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昭和42年度原子力開発利用動態調査報告書


第1回原子力開発利用動態調査報告書

昭和43年6月
科学技術庁

はしがき

 最近、わが国における原子力開発利用は、原子力発電、放射線利用等の各分野にわたって急速な進展をみせ、ようやく実用化、産業化の段階に到達した。

 このような情勢から、今後、わが国の原子力開発利用を推進するうえに、原子力産業の基盤を早期に確立することが強く要請されている。

 原子力は、エネルギー供給の将来における有力な担い手となり、かつ、技術革新の進展に大きな役割を果すことが期待されるものであるが、同時に、その研究開発は科学技術のきわめて広い分野に及んでおり、長期にわたり多額の資金と多数の人材を必要とするものである。

 このため、わが国における原子力開発利用は、長期的、総合的視野のもとに、これを計画的かつ効率的に推進することが肝要である。

 このような観点から、行政施策の充実をはかるため、原子力開発利用の実態を正確かつ定常的に把握し、基礎的な資料を整備する必要がある。

 科学技術庁では、この種の基礎資料の一部とするため、昭和37年度に「ラジオアイソトープ工業利用実態調査」を、昭和38年度に「ラジオアイソトープ医学利用実態調査」を、さらに昭和41年度に「放射線工業利用実態調査」をそれぞれ実施してきた。

 しかしながら、上述のような情勢の急速な進展にかんがみ、より広範な分野にわたって、原子力開発利用の動向を総合的かつ定期的に調査することがますます必要なものとなってきた。

 このような観点から、わが国における原子力開発利用の一層の推進に資するため、これまでに行なった各実態調査をさらに発展させ、新たに原子力開発利用の全分野を対象として、「原子力開発利用動態調査」を実施することとし、昭和42年度にその第1回を行なったものである。

 本調査は、今後、引続き毎年実施する方針であるが、今回は、その第1回でもあり、なお、調査項目、調査方法等につき検討すべき点が多い。関係各位の御協力により、さらに改善をはかり、より効果的な調査
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