第3回「原子力の日」記念行事報告
「原子力の日」は、昭和39年7月1日、原子力平和利用の推進のために、ひろく国民一般の原子力についての理解と認識を深めることを目的として、毎年10月26日とする旨、閣議了解により制定され、昭和39年度を第1回として、本年度をもって第3回を迎えることとなった。
10月26日は、日本原子力研究所東海研究所において、昭和38年、動力試験炉(JPDR)によりわが国ではじめて原子力発電に成功した日であり、また、国際原子力憲章にわが国が署名した日である。
本年度は、日本原子力研究所、原子燃料公社、日本原子力船開発事業団、日本原子力発電株式会社、日本原子力産業会議、日本原子力普及センター、原子力安全研究協会、日本放射性同位元素協会、日本科学技術振興財団および電気事業連合会の代表者ならびに科学技術庁振興局長、科学技術庁原子力局長および放射線医学総合研究所長をもって、第3回「原子力の日」行事委員会を構成し、記念ポスターの作成頒布、東京科学技術館における原子力映画祭の開催、10月26日の東京科学技術館ならびに東海村の日本原子力普及センター見学館および見学バスの無料開放等を行なった。
また、日本原子力研究所における創立10周年記念行事のほか、地方において北海道、東北、茨城、東京、中部、関西、北陸、中国、四国、九州の原子力懇談会、電力会社等により、この日を中心に各種の行事が多彩に実施された。
これらの行事の概要は、以下のとおりである。
Ⅰ 講演会、研究発表会等
1 日本原子力研究所創立10周年記念成果普及講演と映画の会
(1)東京
イ 開催月日 |
10月21日(金)午前10時より午後4時10分まで |
ロ 開催場所 |
日本工業クラブ大ホール |
ハ 主催 |
日本原子力研究所 |
ニ 内容 |
挨拶(丹羽周夫)、核燃料の固体化学的研究(内藤奎爾)、原子力計算コード開発の現状(石川寛)、研究用原子炉の果たしてきた使命と将来の展望(宇野秀郎)、動力炉の開発(天野昇)、放射線化学の開発(宗像英二)、ラジオアイソトープの製造施設(望月勉)、映画(明日をめざして-原研10年の歩み、粉末ポリエチレン、燃料の開発-原子力を拓く人々-) |
ホ 聴衆 |
150人 |
(2)大阪
イ 開催月日 |
10月27日(木)午後1時より5時まで |
ロ 開催場所 |
大阪科学技術館 |
ハ 主催 |
日本原子力研究所および関西原子力懇談会 |
二 内容 |
挨拶(日下部滋、井上五郎)、特別講演・わが国の原子力開発利用について(村田浩)、アイソトープ事業部の概況(中井敏夫)、放射線化学の開発(宗像英二)、動力炉の開発(天野昇)、動力炉開発と核データ(稼田甲子男)、研究用原子炉の果たしてきた使命と将来の展望(柳下昌男)、映画(明日をめざして-原研10年のあゆみ-、国産ラジオアイソトープ第1部、粉末ポリエチレン) |
ホ 聴衆 |
360人 |
(3)名古屋
イ 開催月日 |
10月28日(金)午後1時より5時まで |
ロ 開催場所 |
中部電カホール |
ハ 主催 |
日本原子力研究所および中部原子力懇談会 |
ニ 内容 |
大阪に同じ |
ホ 聴衆 |
470人 |
2 原子力開発利用講演会(仙台)
(1)開催月日 |
12月10日(土) |
(2)開催場所 |
仙台市仙台商工会議所 |
(3)主催 |
東北原子力懇談会 |
(4)内容 |
原子力発電と将来のエネルギー(講師:田中慎次郎)、わが国の原子力開発の現状と将来(講師:村田浩) |
(5)聴衆 |
300名 |
3 原子力平和利用講演会(米沢)
(1)開催月日 |
11月15日(火) |
(2)開催場所 |
米沢市 |
(3)主催 |
東北原子力懇談会 |
(4)内容 |
講師、鈴木進(東北大金属材料研究所教授)、柴田悌二郎(東北電力原子力課長) |
(5)聴衆 |
500人 |
4 東海地区原子力10周年記念特別講演会
(1)開催月日 |
10月21日(金)午後1時15分 |
(2)開催場所 |
日本原子力研究所東海研究所講堂 |
(3)主催者 |
東海地区放射線連絡協議会 |
(4)内容 |
講演(講師:大宅壮一、西野恒郎)、報告(坂岸昇吉)、その他施設見学および映画上映 |
(5)聴衆 |
茨城県市町村関係者等600人 |
(6)備考 |
講演会終了後、東海クラブにて記念パーティー開催。 |
5 放射線利用医学講演会(水戸)
(1)開催月日 |
11月30日(水)午後1時より4時30分まで |
(2)開催場所 |
水戸市常陽銀行本店第1会議室 |
(3)主催 |
茨城県、茨城県原子力開発協議会(茨城県医師会、水戸市医師会、原子力行政連絡協議会後援) |
(4)内容 |
放射性医薬品について(講師:第一化学薬品(株)、東海研究所長長谷川賢)、放射線利用による診断治療、(講師:放射線医学総合研究所臨床第2研究所長永井輝夫) |
(5)聴衆 |
65人(県内病院長等) |
6 講演と映画の会(広島)
(1)開催月日 |
