原子力委員会専門郎会の審議状況

 

原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会

 第10回(1月19日(火)14.00〜17.00)

〔配布資料〕
(1)原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会答申書策定上の問題点
(2)放射線管理者の養成訓練について
(3)Training and Education Assistance
(4)Nuclear Training Programs for Industry Personel
(5)Relationships Between the Universities & Industryin Nuclear Engineering
(6)配布資料一覧

〔議事概要〕
 今までに部会で審議された方針および各個部の事項について考え方をまとめるため、問題点としてあげた資料によって審議を行ない、次回までに答申原案を作成する基礎を固めた。

 またHealth Physicistについては今まであまり討議されたことがなかったので、その概念規定を行ない、部会ではこの訳語として“放射線安全管理者”とすることにした。

 第11回(2月22日(月)14.00〜17.30)

〔配布資料〕
(1)原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会答申(案)
(2)答申案の問題点
(3)大学における原子力研究計画に関する資料

〔議事概要〕
 大学における原子力関係教育の現状およびあり方、ならびに答申を行なうに際しての大学関係の扱い方について討議を行なった。

 部会答申書原案について、項目ごとに逐次審議を行なったが、前半部分のみで審議時間がなくなったため引き続き次回に開催審議することとなった。

 第12回(2月29日(月)14.00〜18.00)

〔議事概要〕
 第11回部会において審議未了となった答申原案の後半部分につい審議を行ない、その修正意見を盛り込んで再度答申書原案の審議を行なうこととした。

 第13回
〔配布資料〕
(1−1)原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会答申(案)
(1−2)緒言
(2−1)東京大学原子力工学科案
(3−2)国立大学原子力関係大学院および学部学科、講座の現状

〔議事概要〕
 答申書の冒頭に緒言を入れて、全体としての考え方を明確にすることとした。

 大学に原子力関係学科等を設置する場合、その施設の充実が他の学科に比して非常に重要であるから、その例示として、具体的に施設内容および建設費等をまとめた資料を答申書に添付することとした。

 以上のほか当日出された各種意見を答申書に盛り込み、訂正した案を作成して、全専門委員に至急送付し各委員の意見を返送してもらい最終案を作成する。

 この場合、重要なる答申書変更意見が出されたときは再度部会を開催して審議を行なうが、大幅な修正意見がないときは、部会長および事務局に一任して、答申書を完成し、部会の一致した意見として部会長から原子力委員長あて答申することとなった。

動力炉調査専門部会

 第16回(4月22日(金)13.30〜17.00)

〔配布資料〕
(1)動力炉調査専門部会第2次報告書(第1次案)
(2)原子力発電のパネルについて
(3)A Survey of Nuclear Power Costing with Reference to the less Developed Countries

〔議事概要〕
1.第2次報告書について
 SGRについては河原氏(日立)、FBRについては高橋氏(電力中研)、TBRについては杉本氏(原研)が資料1.により説明を行ない、検討の結果次のことをきめた。

 資料のまとめ方としては第1次報告書のように炉型式を横にならべることは第2次報告書では困難と思われるので一応各炉型式別に縦に記述することとするが、これについてはなお今後の作業を進めながら考えることとした。今後の作業の進め方としては各専門委員が次回までに良く検討し問題点を指摘するとともに事務局と資料作成者が連絡をとり作業班を構成して次回までに一応の検討を行なう。また作業日程としては最終的なものは10月完成を目標とするが、8、9月ごろまでには一応整ったものを作成することとした。

2.発電コストのパネル(IAEA主催)について
 3月ウィーンで開催されたパネルに日本代表として参加された長安氏(関電)から概況について説明があった。

 今回のパネルは後進国向けの中小型炉に関する第1回会議であり、データのまとめ方のみについて検討されたが、次回には具体的なコストデータについて検討することになっている。なお次回に当部会で作製した“原子力発電コストダラウンドルール”を発表してはどうかという意見もあった。

核融合専門部会

 第13回(3月29日(火)13.30〜16.30)

〔配布資料〕
(1)核融合研究委員会報告書(第9章結論)
(2)プラズマ研究所設立準備委員会経過報告(2)
(3)日本の高温発生装置の現状
(4)核融合関係研究費配分一覧表

