原子力委員会専門部会の審議状況 核燃料経済専門部会 第13回(10月22日(木)14.00~17.00) 配布資料 (1)核燃料経済、動力炉調査専門部会専門委員の追加について 議事概容 1.新任の田島専門委員の紹介を行なった。 2.燃料費の計算方法について 3.ウラン濃縮小委員会の部会報告について 原子力災害補償専門部会 第15回(10月1日(木)10.00~16.00) 議事概要 前回に引き続き「原子力損害賠償保障法案要綱」について審議した。国家の関与の方式について種々議論があったが、国家再保険方式はその元受保険たる民営保険について、てん補範囲、告知義務違反の場合の解除権等について、従来の保険の原則を著しく修正しなければ被害者の保護を図りえないこと、また政府との補償契約については、結局契約強制となり、契約といっても強制にすぎない等の理由から国家補償によるのが最も適当であるとの結論に達した。 国家補償については、保険等により設置者等が講ずる損害賠償措置を超過する部分のみならず、保険によりてん補されない損害についても行なうのを適当とした。 また国家補償を行なう場合、これを有償とすべきか否かについても議論はあったが、特に無償とする理由はなく、有償とするのを適当とした。 今回の審議を基として、「原子力損害賠償保障法案」を作成し、次回からこれを審議することとした。 核燃料専門部会 第7回(9月12日(土)10.00~12.00) 配布資料 (1)核燃料検査技術調査団の派遣について 議事概要 1.核燃料技術調査団の派遣について 井上課長から核燃料技術調査団派遣の概要を述べたのち、高木団長から資料1および5により具体的な説明があった。調査先につき宗宮委員その他の訪問経験者から訪問事項について種々有用な助言が述べられた。なお同資料Part1は次回に配布することとした。 2.JRR-3用天然ウランの地金供給について 3.昭和34年度研究委託費、補助金交付状況 4.金属ウラン棒状燃料加工に関する資料の収集整理 再処理専門部会 第3回(9月1日(火)14.00~18.00) 配布資料 (1)再処理パイロットプラントの考え方(第2回資料第2号の改訂) 議事概要: 1.第1回議事録中 5.C-3を次のとおり改めた。 2.田宮技官から資料3により、核燃料経済専門部会第1次中間報告書につき説明した。 3.局幹事から資料1により前回資料2の補充事項と前回要請のあったプルトニウム燃料開発に要するプルトニウム見込量について説明が行なわれた。これに関連してプルトニウム供給見込と需要見込の論議が行なわれ、その結果次回にはわが国における具体的な使用済燃料を対象としてプルトニウムの供給見込量を試算した資料を提出することとなった。 4.山本委員から資料2によりプルトニウム取扱いに関する抄訳の説明があったが、次回は原文を資料として提出することにした。 5.今井委員から資料4により、ユーロケミック化学処理工場の計画および同計画に対するAECの援助計画について概要の説明があった。 6.浅田氏(公社)から資料5~8により、 ORNL,ANL, NRTS, HAPOの再処理施設およびその操業状況について訪問談があった。 米国では多種の燃料形式を対象として、それに適合する再処理技術が開発されているが、わが国では再処理を要する燃料が数種にのぼるとしても、再処理施設としては国内で処理する燃料形を限定したほうが有利であろうとの意見があった。 原子炉安全審査専門部会 第17回(9月7日(月)13.30~16.00) 配布資料 (1)第10小委員会報告書 議事概要 1.前回議事録の確認について 事務局で作成した第16回安全審査専門部会議事録を検討し、次の訂正を行なって採択した。 1) 7頁1行目以下を
と訂正。 2) 7頁7行目「安全弁で」を削除。 2.安全審査専門部会専門委員追加について 3.第10小委員会報告について 炉の型式および出力は、立教原子炉と同じである。今回の予定地では、地震の心配はほとんどないが、武山に設置される立教原子炉と同じ程度の耐震性を持っている。付近を流れている川の水は下流で灌漑に用いられているので、液体廃棄物の稲に及ぼす影響については、東大農学部の三井教授の参加を得て詳細に検討したが、液体廃棄物の濃度は許容濃度の1 /10以下であり、特に90Srについては1 /100になっているので90Srの水田に及ぼす影響はfa11 out以下でほとんど問題とならない。 放射線管理施設としては、モニタリングカーを備える等立教の場合よりいっそう慎重である。 技術的能力については、研究員の構成は主として放射化学に重点をおき、炉物理にはそれほど重点をおいていない。炉の運転には、原子炉主任技術者筆記試験合格者が予定されており、口答試験受験資格を得べく勉強中である。保健物理の責任者としては原研にいた人が7月から東急に移ってこの計画に参加しているので心配ないと思う。この原子炉を検討した結果、平常時はもちろん異常時においても安全は確保されるものと思われる。 次いで報告書の内容につき質疑応答が行なわれたが、その結果明らかにされた諸点は次のごとくである。 