月2日開催の測定部会において、下記のとおり結論を得たので報告する。


〔審議結果〕
 1 「放射性ストロンチウム分析法」(改訂案)について

 諮問のあった案のとおり放射能測定方法を制定することは、おおむね適当であるが、次の点について留意することが必要であると考える。

(1)分析に必要な供試量とその結果得られる検出限界との関係の目安とするため1970年の測定結果から得られた各種環境試料中のストロンチ ウム90濃度を基にして例示すること。

(2)カルシウムの定量法については、フッ化水素酸法と塩酸抽出法とを併記すること。

 2 「放射性コバルト分析法」(案)について

 諮問のあった案のとおり放射能測定方法を制定することは、おおむね適当であるが、次の点について留意することが必要であると考える。
(1)試料採取法についての記載がないので、これについても述べること。

(2)本分析法に必要な試薬の調製法を添付すること。

 3 「NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメーター機器分析法」(案)について

 諮問のあった案のとおり放射能測定方法を制定することは、おおむね適当であるが、次の点について、留意することが必要であると考える。

(1)混在核種の同定や分離定量については、統一して記述し、全体を分かりやすくすること。

(2)特定核種のほかに土壌および海底土のガンマ線スペクトルを追加すること。

(3)記録および報告についての記述を整理し、分りやすく訂正すること。

 4 諮問のあった分析法マニュアルの剖定に関する総括的意見


(1)分析法マニュアル(案)に用いられている記号および用語についてはその統一を図ることが望ましい。

(2)分析法マニュアル(案)は、主に地方自治体等が行なう放射能調査の標準分析法として作成したものである旨を明示することが必要である。また、今後分析法マニュアルを作成する場合には、分析法マニュアルの利用対象者を明らかにすることが望ましい。

(3)今後分析法の改良、放射能測定機器の開発等にともない、分析法マニュアルを適宜再検討することが望ましい。

〔審議概要〕
 1 本部会は、附託された諮問案件を慎重に調査審議するため、昭和48年2月27日開催の第1回測定部会において、それぞれの分析法マニュアル(案)についてのワーキンググループを設けた。各ワーキンググループは、それぞれ担当の分析法マニュアル(案)について調査審議を行ない、その結果に基づき昭和48年7月14日各ワーキンググループの主査は部会長を加えて会合を開き、意見等を調整したうえで、昭和48年8月2日開催の第2回測定部会に審議結果等を報告した。
その報告に基づき、同日の部会において、さらに検討を加えた結果、上記のとおり本部会としての結論を得た。

 2 各ワーキンググループにおける審議概要は、次のとおりである。

(1)放射性ストロンチウム分析法(改訂案)ワーキンググループ
昭和48年4月13日、4月25日および5月16日にワーキンググループの会議を開催し、全面的に数値、検出限界、分析手法等についての審議を行なった。序論、第3章「降水およびじん挨」、第6章「土壌」および付表については、特に活発な議論がなされ、審議結果に記載したと同じ結論を得た。

(2)放射性コバルト分析法(案)ワーキンググループ昭和48年4月10日、および5月10日にワーキンググループの会議を開催し、全面的に数値、分析手法等についての審議を行なった。序論、および各章について意見がだされ、分析の対象となる試料の採取法により分析値が変動すること、および各章に分散している試薬についての記述をもっと具体的にすることなどについて論議が行なわれ、審議結果に記載したと同じ結論を得た。

3 NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ機器分析法(案)ワーキンググループ 昭和48年4月11日、4月26日および5月14日にワーキンググループの会議を開催し、全面的に試料、測定技術、解体法等について審議を行なった。第3章から第6章までは、特に問題は提起されなかったが、序論、第8章と第9章の記述の統一と付図の添付および第10章の記述の平易化について意見が述べられ、審議結果に記載したと同じ結論を得た。


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