放射線化学懇談会について


 放射線化学の研究についてはすでに日本原子力研究所、名古屋工業試験所等に放射線化学の研究施設を設け、一方日本放射線高分子研究協会等に対しても補助金を交付してきた。

 放射線化学は将来化学工業等に大きい影響を与えるものであって原子力発電や原子力船とならんで原子力開発の主要な部門の一つであり、かつ最近欧米諸国においては放射線化学の基礎および応用研究の進展につれ相当の特許も公表され、工業化の研究も行なわれようとしている。また一方ケミカルパイルや高性能粒子加速装置の開発の問題が新たに検討されている。

 したがってわが国としても放射線化学の研究の進め方および関係研究機関の協力のあり方等について調査検討し、放射線化学の研究開発を振興することが必要であると思われる。

 よって原子力委員会では9月30日開催の第38回定例会議において下記のとおりすみやかに懇談会を設けることに決定し、放射線化学の研究開発上の問題点について調査検討することとなった。


1.設置の理由

 放射線化学に関する研究開発の促進を図るため

2.審議事項

 放射線化学に関する研究開発上の問題点の調査検討

3.部会構成員

小谷 正雄   東大教授
桜田 一郎   京大教授
向防  隆   東大教授
千谷 利三   都立大教授
雨宮 綾夫   東大助教授
熊谷 寛夫   東大教授
篠原 健一   理研主任研究員
柿原 幸二   原研副主任研究員
団野 晧文   原研副主任研究員
石川 潔   日本原子力事業専務
正井 省三   住友化学専務
袖山喜久夫   東洋レーヨン社長
斎藤 辰雄   昭和電工常務
薮田 浮三   東洋紡監査役
西川 達明   三菱化成専務
渡辺 市郎   倉敷レイヨン取締役
中根  孝   横浜護謨専務
浜田 秀則   日立中研副所長
宮本  惇   通産省参事官