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核原料物質、核燃料物質及び原子炉の
規制に関する法律施行令の一部改正について



核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令の
一部を改正する政令をここに公布する


  昭和46年3月26日

内閣総理大臣 佐藤栄作


政令第39号

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令


 内閣は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第67条及び第75条の規定に基づき、この政令を制定する。
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令(昭和32年政令第324号)の一部を次のように改正する。
 第22条の表原子炉設置者及び外国原子力船運航者の項の次に次のように加える。



第25条の表18の項の次に次のように加える。



 附則
 
 この政令は、公布の日から施行する。


総理府令第10号

 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律中再処理の事業に関する規定に基づき、及び同規定を実施するため、使用済燃料の再処理の事業に関する規則を次のように定める。

  昭和46年3月27日

内閣総理大臣 佐藤 栄作


使用済燃料の再処理の事業に関する規則


 (定義)

第1条 この府令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 1 「被ばく放射線量」とは、一定期間において人の被ばく(診療を受けるための被ばくを除く。)する放射線(百万電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線及びエックス線を含み、自然放射線を除く。以下同じ。)の放射線量をいう。

 2 「集積線量」とは、人がその時までに被ばく(診療を受けるための被ばく及び皮ふ又は手、前ぱく、足若しくは足関節のみに対する被ばくを除く。)した放射線の放射線量をいう。

 3 「管理区域」とは、再処理施設の場所であって、その場所における外部放射線の放射線量が科学技術庁長官(以下「長官」という。)の定める放射線量をこえ、空気中若しくは水(海洋放出施設により放出するものを除く。)中の放射性物質(空気又は水のうちに自然に含まれている放射性物質を除く。以下同じ。)の濃度が長官の定める濃度をこえ、又は放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度が長官の定める密度をこえるおそれのあるものをいう。

 4 「保全区域」とは、再処理施設の保全のために特に管理を必要とする場合であって、管理区域以外のものをいう。

 5 「周辺監視区域」とは、管理区域の周辺の区域であって、当該区域の外側のいかなる場所においてもその場所における人の被ばく放射線量が長官の定める許容被ばく線量をこえるおそれのないものをいう。

 6 「従事者」とは、使用済燃料の再処理、再処理施設の保全、使用済燃料、使用済燃料から分離された物又はこれらによって汚染された物(以下「使用済燃料等」という。)の運搬、保管、廃棄又は汚染の除去等の業務に従事する者であって、管理区域に常時立入るものをいう。

 7 「放射性廃棄物」とは、使用済燃料等で廃棄しようとするものをいう。

 8 「海洋放出施設」とは、貯溜槽、ろか装置、導管、放出口等よりなる施設であって、液体状の放射性廃棄物を海洋に放出するものをいう。

(設計及び工事の方法の認可の申請)

第2条 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号。以下「法」という。)第45条第1項の規定により、再処理施設に関する設計及び工事の方法について認可を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。

 1 名称、住所及び代表者の氏名

 2 再処理施設を設置する工場又は事業所(再処理施設の変更の場合にあっては、当該変更に係る工場又は事業所)の名称及び所在地

 3 次の区分による再処理施設に関する設計及び工事の方法(再処理施設の変更の場合にあっては、当該変更に係るものに限る。)

 イ 建物

 ロ 使用済燃料の受入施設及び貯蔵施設

 ハ 脱被覆施設

 ニ 溶解施設

 ホ 分離施設

 ヘ 精製施設

 ト 製品貯蔵施設

 チ 酸及び溶媒の回収施設

 リ 計測制御系統施設

 ヌ 放射性廃棄物の廃棄施設

 ル 放射線管理施設

 ヲ その他の再処理施設

 4 再処理工程における核燃料物質収支図

 5 再処理施設の変更の場合にあっては、変更の理由

2 前項第3号の設計及び工事の方法には、主要な核的、熱的又は化学的制限値を記載しなければならない。

3 第1項の申請書には、次の各1号に掲げる事項について計算によって説明した書類を添附しなければならない。

 1 核燃料物質の臨界防止

 2 放射線による被ばくの防止

 3 火災及び爆発の防止

 4 主要な再処理施設の耐震性

4 設計及び工事の方法の全部につき一時に法第45条第1項の規定による認可を申請することができないときは、その理由を附し、分割して認可を申請することができる。

5 第1項の申請書の提出部数は、正本一通及び副本二通とする。

(変更の認可の申請)

