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米国原子力潜水艦プランジャー号の佐世保港
寄港に伴う放射能調査結果について



 米国原子力潜水艦プランジャー号は12月18日(水)午前9時0分に向後崎を通過し10時20分1号ブイに繋留中のエイジャックス号の左舷に接舷を完了し、3日間停泊した後、21日(土)午前9時0分佐世保港を出港した。なお、プランジャー号は昭和40年12月20日~26日までの7日間佐世保港に寄港した実績がある。
 なお同潜水艦の概要はつぎのとおりである。

 完成年月日1962年11月21日
 型式 スレッシャー型(通常型)核ミサイルは搭載せず
 排水量 3,750トン
 全長 278.5フィート
 原子炉 加圧小型 1基
 速力 水上20ノット、水中35ノット
 艦長 N.R.Thunman
 乗員 117名(士官13名を含む)

 同潜水艦寄港に伴う佐世保港における放射能調査は、モニタリングポストによる連続測定ならびにモニタリングボートによる原子力潜水艦の入港前、入港直後、停泊中、出港直後に同艦の周辺および港内の所定のコースについて放射能調査を実施したが、結果はつぎに示すとおりで、環境放射能の異常は認められなかった。

 調査結果

 米国原子力軍艦のわが国の港に寄港するのは、昭和43年5月入港したソードフィシュ号による異常放射能事件件来7ヵ月ぶりの寄港で、現在まで寄港実績は、佐世保港15回、横須賀港10回で通算25回となった。

                       原子力潜水艦プランジャー号佐世保港寄港に係る放射能調査結果



参考(1) 米国原子力潜水艦プランジャー号の佐世保港寄港に伴う放射能調査日誌



参考(2) 原子力軍艦寄港時の放射能調査予定

(昭和43年12月16日現在)

モニタリングボート
 入港前日 停泊予定水域および港内全域調査
 入港時 追跡調査および停泊水域調査
 停泊時 停泊水域調査毎日1回を予定
 出港時 追跡調査および停泊水域調査

モニタリングポスト
 原則として3時間ごとに巡回
 主要ポストについては、必要に応じ担当者を常駐させる。

科学技術庁からの派遣
 今回は、赤羽放射能課長ほか2名を予定
 調査班長には、放射能課長があたる。


参考(3) 米国原子力軍艦(潜水艦)の佐世保港寄港について

 本日8時35分外務省より標記の件について下記のとおり連絡があった

 記

艦名 プランジャー号(Plunger)

艦長 タンマン(N.R.Thunmen)海軍中佐

乗組員 117名(士官13名、下士官および兵104名)

入港・停泊予定
 入港予定 昭和43年12月18日午前9時頃
 停泊予定日数 約3日

停泊地 佐世保港

目的 休養と補給


参考(4) プランジャー号の入港

午前9時00分頃 向後崎通過

 同10時20分頃 1号ブイに投錨中のエイジャックス号の左舷に接舷完了

 前記について、午前10時30分佐世保より連絡があった。


参考(5) プランジャー号の出港


午前9時10分頃 自力出港

 同10時08分頃 向後崎通過

前記について、午前10時30分頃佐世保より連絡があった。


参考(6) 波高分析器によるγ線迅速分析結果

① 波高分析器のバックグラウンド
② 入港前日(12月17日16:00頃)調査のさいに採取した海水
③ プランジャー号の舷側25mの附近で採取した海水(12月18日、16:00頃降雨により示された観測値のピーク時)
 上記のうち①②の海水については、マニアルに基づいて前処理を行ない濃縮した試料を作成し、①をも含めそれぞれ波高分析器によって計測を行なった結果、示されたγ線スペクトラムに全然変化がなく、殆んど同様であった。
 なお、Co-60,Fe-59,Fe-58等が示すエネルギー帯にピークは認められず人工的な核種はなかった。(200チャンネルの合計カウントが約200カウント程度)
 また今回のプランジャー号寄港中の波高分析器の利用回数は次のとおりである。

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