大型実用原子炉の設置に伴う安全問題に関する公聴会について 昭和34年7月2日 内閣経理大臣の行う原子炉の設置の許可に関しては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律により、原子炉の安全性を含め、設置許可の基準の適用について原子力委員会に諮問し、かつその意見を尊重することによって、公正適切な行政処分がなされることを期待されている。 これに対応して、原子力委員会においても、特に原子炉の安全性に関しては、わが国の斯界の権威者をもって構成する原子炉安全審査専門部会を設け、その審査に万全を期しているところである。 しかしながら、大型実用原子炉の設置に関しては、社会的関心が大きいことを考慮すると、さらに、地元居住者の意見は勿論、広く学識経験者の意見を聴取し、これを参酌する等の措置を講ずる必要がある。 このため、原子力委員会において、大型実用原子炉の設置に伴う安全問題に関し、公聴会を開催することとし、左記のような運営を図るものとする。 記 一 原子力委員会は、内閣総理大臣から諮問された大型実用原子炉の設置に関し、内閣経理大臣に答申する場合においては、あらかじめ、公聴会を開催し、当該原子炉の設置に伴う安全問題に関し、設置に関係ある者及び学識経験者の意見を聴取するものとする。 二 公聴会は、原子力委員が主宰するものとする。 三 原子力委員会は、公聴会を開催しようとするときは、事案の件名、日時及び場所を公示するものとする。 四 当該原子炉の設置に伴う安全問題に関し公聴会に参加して公述しようとするものは、予め公述申込書を原子力委員会に提出するものとする。 2 公述申込書には、公述しようとする者の氏名、住所、職業、年令(法人にあっては、その名称及び住所並びにその法人を代表して公述する者の氏名、職業及び年令)及び公述しようとする意見の内容を記載するものとする。 五 原子力委員会は、公述の申出をした者及びその他の者の中から公述人を選定し、本人にその旨を通知するものとする。 2 原子力委員会が公述人を選定する場合においては、当該原子炉の設置に伴う安全問題に関し意見が分れているときは、一方にかたよらないようにするものとする。 六 公聴会において発言しようとするときは、主宰者の許可を受けるものとし、その発言は当該事案の範囲を超えないものとする。 七 主宰者は、議事の整理上必要があると認めるときは、公述の時間を制限するものとする。 八 公述された事項は、記録し、その記録は一般からの申出があったときはその閲覧に供するものとする。
昭和34年7月9日 原子力委員会委員長 中曽根 康弘 原子力委員会は、茨城県那珂郡東海村大字白方字白根3番地に日本原子力発電株式会社が設置しようとする天然ウラン、黒鉛減速、炭酸ガス冷却型原子炉(熱出力595千キロワット)の設置に伴う安全問題について左の要領で公聴会を開きますから、意見を述べたい方は、進んでお申し出下さい。 日時 昭和34年7月31日(金)午後1時30分 場所 東京都千代田区永田町2ノ1 東京グランドホテル内 申出の方法 東京都千代田区霞ヶ関2ノ2 原子力 委員会委員長あてに、意見を述べようとする理由及び具体的事項を文書で申し出ること。(住所、氏名、職業及び年令明記) 申出の期間 昭和34年7月20日(月)正午まで。 出席者の選定通知 申し出た方の中から委員会で選定の上、電報又は速達で通知します。 なお、参考資料として「日本原子力発電株式会社の発電用原子炉設置計画概要」を配布いたしますから、御希望の方は、お申し出下さい。参考資料の交付その他お問合せの回答は、科学技術庁原子力局原子炉規制課において行います。(電話(58)2547) |