1)報告書での異常状態とは原子炉の異常状態で、人間の誤操作は含んでいない。 2)廃液貯蔵池からは、ポンプで汲み上げて排出するようになっているので、実際の放射線管理にあたっては、濃度のモニターとポンプのモニターを連動させることも考えられるが、詳細は保安規定で取り扱う。 3)この原子力研究所では、この原子炉で作るRIの他に外部からのRIも取り扱う。研究用RIについては、障害防止法の適用を受け、規制法の範囲外であるので、この原子炉で作られるRIの処理と炉からの廃棄物についてのみ安全審査を行なった。 4.第7小委員会報告について 前回の審査部会以来3回第7小委員会を開いて検討しているが、緊急冷却装置の改訂案がまだ提出されないので結論は出ていない。また事故時の放出キュリー数については、原電の説明を検討している。 審査の問題点はだいぶ絞られ最終段階に近づいている。 次いで質疑応答が行なわれたが、その結果明らかにされたことは、以下の諸点である。 1)緊急冷却装置については、次回のコールダー合同審査会(9月16日)までには原電の態度が定まるものと思われる。 2)原電が学術会議で発表した25キュリーの根拠を原電の提出資料に基づき検討中である。 3) AEAは事故としてチャネルブロッケージが起こることは考えられないといっている。この現象と関連して、チャネルファクターとギャグの調整の問題がある。 最悪事故としては、一次系が破損して浸入した空気によりウランが酸化することを考えているが、この反応熱は崩壊熱に比すれば非常に小さい。破損燃料検出装置で検出できぬ程度の燃料被覆の破損部を通して、ウランの酸化がどのような形で進行するかについて検討を進めている。燃料被覆の破損の数や空気の含有率等が問題となっている。 4) 9月3日英国原子力公社原子炉安全部長ファーマー氏を招いてコールダーホール改良型原子炉の安全性について討論した。その席上事故解析においてファーマーと原電とでは放出キュリー数の算定が異なるが、この差異は主として燃料に関する運転方法の差に基づくものであると説明された。 5.日立原子炉予備審査について 6.次回の部会開催について 次回の安全審査部会は、第7小委員会の結論が出次第ただちに開催することになった。 原子炉安全基準専門部会 第9回(9月18日(金)13.30~17.00) 配布資料 (1)緊急時の被曝許容線量の考え方 議事概要 1.新委員の紹介 2.第8回議事録の確認について 3.気象関係の基準について 現在まで安全審査部会では原電のコールダー改良型炉や原研の動力試験炉にしても気象については、一応諸外国における拡散に関する実験式(英国気象庁の方式およびサットンの方式)を妥当なものと考えて検討を行なっているが、これらの実験式の信頼性については、われわれはまだ確認できないでいる。したがって、今後は英国および米国以外の国のこの問題に関する資料の検討を行なうことと、日本でもある程度の計算と実験を行なうことによって、上記方式の裏付けを行ない、拡散に関する一応の基準を作ることとしたい。 次いで討議にうつり、次の事項が確認された。 (1)気象研究所、気象調査会等の行なう実験についても、なるべくその結果を取り入れ、英国、米国以外の各国の資料もできるだけ用意する。 (2)部会に新しく第5小委員会を設け、今後1年間ぐらいの間に気象の暫定的な基準を作成することになった。なお、当小委員会の委員の選任については部会長と小平委員に一任する。 (3)同上基準の経費のねん出方法について別途研究する。 4.第1小委員会の報告について また現在までの放射線に関する公表資料ICRP、英国MRC、米国AEC、 WASH-740等について説明が行なわれ、次いで討議にうつり、次の事項が確認された。 (1)一般人に対する緊急時の安全基準線量は退避、食物制限を行なう目安となるもので、身体的障害を起こさない線量とする。 (2)医学的には根拠の明確な文献は少ないがなるべく多くの資料を検討して次回までに安全基準線量をrem数として表わし、提出したい。 (3)この安全基準線量が決定した上は、具体的に管理上から濃度の許容量を決定する。 (4)遺伝の影響についても考慮する。 5.第2小委員会の報告について (イ)報 告 立地基準については広く安全関係の資料を検討して、基準を作成する方針のもとに武田、大山、左合の各委員および産業会議の安全特別研究会からの研究資料を持ち寄り、検討を行ない、次の点が確認された。なお今後も検討を続ける予定である。 (1)原子炉の立地基準は原子炉の型式、設計、事故の大きさなどから総合的に考慮すべきである。 (2)放射性廃棄物の上水道水源上流、市街地への放流はその濃度が許容量以下でも蓄積作用等があるので問題がある。特に下水設備の完備していない市街地への放流は事故の起こった場合汚染の問題がある。なおこの点についての検討方針としては、まず環境条件を決め、次いでそれに対する放流条件を検討したい。 以上の報告のあと、種々発言があったが、部会長から第2小委員会に対し立地基準については他の小委員会の結果とも関係があると思われるが決められるものから逐次決めてほしいとの要望があった。 6.その他 |