前頁 |目次 |次頁

東京湾内ヘドロ試料の放射能調査について




1 科学技術庁原子力局は、東京湾内ヘドロ試料中の放射性核種を明らかにするため、昭和45年11月6日、横浜港京浜運河瑞穂埠頭より多摩川河口に至る10点(図1参照)において、また、これに引きつづき、昭和46年1月26日東京湾多摩川河口以北より東京湾、江戸川河口、千葉沖をへて千葉県木更津沖に至る東京湾沿岸海域20点(図2参照)においてそれぞれヘドロ試料を採取し、これの放射能調査を行なった。

2 横浜港京浜運河10点において採取したヘドロ試料について、(財)日本分析化学研究所(理事長北代読弥 東京都板橋区舟渡1-7-3)で放射性核種を分析した結果40K、90Sr、137Cs、144Ce等が検出されたが、いずれも他地域と同程度の水準であることが確認された。また、60Co、65Znは検出限界以下であった。

(分析結果の詳細は別添参照)

 なお、東京湾沿岸海域20点において採取したヘドロ試料については、現在(財)日本分析研究所で分析中であり、結果は3月下旬判明する予定である。

別添 東京湾京浜運河ヘドロ試料の放射能調査結果について


1 機器分析測定結果

 ガンマ線波高分析器により測定した結果すべての試料で、バックグラウンド程度のウラン、トリウム系列および40Kの放射能が認められた。
このほか、一部の試料で放射性降下物に由来する137Cs、95Zn+95Nb等が認められた。

2 化学分析結果

 全試料について90Sr、137Cs、144Ce、60Co、65Znの5核種を分析測定した結果90Sr、137Cs、144Ceについては他地域のレベルと同程度の値であり、60Co、65Znについては検出限界以下であった。

分析結果は、次表のとおりである。










前頁 |目次 |次頁