45原委第62号
昭和45年3月12日
内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長
日本原子力研究所東海研究所の原子炉の
設置変更(JPDRの変更)について(答申)
昭和45年3月4日付け45原第1164号で諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。
記
標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に、適合しているものと認める。
なお、各号の基準の適合に関する意見は、別紙のとおりである。
(別紙)
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の
規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる
許可の基準の適合に関する意見
1 本変更は、第1号から第3号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。
2 第4号の規定については、別添の原子炉安全専門審査会の審査結果のとおり、本変更は、核燃料物質、核燃料物質によって汚染された物または原子炉による災害の防止上支障ないものと認める。
日本原子力研究所東海研究所の原子炉施設の変更
(JPDRの変更)に係る安全性について
昭和45年3月11日
原子炉安全専門審査会
原子力委員会委員長
西田 信一殿
原子炉安全専門審査会
会長 内田 秀雄
日本原子力研究所東海研究所の原子炉施設の変更
(JPDRの変更)に係る安全性について
昭和45年3月5日付け45原委第54号をもって、審査の結果を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。
Ⅰ 審査結果
日本原子力研究所東海研究所の原子炉施設の設置変更(JPDRの変更)に関し、同研究所が提出した「東海研究所原子炉設置変更許可申請書(試験研究用原子力発電所(JPDR)の原子炉施設の変更)」(昭和45年3月2日付け、45原研05第5号)に基づいて審査した結果、同原子炉施設の変更に係る安全性は十分確保しうるものと認める。
Ⅱ 変更事項
① 主蒸気系安全弁の個数を2個(変更前3個)に、吹出容量を約180t/hr(変更前270t/hr)に変更すること。
② タービン系給水ポンプの容量を約85t/hr/台(変更前93t/hr/台)に、ダンプコンデンサ系給水ポンプの型式を横置多段渦巻式(変更前横置二重ボリユートポンプ)に、容量を約89t/hr/台(変更前約93t/hr/台)に変更すること。
③ 液体廃棄設備のうち、収集タンク類の貯留容量を95m3(変更前133m3)に、処理タンク類の貯留容量を53m3(変更前72m3)に変更すること。
Ⅲ 審査内容
1 変更事項①について
本原子炉において安全弁の動作上最も苛酷な条件を与える事故は、内外主蒸気隔離弁の閉鎖を伴なう事故(例えば主蒸気管破断事故)である。
変更後の安全弁の容量は、定格出力時発生蒸気量の約138%を有し、また上のような事故条件下において、その1個不動作を仮定しても原子炉圧力容器内の圧力上昇を、最高使用圧力の1.1倍以下に十分保持しうるものであり、本変更は安全上支障ないものと認める。
2 変更事項②について
給水ポンプの変更は、主として再循環ポンプ軸封部シール水の供給方法に関する設計の変更にもとづくものであり、本変更によって安全上支障を生ずることはないと認める。
3 変更事項③について
本変更にともない、タンク類の操作頻度が増加することとなるが、それによって安全性を損なうことはないと認める。
Ⅳ 審査経過
本審査会は、昭和45年3月11日第78回審査会において審査し本報告書を決定した。
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