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原子力開発利用長期計画改訂について




昭和46年3月11日

原子力委員会


1 改訂の必要性


 本委員会は、昭和42年4月、原子力開発利用長期計画を策定したが、以来約4年間、わが国の原子力開発利用は同計画に基づいて、関係各界の緊密なる協力のもとに進められ、原子力発電の開発、原力炉開発、原子力船の開発等その発展には著しいものがある。

 一方、近年におけるエネルギー需要の増大は予想を上まわるものであり、なお今後とも増大するものと考えられるが、この供給をになってきた化石燃料は大気汚染防止問題、原油の国際価格上昇問題等があるため、エネルギー源としての原子力への期待は一段と高まりつつある。このような情勢のもとに、今後原子力発電の実用化は予期以上の大幅な進展を示すものと見込まれる。このほか、海外における濃縮ウランに対する動き等の最近の原子力開発における国際的動向は、わが国の原子力開発利用の推進に少なからず影響を及ぼすことも予想される。

 これらに伴い、核燃料資源の確保、濃縮ウランの確保等の核燃料問題、放射性廃棄物の処理処分問題等の諸問題について具体的解決をはかることが緊急な課題となってきている。また、原子力安全対策は一層重要性を帯びてきた。

 かかる情勢に対処し、わが国の原子力開発利用を一層推進するため、原子力開発利用長期計画全般についてさらに具体的に検討し、本年11月末を目標にその改訂を行なうこととする。

2 作業要領


(1)国内および海外の原子力開発利用に関する資料の収集および整理を行ない、計画改訂上問題となる事項を調査分析し、4月末までに基礎的資料を作成する。

(2)上記(1)と並行して計画改訂に係る関係各方面の要望事項を調査し、これをとりまとめる。

(3)原子力委員会は上記(1)および(2)を参考として、5月末までに計画改訂の基本方針を明らかにする。

(4)改訂原案の作成にあたっては、広く関係各界の意見をきくものとし、関係業界、学界等の学識経験者および関係行政機関の職員をもって構成する長期計画専門部会を設置する。

(5)長期計画専門部会は上記基本方針に基づいて改訂原案を作成するが、その審議を進めるにあたり、既設の関連専門部会、懇談会等の検討結果を活用するものとし、また、必要がある場合は分科会を設置する。

(6)計画改訂の原案作成に係る事務は、原子力局において処理する。

3 計画の決定


 原子力委員会は、専門部会において作成された改訂原案について最終的な検討を行なうものとし、その決定の時期は本年11月末を目標とする。


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