第3条 法第45条第2項の規定により、認可を受けた再処理施設に関する設計及び工事の方法について変更の認可を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。

 1 名称、住所及び代表者の氏名

 2 工事を行なう工場又は事業所の名称及び所在地

 3 変更に係る前条第1項第3号に掲げる区分による再処理施設に関する設計及び工事の方法

 4 変更の理由

2 前項第3号の設計及び工事の方法には、主要な核的、熱的又は化学的制限値を記載しなければならない。

3 前項の申請書には、次の各号に掲げる事項のうち変更に係るものについて計算によって説明した書類を添附しなければならない。

 1 核燃料物質の臨界防止

 2 放射線による被ばくの防止

 3 火災及び爆発の防止

 4 主要な再処理施設の耐震性

4 第1項の申請書の提出部数は、正本1通及び副本2通とする。

(設計及び工事の方法に係る軽微な変更)

第4条 法第45条第2項ただし書きに規定する総理府令で定める軽微な変更は、設備又は機器の配置の変更であって、当該機器の相互の間隔を法第45条の認可を受けた申請書に核的制限値として記載された間隔より小さくしないものその他再処理施設の保全上支障のない変更とする。

(施設検査の申請)

第5条 法第46条第1項の規定により、再処理施設の工事について検査を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。

 1 名称、住所及び代表者の氏名

 2 再処理施設を設置する工場又は事業所(再処理施設の変更の場合にあっては、当該変更に係る工場又は事業所)の名称及び所在地

 3 工事工程表

 4 検査を受けようとする事項、期日及び場所

 5 申請に係る再処理施設の使用の開始の予定時期

2 前項の申請書に記載された事項を変更したときは、すみやかに届け出なければならない。

3 第1項の申請書及び前項の届出に係る書類の提出部数は、正本1通及び副本2通とする。

(施設検査の実施)

第6条 法第46条第1項の施設検査は、次の各号に掲げる事項について、当該各号に定めるときに行なう。

 1 放射線しゃへい材その他の特に気密若しくは水密又は耐食を要する材料若しくは部品に関する事項
 気密試験若しくは水密試験、強度試験、非破壊試験又は化学分析試験を行なうときその他長官が適当と認めるとき

 2 使用済燃料の受入施設若しくは貯蔵施設、脱被覆施設、溶解施設、分離施設、精製施設、製品貯蔵施設、酸及び溶媒の回収施設又は放射性廃棄物の廃棄施設の組立てに関する事項
 それぞれの施設の主要な部分の寸法の測定ができるとき又は強度試験、非破壊試験若しくは気密試験若しくは水密試験を行なうとき

 3 建物、計測制御系統施設、放射線管理施設、その他の再処理施設の組立てに関する事項
 それぞれの施設が完成したとき

(施設検査合格証)

第7条 長官は、法第46条第1項の施設検査を行ない、合格と認めたときは、施設検査合格証を交付する。

(記録)

第8条 法第47条の規定による記録は、工場又は事業所ごとに、次表の上欄に掲げる事項について、それぞれ同表中欄に掲げるところに従って記録し、それぞれ同表下欄に掲げる期間これを保存して置かなければならない。




 2 前項に規定する記録事項について直接測定することが困難な場合においては、当該事項を間接的に推定することができる記録をもってその事項の記録に代えることができる。

 3 第1項の表第2号イ、ロ及びハの使用済燃料の種類別の数量を記録する場合には、その使用済燃料が取り出された原子炉の名称、燃料材の種類及び燃焼度ごとに区分し、その使用済燃料に含まれるウランの量(ウラン233の量を除く。以下この項及び第5項において同じ。)及びプルトニウムの量又はトリウムの量及びウラン233の量を記載するとともに、ウランの量にあってはウラン235の量を、プルトニウムの量にあってはプルトニウム239及びプルトニウム241の量をあわせて記載しなければならない。

 4 第1項の表第2号ハの確定そう入量を記録する場合には、使用済燃料の溶解後の溶液に含まれる核燃料物質の量及び使用済燃料から取り除いた被覆材に含まれている核燃料物質の量をそれぞれ分析等により算出し、それらの合計の数量を記載しなければならない。

 5 第1項の表第2号ニの核燃料物質の種類別の量を記録する場合には、その核燃料物質が分離された使用済燃料の種類(その使用済燃料が取り出された原子炉の名称ごとに区分するものとする。)別のウランの量、プルトニウムの量、トリウムの量又はウラン233の量を記載するとともに、ウランの量にあってはウラン235の量を、プルトニウムの量にあってはプルトニウム239及びプルトニウム241の量をあわせて記載しなければならない。

