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日本原子力研究所東海研究所の原子炉の
設置変更(JPDRの施設の変更)について(答申)


45原委第148号
昭和45年7月2日

内閣総理大臣 殿

原子力委員会委員長

 日本原子力研究所東海研究所の原子炉の
設置変更(JPDRの施設の変更)について(答申)

 昭和45年6月10日付け45原第3601号で諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。

 標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に、適合しているものと認める。
 なお、各号の基準の適合に関する意見は、別紙のとおりである。


(別紙)
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる認可の基準の適合に関する意見

1. 本変更は、第1号から第3号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。

2. 第4号に掲げる許可の基準の適合に関する原子炉安全専門審査会の審査結果は、別添のとおりであり、本変更により原子炉施設の安全はそこなわれることはなく、第4号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。



日本原子力研究所東海研究所の原子炉の設置変更
(JPDRの施設の変更)に係る安全性について

昭和45年6月12日
原子炉安全専門審査会

原子力委員会委員長
西田 信一 殿

原子炉安全専門審査会
会長 内田 秀雄

 日本原子力研究所東海研究所の原子炉の設置変更
(JPDRの施設の変更)に係る安全性について


 昭和45年6月11日付け45原委第145号をもって審査の結果を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。


Ⅰ 審査結果
 日本原子力研究所東海研究所の原子炉の設置変更(JPDRの施設の変更)に関し、同研究所が提出した「東海研究所原子炉設置変更許可申請書(JPDRの原子炉施設の変更)」(昭和45年5月29日付け45原研05第13号)に基づいて審議した結果、同原子炉施設の変更に係る安全性は十分確保しうるものと認める。



Ⅱ 変更事項
 約2炉心分相当の貯蔵容量を有する燃料貯蔵施設を原子炉格納容器の近傍に設ける。この施設は、内部に使用済燃料貯蔵プール(コンクリート造り水槽、鋼板内張り)を有する鉄骨造り外部仕上げ軽量気泡コンクリート板造りの建屋である。建屋には、天井クレーン,プール水浄化系、換気系等が設けられる。
 原子炉格納容器と燃料貯蔵建屋の間には、台車レールを設けて、キャスクや重量物の輸送を容易にする。
 なお、新燃料置場も本建屋内に変更する。



Ⅲ 審査の内容
 本変更により増設される燃料貯蔵施設には、次のような安全対策が講じられることになっており、十分な安全性を有するものであると認める。

1 臨界防止対策
 燃料を貯蔵する場合の臨界対策としては、燃料貯蔵たなの間隔を十分とり、臨界未満となる構造を採用している。

2 崩壊熱除去対策
 使用済燃料は、格納容器内にある既設の燃料貯蔵プールで冷却された後本施設に貯蔵されるので、特に冷却系を設けなくてもプール水温は50℃以下に維持される。

3 その他
 プール水は、脱塩器を通して循環され、必要な純度を保つ。
 建屋の床ドレン等の廃液は、既設の液体廃棄物処理施設に送られ、排気はフィルターを通った後排気モニタにより監視されて放出される。
 また、建屋内にはエリアモニタが設置される。



Ⅳ 審査経過
 本審査会は、昭和45年6月12日第80回審査会において本件を審査し、本報告書を決定した。




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