ドイツ連邦共和国シュトルテンベルク
科学研究大臣の訪日について
鍋島科学技術庁長官の招きにより、ドイツ連邦共和国シュトルテンベルク科学研究大臣は昭和43年9月14日から23日にわたって日本を訪問し、その間、原子力委員会との間で会談が行なわれた。
議題等については下記のとおりであり、また、同大臣訪問に際し、発表された共同コミュニケは別添のとおりである。
記
原子力委員会とシュトルテンベルク科学研究大臣との会談
1 日時および場所
昭和43年9月16日 午後4時〜5時30分、ホテル・オークラ「有明」
2 議題
(1)動力炉開発政策について
(2)核燃料政策について
(3)原子力船について
(4)核兵器不拡散防止条約(NPT)について
3 出席者
日本側
有沢 広己 |
(原子力委員会委員長代理) |
高井亮太郎 |
(原子力委員会委員) |
与謝野 秀 |
( 〃 ) |
武藤俊之助 |
( 〃 ) |
武田 栄一 |
( 〃 ) |
山田太三郎 |
( 〃 ) |
藤波 恒雄 |
(原子力局長) |
成田 寿治 |
(原子力次長) |
田中 好雄 |
( 〃 ) |
小池 正忠 |
(参事官) |
井上 五郎 |
動力炉、核燃料開発事業団理事長 |
佐々木周一 |
日本原子力船開発事業団理事長 |
村田 浩 |
日本原子力研究所副理事長 |
ドイツ側
シュトルテンベルク科学研究大臣
シュスター第三局次長
ハウシルド第一局
ザール科学アタッシェ
シェルテウフェラーゲー等書記官
別添
日本国鍋島国務大臣兼科学技術庁長官と
ドイツ連邦共和国シュトルテンベルク科学研究大臣との
会談にさいしての共同コミュニケ
昭和43年9月19日
鍋島科学技術庁長官の招きにより、ドイツ連邦共和国シュトルテンベルク科学研究大臣はドイツ科学研究省高官を伴い、昭和43年9月14日から23日にわたって日本を訪問した。
この訪問中、シュトルテンベルク大臣は、佐藤総理大臣、石井衆議院議長、椎名通商産業大臣兼外務大臣代理ならびに倉内外務政務次官を訪問した。
シュトルテンベルク大臣は又、東京大学付属研究所を訪問し、大河内東京大学総長と会談した。
シュトルテンベルク大臣はさらに日本原子力産業会議と、双方の関心事につき討議を行なうとともに、民間企業の研究所および工場を訪問した。
さらに、科学技術会議、原子力委員会、宇宙開発委員会の各委員とそれぞれ意見の交換を行なった。
鍋島長官とシュトルテンベルク大臣は、その会談において科学技術分野における諸問題につき意見を交換し、この分野における協力関係の促進につき討議した。
会談は和かで友好的な雰囲気で進められ、両大臣は科学技術の進歩のために協力を強化することの重要性を認識し、とくに下記の諸問題が討議された。
1 両大臣は原子力平和利用の分野における協力を促進することが有益であり、かつ望ましいことを確認し、原子力研究センター間における基礎的研究計画およびその他核燃料確保のための長期政策、エネルギー需要に適合する各種原子炉システムの最適利用等の相互に関心ある事項に関する情報交換を容易にしかつ強化する意図を表明した。
2 両大臣は両国が宇宙開発の促進に多大の努力を払っていることを認め、情報なかんずく長期計画に関する情報交換を行なうとともに、この分野におけるより密接なる協力の可能性について検討することの共通の意図のあることを明らかにした。
3 両大臣は、両国が海洋科学技術について大きな関心をいだいていることに鑑み、この分野における情報および専門家の交換を通じての協力の可能性を検討する意図を表明した。
4 両大臣は入手可能なあらゆる科学技術情報を利用することの重要性について合意し、両国の科学技術分野における中心的な情報機関間の協力を拡充強化することが必要であることを強調した。
5 科学技術の諸分野における両国の協力を展望し、発展させるために、両大臣は適当な時期に再び会談することに同意した。
次回の会談はシュトルテンベルク大臣の招きにより、ドイツ連邦共和国において開催されることとなろう。
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