原子力委員会専門部会の審議状況

動力炉調査専門部会

第15回(5月31日(火)13.30〜17.00)

〔配布資料〕
(1)動力炉調査専門部会第2次報告書(第1次案)の問題点
(2)「NAA社がSGRをどう考えているか」についての回答
(3)動力炉調査専門部会第2次報告書(第1次案)についての意見
(4)核燃料経済専門部会策2次中間報告書

〔議事概要〕
1.第2次報告書について
 RGRについては河原氏(日立)、FBRについては高橋氏(電研)、TBRについては弘田氏(原研)から作業班の検討結果について資料(1)、(2)、 (3)により説明が行なわれた。

 検討の結果第2次報告書に盛り込むべき問題点が明らかになり、これにそって作業班で次回までに報告書1次案をいかに修正するかについて検討することとなった。

2.核燃料経済専門部会第2次中間報告書について
 永井氏(局)から資料(4)により説明が行なわれた。

第16回(6月27日(月)13,30〜17.00)

〔配布資料〕
(1)半均質炉プロジェクト
(2)半均質ビスマス冷却炉第2報

〔議事概要〕
1.第2次報告書について
  SGRについては河原氏(日立)、FBRについては高橋氏(電研)、TBRについては国分氏(原研)から作業班の検討結果について説明が行なわれた。

 その結果、SGRについては第1次案に補足説明を多少加えること、FBRについては1次案をまとめて7章2万字程度にすること、TBRについては技術的問題に重点を置き、経済性については二義的に記述することとなった。これに従って次回までに第2次案を作成することとなった。

2.半均質ビスマス冷却炉について
 西堀氏(原研)から資料(1)、(2)により説明が行なわれた。

 1炉型式をわが国で開発することは原子力技術の進歩に大いに貢献するが、必要な経費も莫大なことであり、研究開発を効果的に行なうためOEECのDragon計画から情報が得られるようにする必要があるであろうとの意見がだされた。

原子炉安全審査専門部会

第26回(5月31日(火)13.30〜15.30)

〔配布資料〕
(1)第13小委員会報告書(案)
(2)東京芝浦電気株式会社の原子炉の設置について(答申)
(3)株式会社日立製作所の原子炉の設置について(答申)
(4)近畿大学原子炉設置許可申請書訂正印刷物

〔議事概要〕
1.第13小委員会報告について
 第13小委員会主査武田委員から近畿大学のUTR型原子炉(0.1W)の審査について要旨次のごとき経過報告が行なわれた。

 この原子炉は先に国際見本市に出品され、一時的設置として許可されたものである。近大では、この炉を購入して設置すべく、その許可の申請を行なっている。第13小委員会委員は申請書の内容を検討してきたが、5月26日には委員3人が現地調査を行ない、その後、小委員会を開いて安全性につき審議した。まだ最終的結論かとは至っていないが一応中間報告を作成したので、本日提出している。

 次いで第13小委員会中間報告の内容その他につき質疑応答が行なわれた。そのおもな内容は次のとおりである。

(1)今日、追加資料が出ているが、それで現在調査中の問題のうちいくつかは片づいている。現地調査の感想では排水条件はあまり良くない。しかしこの程度の原子炉で生産されるRIはμcのオーダーのものが7種ほどであり、特に問題となるRIは出さないので安全上支障ないと思う。またこの炉は0.1Wで将来出力を上げるときは、別途、申請書を出すことになっている。最終報告はだいたいこの中間報告のような内容になるだろう。

(2)この施設では、外部から持ちこんだRIの実験はいっさい行なわないことになっている。本格的なRI施設は別の場所に設けたいとのことであった。放射性廃棄物はだいたいのところ出るものはないが、最悪の場合廃棄物が出て、それを流したとしても、下水が住宅地を通っておらず、問題はない。

(3)原子炉施設は教育用に設けようとするものであるが、学内にはまだ原子力関係の学科は置かれていない。来年ぐらいから発足したいとのことである。専任技術者も有能な人をそろえている。なお将来主任技術者が退職して、後任に適当な者が得られないような場合には、当然炉の運転はできないことになる。

 以上の検討の結果、この原子炉の設置の安全性について特に問題となることはないようであるが、現在調査中の項目もあるので、それらの解答をまって次回に小委員会報告を提出することになった。

2.その他
 来年度予算と関連して原子炉の安全性に関する研究、要望課題について、次回の部会で検討したい旨の部会長発言があった。

原子炉安全基準専門部会

 第14回(5月23日(月))

〔配布資料〕
1.原子炉の設置、運転等に関する規則の一部を改正する総理府令(案)
2.科学技術庁告示(第1次案)
3.JRR-2の検査について

〔議事概要〕
1.原子炉等規制法関係法規の改正案について
 藤波原子炉規制課長から、「ICRP新勧告に基づいて当部会から出されていた答申の主旨にそい、第1小委員会の協力を得て規制法関係法規改正の作業を行なってきたが、一応現段階における案についてご意見をおうかがいしたい」旨発言があり、事務当局から改正案全般についての説明が行なわれた。その後(イ)空気中水中濃度を平均値としておさえるかどうか(ロ)平均値でおさえる場合の期間のとり方(ハ)う外部被パクと内部被パク複合の問題(ニ)管理区域および周辺監視区域の定義(ホ)関係各法規との用語統一の問題等について質疑応答が行なわれたが、さらに第1小委員会と事務局の検討を待つことになった。

2.JRR-2の検査について
 神原委員からJRR-2の検査の現況について説明があり、藤波原子炉規制課長から耐震試験その他検査技術の確立していないものについては今後さらに研究を進めていかなければならない旨の発言があった。

3.安全基準部会の今後の方針について
 藤波原子炉規制課長から要旨次のような説明が行なわれた。原子炉安全審査専門部会について法制化したいという考えが出ているが、その場合審査部会と密接な関係にある基準部会をどうするかという問題を放射線審議会との関連も考慮しながら考えている。しかしまだ原案を作成して検討するところまでは進んでいず原子力委員会の結論も出ていない。
 伏見部長から、基準部会としても、審査の実例を要素ごとに分析してそこから抽出できるものを取りまとめ部会として一応のしめくくりをしたい旨の発言があった。

4.その他
 藤波原子炉規制課長から原子力船関係について「運輸省の造船技術審議会に原子力船安全部会ができて原子力船の安全基準の問題を取り扱かうことになり、原子力局からも委員が出席することになった。なお、サパンナ号入港に伴う審査上の問題については具体化する時期になってから原子力局と運輸省で協議したい」旨の報告があった。また同じく規制課長から原子力平和利用研究委託費に対して原子炉設計または原子炉の安全性に関する研究として8件の申請があり現在原子力局において検討中である旨の報告があった。