国産アイソトープの配分機関等に関する
原子力委員会の了解事項

 さきに社団法人日本放射性同位元素協会会長茅誠司から同協会の今後の運営にあたり原子力委員会の見解を下記事項につき求められたので、原子力委員会において検討された結果次のような方針を原子力委員会の了解事項として協会に伝えた。


1.国産アイソトープ配分機関について
 指摘されるように近い将来各機関でアイソトープが生産される見通しがあるが、量的に見てもさしあたり問題となるのは原研において生産される予定のものであろう。

 原研としては研究所内において生産されるアイソトープの配分については当面みずからこれを行なう意思はなく、将来放同協以外にも取り扱わせることはあっても、このため放同協の業務に支障を及ぼすことはないという考えである。

 当委員会は放同協が配分、業務の主体となることが望ましいと考えるので、放同協においてさしあたり必要とされる人員の充実等を実行せられても将来支障はないものと考えており、当委員会もできるだけの協力を惜しまない方針である。

 なお他の機関で生産されるものについてはアイソトープの取扱に関する規制方法についてさしあたり現行法を改めることは考えていない。しかし放同協がこれらの機関と話し合いの上配分業務にあたることが望ましいと考える。

2.廃棄物の処理について
 放射性廃棄物の処理については、単に回収保管のみでなく情勢の推移を見て将来当然廃棄物処理の業務も実施すべきであり、放同協がこれにあたることは最も望ましいことである。

 ただし燃料再処理による廃棄物の処理は、法律上再処理が原子燃料公社の独占事業とされていることとも関連し、公社において実施される見通しであり、放同協で担当する廃棄物処理とほ別個に考えるべきである。

3.フィルムバッジサービス
 フィルムバッジサービスについて一部に不信の声を聞くことは遺憾であり、信頼ある機関で厳格に行なわれることが必要であると考える。従来も検討を進めてきたが、国としていかなる政策をとるかについては今後なお検討を致したい。