 6 第1項の表第3号ヘの従事者の3月間の被ばく放射線量を記録する場合には、放射線による被ばくのうち放射性物質によって汚染された空気を呼吸し、又は放射性物質によって汚染された水を飲用することによる被ばくに係る記録については、その被ばくの状況及び測定の方法をあわせて記載しなければならない。

 7 第1項の表第3号ヘ及びトの記録の保存期間は、その記録に係る者が従事者でなくなった場合において再処理事業者がその記録を長官の指定する機関に引き渡すまでの期間とする。

 8 再処理事業者は、第1項の表3第3号ヘの記録に係る従事者に、その記録の写しをその者が当該業務を離れる時に交付しなければならない。

 9 国際規制物資である核燃料物質に係る第1項の表第2号及び第3号チの記録には、当該国際規制物資に係る国際約束の締約相手国(国際機関を含む。以下「供給当事国」という。)をあわせて記載しなければならない。

(管理区域への立入制限等)

第9条 法第48条の規定により、再処理事業者は、管理区域、保全区域及び周辺監視区域を定め、これらの区域において次の各号に掲げる措置をとらなければならない。

 1 管理区域については、次の措置を講ずること。

 イ 壁、さく等の区画物によって区画するほか、標識を設けることによって明らかに他の場所と区別し、かつ、放射線等の危険性の程度に応じて人の立入制限、かぎの管理等の措置を講ずること。

 ロ 床、壁その他人の触れるおそれのある物であって放射性物質によって汚染されたものの表面の放射性物質の密度が長官の定める許容表面密度をこえないようにすること。

 ハ 管理区域から人が退去し、又は物品を持ち出そうとする場合には、その者の身体及び衣服、はきもの等身体に着用している物並びにその持ち出そうとする物品(その物品を容器に入れ又は包装した場合には、その容器又は包装)の表面の放射性物質の密度がロの許容表面密度の十分の一をこえないようにすること。

 ニ 保全区域については、標識を設ける等の方法によって明らかに他の場所と区別し、かつ、管理の必要性に応じて人の立入制限、かぎの管理、物品の持出制限等の措置を講ずること。

3 周辺監視区域については、次の措置を講ずること。

 イ 人の居住を禁止すること。

 ロ 境界にさく又は標識を設ける等の方法によって周辺監視区域に業務上立ち入る者以外の者の立入りを制限すること。ただし、当該区域に人が立ち入るおそれのないことが明らかな場合は、この限りでない。

(被ばく放射線量等に関する措置)

第10条 法第48条の規定により、再処理事業者は、従事者の被ばく放射線量等に関し、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。

  1 従事者の集積線量及び被ばく放射線量が、それぞれ長官の定める許容集積線量及び許容被ばく線量をこえないようにすること。

  2 従事者の呼吸する空気中又は飲用する水中の放射性物質の濃度が長官の定める許容濃度をこえないようにすること。

  3 従事者以外の者であって管理区域に業務上立ち入るもの(一時的に立ち入る者を除く。)については、その者の被ばく放射線量が長官の定める許容被ばく線量をこえないようにすること。

 2 前項第1号及び第2号の規定にかかわらず、再処理施設に災害が発生し、又は発生するおそれがある場合、再処理設備の操作に重大な支障を及ぼすおそれのある再処理施設の損傷が生じた場合等緊急やむを得ない場合においては、男子の従事者をその被ばくする放射線量が長官の定める許容被ばく線量をこえない範囲内において緊急作業に従事させることができる。

(再処理施設の巡視及び点検)

第11条 法第48条の規定により、再処理事業者は、毎日1回以上、従業者に再処理施設について、巡視及び点検を行なわせなければならない。

(再処理施設の定期自主検査)

第12条 法第48条の規定により、再処理事業者は、次の各号に掲げる検査に関する措置をとらなければならない。

 1 保安規定に定める保安上特に管理を必要とする設備(第2号に規定されるものを除く。)は、当該設備の性能が維持されているかどうかについての検査を1年ごとに行なうこと。

 2 警報装置、非常用動力装置その他の非常用装置については、当該装置の各部分ごとの当該作動のための性能検査を1月ごとに、当該装置全体の当該作動のための総合検査を1年ごとに行なうこと。

