原子力委員会は第5代目の委員長として高碕達之助氏をむかえ、石川、兼重両委員も再任された。明年度における原子力開発利用の規模を決定する昭和34年度原子力関係予算は現金分74.2億円のほか債務負担行為分35.7億円を加えて合計109.9億円の政府原案が決定した。また核燃料開発に対する考え方が昨年末決定され、関西研究用原子炉設置計画の審査、原子力船開発のための研究題目とその方法および放射線の許容線量と放射性物質の許容濃度等について専門部会の答申が行われた。 |
原子力委員会委員長に高碕達之助氏就任
石川、兼重両委員再任
原子力委員会三木委員長はさる33年12月31日辞任し、同日通商産業大臣高碕達之助氏が科学技術庁長官、原子力委員全委員長の事務代理を行うこととなり、さらに34年1月12日科学技術庁長官、原子力委員会委員長に任命(通商産業大臣兼任)された。また33年12月31日をもって任期の満了する石川一郎、兼重寛九郎両原子力委員会委員を任命(再任)することに対して第31通常国会において12月17日参議院、同18日衆議院で同意が得られ、両委員は昭和34年1月1日から昭和36年12月31日までひきつづきその任にあたることとなった。
原子力委員会の新組織は次のとおりである。
委員長 高碕達之助
衆議院議員、国務大臣、通商産業大臣、科学技術庁長官
委 員 石川 一郎
常勤、任期 昭和36年12月31日まで
委 員 有 沢 広 巳
常勤、任期 昭和35年6月30日まで
委 員 兼重寛九郎
非常勤 任期 昭和36年12月31日まで
東大教授、日本学術会議会長
委 員 菊池 正士
非常勤、任期 昭和35年6月30日まで
東大教授、原子核研究所長兼宇宙線観測所長
〔参 考〕
原子力委員会設置法抜粋(昭和30年12月19日法律第188号改正昭和31年3月31 法律第49号)
(委員長)
第7条 委員長は、科学技術庁長官たる国務大臣をもってあてる。(第2項以下略)
(委員の任命)
第8条 委員は、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。(第2項以下略)
(委員の任期)
第9条 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。
2 委員は、再任されることができる。
衆議院議員
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大阪3区選出 |
生年月日
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明治18年2月7日生 |
明治39年7月
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農商務省水産講習所製造科卒 |
大正6年5月
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東洋製罐(株)を設立、支配人に就任
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以後東洋製罐、東洋鋼鈑、東洋機械等の各会社の重役を歴任
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昭和15年6月
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満洲重工業開発(株)理事 |
以後同社副総裁(16年2月)、総裁(17年12月) |
25年〜29年 エトナージャパン、ニッポンフェロー等の各社の社長、
明治乳業監査役等を歴任
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27年9月16日
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電源開発総裁(29.5.30再任、29.7.16退任) |
29年12月10日
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国務大臣、経済企画庁長官(第1次鳩山内閣) |
30年3月1日
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衆議院議員当選(第27回総選挙) |
30年3月19日
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第2次鳩山内閣に留任 |
30年11月22日
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第3次鳩山内閣に留任 |
33年5月22日
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衆議院議員当選(第28回総選挙) |
33年6月12日
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国務大臣、通商産業大臣 |
33年12月31日
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経済企画庁長官、科学技術庁長官、
原子力委員会委員長事務代理 |
34年1月12日
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科学技術庁長官、原子力委員会委員長兼任 |
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