10月26日(水) |
(2)開催場所 |
広島市中国電力本店 |
(3)主催 |
中国電力(株)、日本原子力平和利用基金、日本原子力産業会議(中国電気協会等後援) |
(4)内容 |
原子力発電について(講師:日本原子力発電(株)、常務吉岡俊男)、映画 |
(5)聴衆 |
500名 |
7 講演と映画の会(高知)
(1)開催月日 |
11月15日(火) |
(2)開催場所 |
高知市農協会館ホール |
(3)主催 |
高知工業高等専門学校、電気学会四国支部、高知新聞社(後援高知県) |
(4)内容 |
最近における原子力発電の進展、(講師:駒形作次)、映画 |
(5)聴衆 |
200名 |
8.講演と映画の会(高松)
(1)開催月日 |
11月17日(木) |
(2)開催場所 |
高松市四国電力本店 |
(3)主催 |
四国電力、電気学会四国支部、火力発電技術協会四国支部、原産 |
(4)内容 |
原子力の利用について(講師:東俊雄) |
(5)聴衆 |
200名 |
Ⅱ 映画会等
1 原子力映画祭
(1)開催月日 |
10月25日(火)~30日(日) |
(2)開催場所 |
科学技術館小会議室映画会場 |
(3)主催 |
第3回「原子力の日」行事委員会 |
(4)参加作品 |
別紙のとおり |
2 その他
東北電力(株)等の主催により、仙台市において映画会(「原子と原子力」、「原子力と日本」、観衆30人)を開催したほか、県下各映画館において10月21日~21日の間、原子力平和利用スライドを上映。
Ⅲ 展示会等
1 原子力平和利用パネル展
(1)開催月日 |
10月14日(金)~10月26日(水) |
(2)開催場所 |
仙台市レジャーセンター |
(3)主催 |
東北原子力懇談会ほか |
(4)観衆 |
約13,000人 |
2 パネル展「開発すすむ原子力発電」
(1)開催月日 |
10月15日(土)~11月15日(火) |
(2)開催場所 |
中部電力(株)各支店、社 |
(3)主催 |
中部電力(株) |
3 ラジオアイソトープ利用展示会
(1)開催月日 |
10月24日(月)~29日(土) |
(2)開催場所 |
大阪科学技術館 |
(3)主催 |
関西原子力懇談会 |
Ⅳ 施設公開(無料)
1 東京科学技術館
(1)開催月日 |
10月26日(水) |
(2)主催 |
第3回「原子力の日」行事委員会 |
(3)入場者 |
2,409人(一般321人、団体2,088人) |
2 その他
日本原子力研究所東海研究所、原子燃料公社東海事業所、放射線医学総合研究所、日本原子力発電(株)東海発電所がそれぞれ10月26日に施設を公開したほか、日本原子力普及センター展示館がこの日に限り無料開放を行なった。
Ⅴ その他行事
1 東北原子力懇談会により仙台市内において「原子力の日」アドバルーンを10月25日(火)より27日(木)の3日間掲揚。
2 茨城原子力開発協議会後援、茨城県主催により、10月28日(金)、茨城県農業改良普及員による「RI農業利用研修会」を開催、農林省放射線育種場を見学した。参加者53人。
3 関西原子力懇談会主催により、「放射線機器のユーザーとメーカーの懇談会」を開催した。参加者約50人。
4 関西原子力懇談会主催により、「原子力の夕懇談会」を10月26日開催、出席者原研宗像英二理事ほか20人。
5 関西原子力懇談会主催により、高校生を対象として、大阪科学技術館において10月25日、27日、29日の3日間、「私たちの原子力教室」を開催。
Ⅵ 刊行物等
1 第3回「原子力の日」行事委員会により記念ポスターを作成(10,000部)、全国に配布した。
2 科学技術庁原子力局において、パンフレット「日本の原子力1966」を作成、講演会等において配布した。(10,000部)
3 日本原子力産業会議において、「原子力産業新聞PR版」を作成、頒布した(25,000部)
4 原子力グラフ(サービス事業本部)
Ⅶ 放送、報道関係
1 NHK総合テレビ
「科学時代」(原子燃料の開発)10月20日午後11時10分~11時40分 10月25日午後5時~5時30分(再放送)
2 日本テレビ
「未来をつくる」10月16日(日)午後10時35分~11時(備考)東京電力(株)提供
3 日本短波放送
(1)「くらしのマイク」(原子力開発利用の夜明け、村田浩原子力局長)10月25日(火)午後8時~8時15分
(2)特別番組「暮しに生きる原子力-原子力の日によせて-」(東京電力(株)提供)
イ 座談会「エネルギー開発の現状と将来」(原子力局次長武安義光ほか)10月26日(水)午前8時~8時30分
ロ 座談会「放射線利用の現状と将来」(放医研所長塚本憲甫ほか)10月27日(木)午前8時~8時30分
4 その他
日本原子力産業会議加盟各社の提供により、テレビ、ラジオにてスポット放送を行なった。
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