原子力委員会は、昭和31年発足以来、毎年わが国における原子力平和利用の進展状況とその成果を年報としてとりまとめてきたが、この度、昭和38年度(第8回)原子力年報を公表した。 (1)海外の動向 (2)国内の動向 38年度における国内の主な動きは、次のとおりである。 (1)原子力発電については、日本原子力発電(株)の東海発電所(1号炉)の建設工事が着々と進められており、同社の2号炉および電力中央3社の原子力発電所の建設計画も一層具体化しつつある。 (2)特殊法人日本原子力船開発事業団が38年8月発足し、同事業団は、原子力第1船(約6,000総トンの海洋観測および乗員訓練用船)の建設計画に着手した。 (3)日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)で、38年10月わが国ではじめて原子力発電が成功した。 (4)国産動力炉開発の大綱が決定され、その炉型式は天然ウランまたは微濃縮ウランを使用する重水減速型に決定された。 (5)高速増殖炉に関する調査と計画の検討が進められ、また、材料試験炉(熱出力約5万キロワット)を日本原子力研究所大洗地区に建設することが決定された。 (6)ラジオ・アイソトープの製造・頒布、廃棄物処理、技術者の養成訓練等の各種業務を総合的に実施する機関として、日本原子力研究所にアイソトープセンターを設立することが決定された。 (7)放射線化学の中間規模試験を実施するための機関として、日本原子力研究所高崎研究所が、39年3月開所された。 (8)日米原子力協定に基づく保障措置の実施を他国に先んじて、国際原子力機関に移管する等国際協力の面でも大きな進歩がみられた。 〔なお、原子力年報の総論は資料に掲げてある。〕 |