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第31回ENEA運営委員会の概要



 欧州原子力機関(ENEA)第31回会合は去る6月8日パリの ENEA本部で開催され、わが国からはOECD代表部岩本書記官が出席した。このほどENEA事務局から資料SUM/DEC 31(Summary of Decisions Taken at the 31st Session of the Committee)の送付があったので、その決議の概要を報告する。

1 1967年の議長は Mr.H.H.Koch(デンマーク)、副議長はMr.W.Schulte-Meermann(ドイツ)およびMr.I.Michaels(英国)がそれぞれ選出された。

2 Halden計画の第7次年報、Dragon計画の第8次年報がそれぞれ了承された。

3 議題5ザイベルスドルフ・プロジェット;IAEAとの協力により国際的な参加国の増加、目的範囲の拡大の措置が了承された。

4 議題6アイソトープ発電機;アイソトープ電池のスタデイグループ(オーストリア、デンマーク、フランス、ドイツ、スペイン.スエーデン、スイス)の設置ならびに活動計画が承認された。期間は2ヵ年間。また、ダイナミックサイクル発電機スタデイグループ(オーストリア、フランス、ドイツ、オランダ、ポルトガル、スペイン、英国、期間1年)およびアイソトープ発電機の安全性ワーキンググループの設置が承認された。

5 議題7原子力分野における科学ドキュメントの配分;英国National Lending Library の国際的サービスを2年間にわたって実施するための英、米、オーストリイ、デンマーク、アイルランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スエーデン、スイス、トルコの協同案は了承された。またカナダ、日本およびIAEAは情報資料の交換相手国として参加する予定。ベルギー、ドイツ、イタリー、ルクセンブルグ、オランダは不参加、なお、N.L.L.の国際サービスの活動内容を検討するため参加国代表からなる諮問委員会が設置された。

6 議題8第三者損害賠償;パリ条約調印国は提案された形式により財政保証書を発行すべきことが勧告された。また事務局に対しては保証書の形式統一につき各国と接衝すべきことが命ぜられた。

 パリ条約に使用されている“Nuclear installation”の定義に関し、(1)未臨界実験装置は“Reactor”に含めないこと、(2)条約の適用が除外される燃料物質の量の規定につき提案どおり了承し、IAEAとの協議結果にもとづいて決議案を提案すべきことが決定された。

7 議題9安定保障の管理;(1)照射済み燃料の化学処理プラント(ENEA共同事業に限定)に適用される保障措置規則案が承認された。(2)研究炉、実験炉のための共同事業から得られた核物質の取扱い施設に係る保障措置規則の改正(保障措置の一時的停止又は免除に関する規定)が承認された。

8 原子船スタディグループおよび大西洋固体廃棄物投棄実験について報告を了承するとともに、核データの収集、情報交換に関して、中性子データ編集センター、とIAEA核データユニットの協力をさらに緊密にすべきであるとする中性子データセンター委員会の勧告を了承した。またMHD 発電に関するIAEA、ENEA連絡グループについて事務局長が必要な措置をとる権限を与えた。(議題10.11.12.13)

9 議題14,1968年計画の概要;事務局作成の計画を承認し、東西ヨーロッパの科学技術関係改善問題の検討、可能性を調査することを決議した。その他1968年中に、原子炉におけるオンライン、コンピューターの応用に関するシンポジウム、動力炉の、総括一次フラックスの経済性に関するシンポジウムをそれぞそ開催することが決定した。

10 ENEA運営委員会の次回(第32回会合は10月19日と決定された。
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