46原委第315号
昭和46年8月19日
内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長
武蔵工業大学原子力研究所の原子炉の設置変更
(原子炉施設の変更)について(答申)
昭和46年7月1日付け46原第4299号(昭和46年8月16日付け46原第5821号で一部訂正)で諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。
記
標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に、適合しているものと認める。
なお、本設置変更に係る安全性に関する原子炉安全専門審査会の報告は別添のとおりである。
武蔵工業大学原子力研究所の原子炉の設置変更
(原子炉施設の変更)に係る安全性について
昭和46年8月17日
原子炉安全専門審査会
原子力委員会
委員長 平泉 渉 殿
原子炉安全専門審査会
会長 内田 秀雄
武蔵工業大学原子力研究所の原子炉の設置変更
(原子炉施設の変更)に係る安全性について
当審査会は昭和46年7月1日付け46原委第216号(昭和46年8月16日付け46原委第309号で一部訂正)をもって審査を求められた標記の件について結論を得たので報告します。
Ⅰ 審査結果
武蔵工業大学原子力研究所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更)に係る安全性に関し、学校法人五島育英会が提出した「武蔵工業大学原子力研究所の原子炉施設変更許可申請書」(昭和46年5月28日付け申請および昭和46年8月 日付け一部訂正)に基づき審査した結果、本原子炉の設置変更に係る安全性は十分確保しうるものと認める。
Ⅱ 変更事項
1次冷却水最高温度を50℃(変更前45℃)とする。
Ⅲ 審査内容
本変更は、1次冷却水の温度に関するものであるので、主として燃料被覆材(アルミニウム)および燃料棒(ウラン水素化ジルコニウム合金)中心の最高温度について検討した結果、それぞれ約107℃、約153℃である。この時の燃料表面熱流束は約5×104Kcal/m2hで被覆材の焼損熱流束約106Kcal/m2hより十分低く、被覆材に損傷を与えることなく、燃料棒中心最高温度の約153℃もウラン水素化ジルコニウム合金の変態点約560℃を十分下回る。
また、全温度係数は負であり、水温の5℃の上昇によるその絶対値の減り方も極めて小さい。
さらに、平常運転および最大想定事故時における被ばく線量についても検討したが、水温上昇による影響はない。
なお、最大想定事故時の全身被ばく線量の積算値については、施設の周辺環境の現在の人口、将来の人口変化の両方について検討を行なってきたがその値はきわめて小さく、敷地周辺の公衆に対する放射線障害の防止上支障はないと認める。
本審査会は昭和46年7月6日第93回審査会において次の委員からなる第79部会を設置した。
審査委員 |
渡辺 博信(部会長) |
放射線医学総会研究所 |
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左合 正雄 |
東京都立大学 |
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宮永 一郎 |
日本原子力研究所 |
調査委員 |
望月 恵一 |
動力炉・核燃料開発事業団 |
審査会および部会において審査を行なってきたが昭和46年8月6日の部会において部会報告書を決定し、同年8月17日第94回審査会において本報告書を決定した。
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