 3 再処理施設の保安のために直接関連を有する計器及び放射線測定器については、較正を1年ごとに行なうこと。

(再処理設備の操作)

第13条 第48条の規定により、再処理事業者は、次の各号に掲げる再処理設備の操作に関する措置をとらなければならない。

 1 使用済燃料の再処理は、いかなる場合においても、核燃料物質が臨界に達するおそれがないように行なうこと。

 2 再処理設備の操作に必要な知識を有する者に行なわせること。

 3 再処理設備の操作に必要な構成人員がそろっているときでなければ操作を行なわないこと。

 4 操作開始に先立って確認すべき事項、操作に必要な事項及び操作停止後に確認すべき事項を定め、これを操作員に守らせること。

 5 非常の場合にとるべき処置を定め、これを操作員に守らせること。

 6 換気設備、放射線測定器及び非常用設備は、常にこれらの機能を発揮できる状態に維持しておくこと。

 7 試験操作を行なう場合には、その目的、方法、異常の際にとるべき処置等を確認の上これを行なわせること。

 8 再処理施設の操作の訓練のために操作を行なう場合は、訓練を受ける者が守るべき事項を定め、操作員の監督の下にこれを守らせること。

(運搬)

第14条 法第48条の規定により、再処理事業者は、次の各号に掲げる核燃料物質の運搬に関する措置をとらなければならない。

 1 核燃料物質の運搬は、いかなる場合においても、核燃料物質が臨界に達するおそれがないように行なうこと。

 2 核燃料物質(使用済燃料を除く。)を運搬する場合は、これを容器に入れること。ただし、管理区域内を運搬する場合は、この限りでない。

 3 使用済燃料を運搬する場合は、これを容器に封入すること。

 4 核燃料物質を入れた容器は、容易に破損しないように措置すること。

 5 液体状又は固体状の核燃料物質を入れた容器で、きれつ、破損等の事故の生ずるおそれのあるものは、吸収材その他核燃料物質による汚染のひろがりを防止することができる材料で包むこと。

 6 核燃料物質を運搬する場合は、核燃料物質の種類及び量を明示する標識を容器に付けること。ただし、管理区域内を運搬する場合はこの限りでない。

 7 運搬する核燃料物質を封入した容器の表面の放射線量率は200ミリレム毎時をこえないようにし、かつ、容器の表面から1メートルの距離において放射線量率が、10ミリレム毎時をこえないようにすること。ただし、管理区域内を運搬する場合は、この限りでない。

 8 従事者以外の者であって核燃料物質の運搬に従事するものの被ばく放射線量が第10条第1項第3号の許容被ばく放射線量をこえないようにすること。

(貯蔵)

第15条 法第48条の規定により、再処理事業者は、次の各号に掲げる核燃料物質の貯蔵に関する措置をとらなければならない。

 1 核燃料物質の貯蔵は、貯蔵施設において行なうこと。

 2 貯蔵施設の目につきやすい場所に、貯蔵上の注意事項を掲示すること。

 3 核燃料物質の貯蔵に従事する者以外の者が貯蔵施設に立ち入る場合は、その貯蔵に従事する者の指示に従わせること。

 4 使用済燃料は、冷却について必要な措置をとること。

 5 核燃燃料物質の貯蔵は、いかなる場合においても、核燃料物質が臨界に達するおそれがないように行なうこと。

(廃棄)

第16条 法第48条の規定により、再処理事業は、次の各号に掲げる放射性廃棄物の廃棄に関する措置をとらなければならない。

 1 放射性廃棄物の廃棄に従事する者以外の者が廃棄施設に立ち入る場合には、その廃棄に従事する者の指示に従わせること。

 2 放射性廃棄物を廃棄する場合は、作業衣等を着用して作業し、かつ、これらの作業衣等は、廃棄施設外において着用しないこと。

 3 気体状の放射性廃棄物は、排気施設によって廃棄すること。

 4 液体状の放射廃棄物は、海洋放出施設によって廃棄し、若しくは廃液槽に廃棄し、又はこれを容器に封入し廃棄すること。

 5 液体状の放射性廃棄物を封入する容器は、容器が破損した場合において、封入された放射性廃棄物の全部を吸収することができる材料で包むこと。

 6 固体状の放射性廃棄物は、水の浸透しない、かつ、腐食に耐える容器に封入して廃棄すること。ただし、大型機械等容器に封入して廃棄することが著しく困難な放射性廃棄物を障害防止の効果をもった廃棄施設に廃棄する場合は、この限りでない。

