原子力局

ラジオ・アイソトープ医学利用実態調査始まる


調査は11月1日現在で


 原子力局においては、昨年度からわが国におけるラジオ・アイソトープの利用促進、円滑化を計るための基礎資料を得るためにラジオ・アイソトープ利用実態調査を実施している。昨年度行なわれた工業分野を対象とした調査は、先日「ラジオ・アイソトープ工業利用実態調査報告」として公表され、今後の同分野における開発促進計画立案に大いに役立っている。
 本年度においては、医学分野を対象として調査を実施することを企画し、調査方法の検討を重ねてきたが、統計報告調整法にもとづき行政管理庁の承認を得、また厚生省との接渉も終え、11月7日調査票の発送を終了したので本調査の概要を紹介する。

 概要
 調査の範囲は医療法人および個人が経営するものを除く全国の病院である。調査の単位は病院であって、その名簿は厚生省医務局が編した病院要覧(昭和35年〜36年)にもとづいて層別一段抽出法により作成された。すなわち医療法人および個人が経営するものを除く全国の病院を、経営主体によって11の層に分け、各々1/3の抽出率をもって無作為に対象病院を抽出した。その結果を下表に示す。


この調査では次の事項が調査される。

病院要項

1.病院名

2.所在地

3.代表者

4.記入担当者

使用状況 1(放射線照射装置)

1.核種

2.名称型式

3.数量

4.使用開始年度

5.主な利用対象

6.RI利用の利点

使用状況 2(放射線照射器具)

1.核種

2.名称型式

3.数量

4.使用開始年度

5.主な利用対象

6.RI利用の利点

使用状況3(密封されていないRI)

1.密封されていないRIを初めて使用した年度

2.核種

3.形態

4.37年度使用数量

5.主な利用対象

6.38年度使用予定数量

7.RI利用の利点

使用予定

1.調査時点以降においてRIの増量新規利用予定の有無

2.予定核種

3.装置、器具、非密封RIの別

4.増量、新規の別

5.予定数量

6.予定年度

7.主な利用対象

使用実績

1.37年度のRI利用対象患者実数

2.RI利用により診断、治療上顕著な効果をもたらした例

RI利用上の問題点

1.経済上の問題点

2.技術上の問題点

3.サービス上の問題点

4.人に関する問題点

5.その他の問題点

RI利用上の希望意見

1.経済面に対する希望意見

2.技術面に対する希望意見

3.サービス面に対する希望意見

4.人の面に対する希望意見

5.その他の面に対する希望意見

RI関係作業従事者数

1.医師または歯科医師

2.薬剤士

3.看護婦

4.その他

教育訓練

1.RI関係研修の認識

2.RI関係研修受講者数および受講希望者数

(39年度、40年度以降)
 調査は38年11月1日現在で行なわれるが放射線照射装置および放射線照射器具の数量については購入時の数量が、また密封されていないRIの使用数量については昭和37年度中(昭和37年4月1日から昭和38年3月31日まで)の実績が調査される。
 調査は郵送調査法を採用し、昭和38年11月7日に調査票を発送した。調査票の回収は同年12月20日とした。
 回収された調査票の集計は、原子力局において行なう。推計は回答された調査票の数字に抽出率の逆数を乗じて行なう。
 調査結果の公表は集計の完了後昭和38年度末までに「ラジオ・アイソトープ医学利用実態調査報告」として公表する予定である。