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原子力第1船の原子炉の設置について(答申)


42原委第275号
昭和42年11月16日

 内閣総理大臣殿

原子力委員会委員長

原子力第1船の原子炉の設置について(答申)

 昭和42年4月6日付け42原第1709号(昭和42年9月20日付け42原第4457号、昭和42年9月28日付け42原第4653号および昭和42年10月16日付け42原第4858号をもって一部訂正)をもって諮問のあった標記の件については下記のとおり答申する。

 日本原子力船開発事業団が船舶推進用として、原子力第1船に設置する低濃縮ウラン、軽水減速、軽水冷却の加圧水型、熱出力36MWの原子炉1基の設置許可申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に規定する許可の基準に適合しているものと認める。

 なお、各号の基準の適合に関する意見は、別紙のとおりである。
別紙

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に規定する許可基準の適合に関する意見


 (平和利用)
1 この原子炉は、日本原子力船開発事業団が原子力第1船の推進用のために用いるものであって、平和の目的以外に利用されるおそれがないものと認める。

 (計画的遂行)
2 日本原子力船開発事業団がこの原子炉を原子力第1船に設置することは、「原子力開発利用長期計画」に定める方針にのっとっており、船体および舶用炉を一体とした原子力船建造に関する技術体系の確立に資するものと期待されるものであって、この原子炉の設置が、わが国の原子力開発および利用の計画的な遂行に支障をおよぼすおそれがないものと認める。

 (経理的基礎)
3 この原子炉の設置に要する資金は、政府出資および民間出資により調達する計画になっているが、その計画内容からみて資金調達は十分可能である。

 申請者の総合的経理能力および原子炉設置のための資金計画からみて経理的基礎は十分であると認める。

 (技術的能力)
4 別添の原子炉安全専門審査会の審査結果のとおり、この原子炉を設置し、その運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があるものと認める。

 (災害防止)
5 別添の原子炉安全専門審査会の審査結果のとおりこの原子炉施設の位置、構造および設備は、核燃料物質、核燃料物質によって汚染された物または原子炉による災害の防止上支障がないものと認める。
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