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原子力第1船の原子炉の設置について



 原子力委員会は、日本原子力船開発事業団から、答申のあった原子力第1船の原子炉に関する原子炉等法に定める設置許可基準の適合について、内閣総理大臣から昭和42年4月6日付けで諮問を受けた。

 以来、安全性について、原子炉安全専門審査会は審査方を指示し、本年11月15日に審査会長から安全性は確保し得る旨の報告を受けた。

 さらに、委員会としては、審査会から報告があった安全性のほか、平和利用、計画的遂行、経理的基礎について審査を行ない、設置許可基準に適合する旨11月16日の定例会議で結論を得たので、同日付けで内閣総理大臣に答申した。

 同炉の計画概要と答申書全文は以下のとおりである。

原子力第1船の原子炉の計画概要

1 本船、原子炉の型式・出力及び付帯陸上施設
 本船は、全長約130m、型幅約19m、型深約13.2m、総トン数約8,350トン、主機1軸、10,000馬力、蒸気タービンの平甲板船であり、原子炉は、低濃縮ウラン、軽水減速、軽水冷却(加圧水型)で熱出力約36MWである。

 付帯陸上施設を設置する場所は、青森県むつ市下北ふ頭南端約36,000m2の敷地である。

2 工事計画
 工事の予定は、船体は、昭和43年12月着工、昭和44年7月進水、昭和45年1月完成の予定であり、原子炉は、昭和43年6月着工、昭和46年5月据付完了、同年12月燃料装荷の予定で、全体としての完成は昭和47年3月である。

 船体建造は、石川島播磨重工業(株)が行ない、原子炉の製造は、三菱原子力工業(株)が行なうことになっている。

3 経理
 工事に要する費用は約82億円であり、政府出資、民間出資及び寄付金により調達される。

4 経過
 日本原子力船開発事業団からの申請は、昭和42年4月3日に行なわれた。

 原子炉安全専門審査会の原子力委員会あての報告は、11月15日になされ、原子力委員会は内閣総理大臣に対し、11月16日に答申した。
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