放医研のうごき

  厚生省付属機関との連絡会開催


 さる7月1日開所式開催以来、放射線医学総合研究所では、人員、機械設備等所内の整備を急ぐ一方、来年度予算の編成など活発な動きをみせている。また研究業務自体も、特に放射能調査を中心に一部ではすでに着手された。

 このような動きを背景として、放医研ではその設立の経緯からも研究分野が各般の領域にまたがり、関係する省庁、試験研究機関はきわめて広範囲に及んでいるので、これらの関係諸機関との連絡の強化、研究の協力にかねてから深い関心を示していた。

 たまたま、来年度付属病院の完成等を見込んで、厚生行政面の試験研究との関連が重視され、この際厚生省付属試験研究機関との研究者相互の連絡強化をはかるべきであるとする意見から、厚生大臣官房科学技術参事官室の協力を得て、このほど8月27日午後、放医研本館大会議室において第1回の打合会を開催した。

 当日、厚生省からは国立公衆衛生院、国立予防衛生研究所、国立栄養研究所、国立衛生試験所、国立東京第二病院等研究機関の研究者および大臣官房、公衆衛生局、医務局、薬務局の各担当官、放医研からは江藤所長事務代理以下関係者が出席、江藤所長事務代理および渥美管理部長の挨拶こついで渡辺環境衛生第1研究室長の経過報告ののち議事に入った。

 特に議事はこの連絡会の性格、あり方について活発な意見の交換が行なわれ、あくまでも研究者中心の連絡と協力の賜填であることが確認された。会の名称は厚生省付属機関一放医研研究者連絡会、略称「厚放研連」とすることを決定、一部に分科会あるいは小委員会を組織する等の意見も出たが、互いに理解し合う共通の広場としての性格を重んずる意見が強く、当日出席しなかった厚生省の放射線関係研究者にも今後積極的に参加を求めていくこととなった。

 今後討議すべき問題として

1.放射能のバックグラウンド調査研究に関する問題

2.核種の分析に関する問題

3.許容量を含めた線量測定、線量決定に関する問題

4.その他

があげられたが,これらについて次回から具体的な話合いを行なう予定であり,今後の発展が注目されるところである。

 次回は9月30日、国立公衆衛生院で開催することを決定、会議終了後約1時間にわたり放医研施設を見学夕刻散会した。

 なお放医研では、これを機会にさらに広く関係機関とのこの種研究者相互の連絡会を開催していく計画でいる。