原子力委員会

 原子力委員会にこのほど新たに養成訓練、再処理の二つの専門部会が設置されることとなり、また昭和34年度の科学者、技術者養成訓練計画ならびに留学生の募集要領が決定した。一方3月中旬西独バルケ原子力大臣が来日することとなり、原子力をめぐる国際協力も−段と高まりつつあるがこの機会に昨年行われた国際原子力機関の第2回総会とその後の活動状況について紹介した。なお同機開からの燃料の受入れおよびフェローシップ等については次の機会に紹介する予定である。

原子力委員会に新たに二つの専門部会を設置

科学者、技術者養成訓練と再処理

 原子力委員会専門部会運営規程第1条にもとづき、原子力委員会に、その指名する参与及び専門委員をもって構成する専門部会を置くこととされており、現在放射能調査、原子炉安全審査、重水、核融合、原子炉安全基準、核燃料、核燃料経済、金属材料、原子力船、動力炉調査および原子力災害補償の合計11の専門部会が設置され、専門の事項の調査審議にあたっているが、このほどさらに原子力関係科学者、技術者養成訓練専門部会および再処理専門部会の二つの専門部会を新たに設置することとなり、1月28日開催の第4回原子力委員会定例会議において決定をみた。

 原子力委員会においては、従来から原子力関係科学者、技術者の養成訓練を重視し、種々計画を立案し、実施してきており、大きな成果をあげてきているが、さらに長期的な観点から計画的な人材養成を実施するため原子力関係科学者、技術者養成長期計画を立案中であり、この前提としてさきに文部省、日本原子力産業会議その他各方面の協力をえて原子力関係科学者、技術者に関するアンケートを行い、上記計画策定上の基礎資料を作成し、あわせて各方面の意見もきいた。このアンケートによる調査結果をはじめその他当面の対策を検討するために養成訓練専門部会が設けられたもので、各方面から大きな期待がよせられている。

 また再処理専門部会は、原子力開発における核燃料再処理問題の占める重要性にかんがみ、設置されることとなったもので、わが国の原子力研究開発が次第に具体的な問題に及んだことを示している。

 この二つの専門部会設置により、原子力委員会には合計13の専門部会が設けられることとなり、委員会の調査審議能力は著しく強化された。

原子力関係科学者、技術者養成訓練専門部会

34.1.28

1.設置の理由
 原子力関係科学者、技術者の養成訓練に関する当面の対策を検討するため

2.審議事項
 (1)原子力関係科学者、技術者養成訓練に関するアンケートによる調査結果の検討
 (2)原子力関係科学者、技術者の養成訓練計画の検討
 (3)大学における原子力利用に関する教授研究に対する要望事項の検討
 (4)その他原子力関係科学者、技術者の養成に関する事項の調査ならびに検討

3.部会構成員(別記12名)

4.部会担当委員名  有沢委員

5.原子力局主管課  政策課

6.担当幹事 大薗(政)、田宮(政)、松友(ア)、福永(調)


再処理専門部会

34.1.28

1.設置の理由
 使用済核燃料再処理に対する方針を検討するため

2.審議事項
 使用済核燃料再処理について当面の研究開発方針の検討

3.部会構成員(別記7名)

4.部会担当委員名  石川委員

5.原子力局主管課  管理課

6.担当幹事  三浦(管)、牧村(助)、堀内(管)

専門部会構成