37年度の原子力知識普及向上活動の皮切りとして、原子力局では4月に、三つの大きな催物を実施した。その一は、科学技術週間中の19日に開催した東海村見学会、その二は、科学技術週間の1日として定められた原子力デー(20日)に開催した放射線医学総合研究所の見学会(参加者は主婦連)、その三は、九州熊本で開催した第3回原子力セミナーである。そのほかの催物としては、原子力局長の要請にもとづき、東京都立アイソトープ総合研究所と大阪府立放射線中央研究所とが、原子力デー当日に、所内の一般公開、スライド・映画の上映等を行なった。また刊行物報道関係では総理府編集グラビア「フォト」、小雑誌「言潮」、NHKラジオ教養番組「メロディーにのせて」にそれぞれ資料を提供した。
一方、原子力産業会議では、東京・大阪における「原子力デー記念講演と映画の会」を中心として、各地方にわたって多彩な行事を開催した。
以下に、局関係催物の実施結果を掲げる。
1.東海村見学会
期 日:
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4月19日(木) |
参 加 者:
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高校生約130名(この他に任意参加者若干名あり) |
見学コース:
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日本原子力研究所東海研究所→原子燃料公社東海製錬所→
日本原子力発電株式会社東海発電所 |
見学内容:
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東海駅から所定のコースをバスで案内した。
各見学先で、各機関の説明員が説明し、質問に応えた。
案内パンフレット、記念品を配布した。 |
所 見:
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天候に恵まれ、参加者は非常に熱心であった。
参加人員が比較的少なかったのは、期日が4月上旬であったことによるものと考えられる。 |
2.放射線医学総合研究所見学会
期 日:
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4月20日(金)原子力デー当日 |
参 加 者:
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主婦連合会会員約70名 |
見学コース:
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東京電力千葉火力発電所→放射線医学総合研究所 |
見学内容:
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東電の協力により提供されたバスを主婦会館前に回し、係員2名が同乗し千葉火力に直行、放医研には午後2時に到着した。
塚本所長、村田原子力局調査課長、江藤、渡辺各部長の簡単な講演ののち、「放射性降下物の諸問題」というテーマで討論会を開き、活発な質疑応答が行なわれた。
つづいて、映画を上映したあと所内見学に移り、5時に放医研を出発、6時半に主婦会館前で解散した。 |
所 見:
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参加者は誠に熱心かつ真面目であり、この企画は大成功であったと考えられる。 |
3.第3回原子力セミナー
期 日:
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4月27日、28日 |
場 所:
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熊本県熊本市熊本商科大学 |
参 加 者:
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九州各県の小中高校教員約140名 |
時 間 割:
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第1日
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主催者挨拶 |
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I オートスライド
わたくしたちの原子力教室−原子力の基礎−
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II 基礎原理
片瀬彬(九州大学工学部助教授)
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昼 食 |
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III アイソトープ利用
四宮知郎(熊本大学工学部教授)
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IV 映画
原子力と農業、原子炉の開発は進む
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第2日
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協力者挨拶 |
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I 世界および日本の原子力開発状況
村田浩(原子力局調査課長)
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II 原子炉の原理と応用
武田栄一(東京工業大学教授)
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昼 食 |
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III 原子力館見学 |
所 見:
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期日が2日にわたったこと、時期が新学期早々であったこと、関東、関西にくらべ、九州は原子力知識の普及が遅れていること等の条件が重なり、第3回原子力セミナーは第1回・第2回に比較して十分満足とはいえなかった。
とくに福岡県からの受講者がゼロであったことは、係員の調査により諸種の原因があったことはわかったにしても残念であった。しかし、出席した受講者は熱心であり、セミナー終了後、原子力局調査課あて、テキストの配布等諸種の要望斡旋依頼がきている。
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