 7 放射性廃棄物を容器に封入して廃棄する場合は、障害防止の効果をもった廃棄施設に廃棄すること。ただし、固体状の放射性廃棄物については、これらの廃棄施設に廃棄することが著しく困難な場合であって、長官の承認を受けたときに限り、海洋に投棄することができる。

 8 前号に規定する場合にあっては、その容器は、廃棄の際及び廃棄後においても破損するおそれがない程度の強度を有するものであること。

 9 固体状の放射性廃棄物を海洋に投棄する場合は、次によること。

  イ 放射性廃棄物を封入した容器の比重は、1.2以上であること。

  ロ 投棄する箇所の海洋の深さは、2000メートル以上であること。

 10 放射性廃棄物を排気施設によって廃棄する場合は、排気施設において、ろか、放射線の強さの時間による減衰、多量の空気による希釈等の方法によって排気中における放射性物質の濃度をできるだけ低下させること。この場合、排気口又は排気監視設備において、排気中の放射性物質の濃度を監視することにより、周辺監視区域の外の空気中の放射性物質の濃度が長官の定める許容濃度をこえないようにすること。

 11 放射性廃棄物を海洋放出施設によって廃棄する場合は、海洋放出施設において、ろか、イオン交換樹脂法による吸着、放射線の強さの時間による減衰、多量の水による希釈等の方法によって放出水中の放射性物質の濃度をできるだけ低下させること。この場合、海洋放出口又は海洋放出監視設備において、放出水中の放射性物質の量及び濃度を監視することにより、放射性廃棄物の海洋放出に起因する人の被ばく放射線量が長官の定める許容被ばく線量をこえないようにすること。

(保安規定)

第17条 法第50条第1項の規定による保安規定の認可を受けようとする者は、認可を受けようとする工場又は事業所ごとに、次の各号に掲げる事項について保安規定を定め、これを記載した申請書を提出しなければならない。

 1 再処理施設の操作及び管理を行なう者の職務及び組織に関すること。

 2 再処理施設の従事者に対する保安教育に関すること。

 3 保安上特に管理を必要する設備の操作に関すること。

 4 再処理施設の操作に関する安全審査に関すること。

 5 管理区域、保全区域及び周辺監視区域の設定並びにこれらの区域に係る立入制限等に関すること。

 6 排気監視設備及び海洋放出監視設備に関すること。

 7 管理区域、保全区域及び周辺監視区域に係る被ばく放射線量、放射性物質の濃度及び放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度の監視並びに汚染の除去に関すること。

 8 放射線測定器の管理及び放射線測定の方法に関すること。

 9 再処理施設の巡視及び点検並びにこれらに伴う処置に関すること。

 10 再処理施設の定期自主検査に関すること。

 11 燃料物質の受渡し、運搬、貯蔵その他の取扱いに関すること。

 12 放射性廃物の廃棄に関すること。

 13 海洋放出口周辺海域等の放射線管理に関すること。

 14 非常の場合にとるべき処置に関すること。

 15 再処理施設に係る保安に関する記録に関すること。

 16 その他再処理施設に係る保安に関し必要な事項

  2 所在地が茨城県にある工場又は事業所に係る前項の申請書の提出は、水戸原子力事務所長を経由してしなければならない。

  3 第1項の申請書の提出部数は、正本1通及び副本2通とする。

(核燃料取扱主任者の選任等)

第18条 法第51条第1項の規定による核燃料取扱主任者の選任は、工場又は事業所ごとに行なうものとする。

 2 法第51条第2項において準用する法第22条第2項の規定による届出に係る書類の提出部数は、正本1通及び副本2通とする。

(国際規制物資の使用の届出)

第19条 再処理事業者は、国際規制物資を再処理の事業の用に供しようとするときは、法第61条の3第4項の規定により、そのつど、次の各号に掲げる事項を記載した書類を当該国際規制物資を使用する工場又は事業所ごとに作成し、あらかじめ、長官に提出しなければならない。

 1 名称、住所及び代表者の氏名

 2 国際規制物資を使用する工場又は事業所の名称及び所在地

 3 国際規制物資の種類及び数量

 4 予定使用期間

2 前項第3号の国際規制物資の種類については、供給当時国ごとの資材又は設備の別を明らかにして記載するものとし、同号の国際規制物資の数量については、当該国際規制物資の種類ごとに記載するものとする。

3 第1項の届出に係る書類の提出部数は、正本及び副本1通とする。

(危険時の措置)

