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「第3回セラミック燃料に関する日米専門家会議について



 日米両国政府間において日米原子力協力協定第3条に基づく原子力の平和利用に関する情報の交換を行なうため、昭和37年以降酸化物系および炭化物系核燃料(略称セラミック燃料)に関する研究協力を実施してきた。

 すなわち、セラミック燃料に関する4回のニューズレターの交換および日米両国内で交互に開催した2回の日米研究協力技術情報交換専門家会議(略称日米専門家会議:第1回昭和38年5月13日から7日間、日本原子力研究所東海研究所:第2回昭和39年10月27日から5日間、ハンフォード研究所、現パシフィックノースウエスト研究所)等により日米両国間の技術水準の向上につとめてきた。

 これらの成果の一層の向上をはかるため第3回セラミック燃料に関する日米専門家会議を昭和41年4月18日から4日間東海村で下記により開催した。

1. 目的
 日米両国の専門家による直接討議によって両国間におけるセラミック燃料に関する技術情報の交換を行なう。

2. 開催場所
 原子力燃料公社東海製錬所

3. 日程
 昭和41年4月18日(月)から4日間
 4月18日(月) 登  録
 4月19日〜21日 専門家会議
  以下米国側参加者の関連原子力施設の見学
 4月22日  原子燃料公社東海製錬所、日本原子力研究所東海研究所
 4月23日  三菱金属鉱業(株)中央研究所、三菱原子力工業(株)研究所
 4月25日  住友電気工業(株)熊取研究所
 4月26日  東京工業大学、(株)日立製作所中央研究所玉禅寺支所
 4月27日  古河電気工業(株)中央研究所、東京芝浦電気(株)中央研究所

4. 参 加 者
 〔日 本 側〕
 住友電気工業(株)
 東京芝浦電気(株)
 (株)日立製作所
 古河電気工業(株)
 三菱金属鉱業(株)
 三菱原子力工業(株)
 日本原子力研究所
 原子燃料公社
 以上8機関の専門家および
 研究協力官(原子力局核燃料課長)
 〔米 国 側〕
 バッテル・ノースウエスト研究所

W.E.Rooke

 バッテル・ノースウエスト研究所

J.L.Daniel

 アルゴンヌ国立研究所

J.H.Kittel

 バッテル・メモリアル・インステチエート・コロンバス研究所

D.L.Keller

 ユナイテッド・ニュークリア社

A.Strasser

 ゼネラル・エレクトリック社バレシトス研究所

E.A.Aitken

 ゼネラル・アトミックス

R・A.Meyer

 在日米国原子力委員会代表

W.G.Mc.Coa1

5. 議題
(1)セラミック燃料の基礎的性質について
(2)セラミック燃料の製造・加工技術について
(3)燃料の照射および照射後試験について
(4)その他

6. 本会議の評価(日米両国参加者による会議終了後の公式発表より)
 日米両国の専門家は昭和41年4月19日から21日までの3日間、原子燃料公社東海製錬所において直接討議によりセラミック燃料に関する技術情報の交換を行なった。

 今回の専門家会議には米国において行なわれた第2回の会議(昭和39年秋)に参加した日米両国の専門家が多数出席し、熱心な討議が行なわれ連日予定時間を超過し米国側参加者にとっては強行なスケジュールとなったがなごやかなふん囲気のうちに会議は終了した。

 今回討議したテーマのうち、セラミック燃料の基礎的性質については、日本側から多くの発表があり、米国側はこれを高く評価した。セラミック燃料の製造加工については米国側から最新の情報が多く発表され、その情報は日本側参加者にとって非常に有意義なものであった。

 照射および照射後試験については、日米両国ともその技術の向上に寄与するところが大きかった。

 また、武田原子力委員から日本の原子炉開発についての発表がありこれについて米国側参加者から高速炉用燃料および熱中性子炉用燃料に関する有益なコメントが提出された。

 最後に日米両国は今後一層の密接な研究協力をはかるよう努力することにし、成功裡にこの会議を終了した。また、第4回会議を18ヵ月後に米国で開催することに決定した。
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