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動力炉安全基準専門部会の設置について |
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43.10.17 原子力委員会は、本年2月、原子炉施設安全問題懇談会を設置し、以来、原子炉施設の安全性に関する諸問題について、関係有識者の意見を徴してきた。 去る8月22日に至り、同懇談会から報告書の提出を受けたので、本委員会は、同報告書の趣旨を尊重して、今後、所要の措置を講じて行くものとするが、とくに、審査指針の整備に関する事項については、同報告書において提案されているように、動力炉安全基準専門部会を設置して、審議を進めて行くものとする。 すなわち、上記の報告書にも指摘されているとおり、 (1)原子炉施設の安全性の確保については、従来から、個々の原子炉の設置または変更の許可に先立って実施される安全審査によって、その安全性が確認されてきたところであるが、今後、発電用原子炉を中心とする原子炉は、一層増大することが予想されるので、現在までの知識、経験を活用して、今後における適切かつ合理的な安全審査の実施を確保するために、安全審査における指標となる諸基準の整備、充実を積極力に押し進めて行く必要が生じてきている。 (2)とくに、当分の間発電用原子炉の主流になると考えられる軽水型の原子炉については、わが国においても、既にいくつかの審査経験を有しているところであり、これらの経験と外国における事例から判断すれば、今後の技術的な進歩を見込んでも、ある程度具体的かつ一般的な安全設計上の審査指針を策定し得る段階に至っていると考えられる。 (3)また、既に本委員会が定めた「原子炉立地審査指針」は、「原子炉安全解析のための気象手引き」とともに、原子炉の安全審査に際して、立地評価上の重要な指針として、今日まで大きな役割りを果たしてきたところであるが、今後の原子炉の建設数の増大に伴い、立地審査指針の適用がより適切かつ容易に行なわれ得るよう、具体的な遭用にあたって重要となる事項について検討を加え、その整備を図る必要がある。 (4)他方、わが国が自主的に開発を進めている高速増殖炉、新型転換炉等の新型動力炉も、いまや建設の緒につこうとしており、これらについても、安全審査上必要となる事項に関する所要の検討を開始しなければならない。 とくに、現在の「原子炉立地審査指針」は、ウランを燃料とする炉にのみ適用されるものであることにかんがみ、プルトニウムを燃料とする原子炉の立地評価に必要なプルトニウムに関するめやす線量の検討を急ぐ必要がある。 なお、これらの新型動力炉は、未だ開発途上にある原子炉であるので、現段階で、軽水炉と同程度の一般的な安全設計上の審査指針を直ちに設定することは困難であり、かつ実際的でないことはいうまでもないが、現時点においても、これらの原子炉に関する指針のあり方について検討を始めることは望ましいことであり、この検討によって得られる知識は、それぞれの時点における安全審査に有効に寄与するものであると考えられる。 以上のような点にかんがみ、上述のように、動力炉安全基準専門部会を設置し、下記の諮問事項について、早急に審議を進めようとするものである。 2 諮問事項 (1)軽水炉についての安全設計に関する審査指針の策定 (2)現行原子炉立地審査指針の具体的な適用に必要な事項に関する検討、整備 (3)プルトニウムを燃料とする原子炉の立地評価上必要なプルトニウムに関するめやす線量等の策定 (4)その他、新型動力炉の安全審査指針、原子炉設置許可申請書の記載のあり方等、原子炉施設の安全審査に必要な事項の検討 3 構成員 (構成委員は、別紙のとおりとする。) 4 専門部会の設置の時期 昭和43年11月 5 担当原子力委員 山田委員 6 主管課 原子力局原子炉規制課 別 紙 動力炉安全基準専門部会構成委員
(注)〇印は原子炉安全専門審査会委員 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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