〔議事概要〕
1.核融合研究委員会報告について
 前回提出のあった報告書について、表現、字句の検討結果が山本委員から報告され、了承された。1〜8章は字句を変更した程度であり、9章はD.C.Xの取上げ方、その他若干表現を改めた。第9章結論は下記のとおりである。

2.プラズマ研究所の設立についてプラズマ研究所設立の経過報告を山本委員から聞いた。プラズマ研の構想は5月末に固まる見込である。

3.35年度の研究のあり方について
 35年度の研究費の配分研究の重点について報告ならびに討論があった。


第 9 章

結     論

 核融合研究用超高温プラズマ発生装置としてどの型がすぐれているかを決定することは、現段階ではできない。しかしながらわが国が核融合研究を促進するためなるべくすみやかに中型装置を建設し研究するとして、望ましい条件を設定することができる。本研究委員会は各種の点から検討し第3章に述べた選定基準をまず立て、これに従って一応三つの型をえらんで検討した。その結論は次のごとくである。

(1)保持磁場としては Stellarator型磁場および Mirror型磁場を適当とする。

(2)加熱方式は、研究の予地が多いので、なるべく多様な研究のできることが望ましい。磁気容器内にて低温プラズマを発生し、それを高温度にあげる方法と、高エネルギー粒子をあらかじめ用意しこれを磁気容器に注入蓄積する方法とがある。

 前者では温度の上昇、加熱の程度にかかわらず常にプラズマ状態が得られる点で超高温プラズマ物理の研究には多くの知識が得られるという利点がある。後者では粒子のエネルギーがあらかじめ高いのでよい保持と熱運動化を経ればきわめて高い温度が得られる。

 このように両方式はきわめて対比的特徴があるので共に研究することが望ましい。

(3)以上から StellaratOR,DCX,Ion Cyclotron Resonance Mirror が取り上げられる。

(a)Stellarator には pumpout という未知な粒子損失現象がある。この損失機構が不可避のものか否かはわからない。あえていえば、それ自体がプラズマ物理の重要課題である。
(b)DCXは burnout の達成が重要な意義をもつ。これに着手するには少なくとも burnout の条件を推定できる実験が可能である規模を目標にするほうがよく、そのためには理論的、実験的検討をさらに加えることを要する。また実験の段階に応じた大電流加速器の開発が必要となろう。
(c)Ion Cyclotron Resonance Mirror型はわが国として独創的(注1)に提案されたものである。ただちに中型にせず、最列やや小さい型から着手することも考えられる(注2)。この型はプラズマ密度が高いとion cyclotron resonance加熱に際してプラズマの反作用で高周波の入力効率が低下する可能性があるので、高い密度を望むにはやや適しないであろう。

(4)これら三つの型にはおのおの特徴があるので、十分に検討を加えながら、年次的にずらせて取り上げることが適当である。それには国外の研究の進展、A計画との関連やその研究成果および実施する研究者の意向も考慮された上できめるのがよいと考えられる。

(注1)その後米国にても同種の案が検討されたことが知られた。
(注2)その後日立製作所でそのように着手された。

放射能調査専門部会

 第18回(2月18日(木)10.00〜12.30)

〔議題〕
(1)次期国連科学委員会提出資料について
(2)外国試料の受入れ、分析およびサンプリングについて

〔議事概要〕
 議題(1)については、最近の諸外国の提出資料のレベルが上昇し、わが国としてもこれと歩調を合わせるには、従来のようなやり方でなく、もっとしっかりした組織をつくって資料を収集する必要のあることが強調されたが、次期(9月の予定)国連科学委員会提出資料の締切が5月30日となっているので、さしあたっては本専門部会に資料とりまとめのための小委員会を作り、学術会議に設けられた同様趣旨の小委員会と共同してその責にあたることとなった。

 議題(2)については、能力を持たない外国の試料の受入れ、分析およびサンプリングについての国連総会の要請に対し、わが国としてもその用意のあることは、すでに総会において松平大便から口答発言されていたが諸外国の例にならい文書にて申入れをすることとし、その文案が検討された。