第20条 法第64条第1項の規定により、再処理事業者は、次の各号に掲げる応急の措置をとらなければならない。

 1 再処理施設に火災が起こり、又は再処理施設に延焼するおそれがある場合には、消火又は延焼の防止に努めるとともに直ちにその旨を消防吏員に通報すること。

 2 核燃料物質を他の場所に移す余裕がある場合には、必要に応じてこれを安全な場所に移し、その場所の周囲には、なわ張り、標識等を設け、かつ、見張人をつけることにより、関係者以外の者が立ち入ることを禁止すること。

 3 放射線障害の発生を防止するため必要がある場合には、再処理施設の内部にいる者及び附近にいる者に避難するよう警告すること。

 4 使用済燃料等による汚染が生じた場合には、すみやかに、そのひろがりの防止及び除去を行なうこと。

 5 放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者がいる場合には、すみやかに救出し、避難させる等緊急の措置を講ずること。

 6 その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。

(報告の徴収)

第21条 再処理事業者は、核燃料物質を受け入れ又は払い出したときは、それぞれ別記様式第一又は別記様式第二による報告書を工場又は事業所ごとに作成し、その受入れ又は払出しが行なわれた日から15日以内に長官に提出しなければならない。ただし、核燃料物質(核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令(昭和32年政令第325号)第1条第5号から第8号までに掲げる核燃料物質を除く。次項において同じ。)の受入れ又は払出しの数量(ウラン又はトリウムの量)が500グラム未満である場合はこの限りでない。

2 再処理事業者は、毎月、工場又は事業所ごとに、別記様式第3による報告書を作成し、翌月末日までに長官に提出しなければならない。ただし、核燃料物質の当該期間における期首及び期末の在庫並びに増加及び減少の数量(ウラン又はトリウムの量)が、いずれも500グラム未満である場合は、この限りでない。

3 再処理事業者は、法第45条第1項又は同条第2項の認可を受けた申請書に記載された核燃料物質収支図に再処理の各工程ごとに表示された核燃料物質の損失の数値の合計をこえて核燃料物質の損失が発生したときは、遅滞なく、その旨を長官に報告しなければならない。

4 再処理事業者は、工場又は事業所ごとに、別記様式第4による報告書を、従事者の1年間の被ばく放射線量に係るものにあっては、毎年4月1日からその翌年の3月31日までの期間について、その他のものにあっては毎年4月1日から9月30日までの期間及び10月1日からその翌年の3月31日までの期間について作成し、それぞれ当該期間の経過後1月以内に長官に提出しなければならない。

5 再処理事業者は、海洋放出口周辺の海域の海水、海底土、海産生物、漁具その他の保官規定で定める物に係る放射性物質の種類別の濃度又は表面の放射性物質の密度に関する報告書を、毎年1月1日から3月31日までの期間、4月1日から6月30日までの期間、7月1日から9月30日までの期間及び10月1日から12月31日までの期間について作成し、それぞれ当該期間の経過後1月以内に長官に報告しなければならない。

6 再処理事業者は、放射性廃棄物を海洋に投棄した場合は、その種類別の数量並びに投棄の日時、場所及び方法について、直ちに長官に報告しなければならない。

7 再処理事業者は、次の各号の1に該当するときは、その旨を直ちに、その状況及びそれに対する処置を10日以内に長官に報告しなければならない。

 1 核燃料物質の盗取又は所在不明が生じたとき。

 2 再処理施設の故障(再処理に及ぼす支障が軽微なものを除く。)があったとき。

 3 使用済燃料等が異常にろうえいしたとき。

 4 従事者について第10条第1項第1号の許容集積線量若しくは許容被ばく線量を、従事者以外の者であって管理区域に業務上立ち入るもの(一時的に立ち入る者を除く。)について同項第3号の許容被ばく線量をこえ、又はこえるおそれのある被ばくがあったとき。

 5 前各号のほか、再処理施設に関し、人の障害(放射線障害以外の障害であって軽微なものを除く。)が発生し、又は発生するおそれがあるとき。

8 所在地が茨城県にある工場又は事業所に係る前4項の報告は、水戸原子力事務所長を経由してしなければならない。

9 第1項、第2項、第4項及び第5項の報告書の提出部数は、正本及び副本一通とする。

(身分を示す証明書)

第22条 法第68条第2項の身分を示す証明書は、別記様式第5によるものとする。

附則

この府令は、公布の日から施行する。

(別記)
















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