原子力委員会日誌

第22回〜第27回

第22回

〔日 時〕昭和33年6月6日(金)14.15〜16.35

〔議 題〕
(1)33年度原子力平和利用研究委託費交付決定について
(2)原子力協定について
(3)国際原子力機関の Fellowship について

〔配布資料〕
(1)33年度原子力平和利用研究委託費交付決定(案)
(2)原子力発電会社の動力炉導入に伴う技術導入について(案)

審議決定および報告事項

(1)33年度原子力平和利用研究委託費交付決定について
 33年度研究委託費のうち核融合に関するものについて、核融合専門部会の意見を基礎に配布資料(1)のように交付を決定し、関係方両と交渉に入る旨報告があった。

(2)原子力協定について
 対米、対英原子力協定について調印日取その他交渉経過の説明があった。

(3)国際原子力機関の Fellowship について
 国際原子力機関から外務省を通じて推薦依頼のあったFellowship 候補者については、早急に人選を進 めることになった。

第23回

〔日 時〕昭和33年6月13日(金)14.05〜15.50

〔議 題〕
(1)原子力関係科学者、技術者についてのアンケートについて
(2)日本原子力研究所監事の任命について
(3)日英原子力一般協定について
(4)原子力発電会社の工事候補地の選定について
(5)核燃料経済専門部会について
(6)アイソトープ視察団派遣について
(7)原電第1期工事候補地を東海村に選定した理由
(8)AECのフォーゲル氏およびロッジス氏の来日について

〔配布資料〕
(1)原子力関係科学者、技術者に関するアンケートについて
(2)核燃料経済専門部会における審議方針および第1回開催予定

審議決定および報告事項

(1)原子力関係科学者、技術者についてのアンケートについて
 政策課長から、各界へのアンケート送付についての主旨説明があり、各委員了承した。

(2)日本原子力研究所監事の任命について
 岡野氏の再任について説明があり、各委員了承した。

(3)日英原子力一般協定について
 協定文につき討議を行い、原案どおり承認した。

(4)原子力発電会社の工事候補地の選定について
 原子力発電会社から提出された資料につき報告があった。

(5)核燃料経済専門部会について
 主旨の説明があり、開催日を6月25日とすることを各委員了承した。

(6)アイソトープ視察団派遣について
 7月17日出発、米国6週間、欧州3週間の視察予定と構成メンバーにつき報告があった。

(7)原電第1期工事候補地を東海村に選定した理由
 藤波課長から説明があり、原電の報告を了承した。

(8)AECのフォーゲル氏およびロッジス氏の来日について
 来日日取および原子力委員との懇談会日取につき報告があり、日取を6月23日午後と決定した。

第24回

〔日 時〕昭和33年6月20日(金)14.00〜17.00

〔議 題〕
(1)原子力委員会について

〔配布資料〕
(1)原子力委員会について
(2)重要政策事項審議予定
(3)原子力委員会議事運営規則

審議決定および報告事項

(1)原子力委員会について
 新委員長就任にともない、原子力委員会の議事運営規則、従来の審議経過ならびに懸案事項について総括的な説明が行われた。


第25回

〔日 時〕昭和33年6月27日(金)14.30〜17.30

〔議 題〕
(1)昭和34年度原子力予算について
(2)原子力研究所の動力試験炉に関する報告について
(3)関西大学共同原子炉について
(4)英国原子炉建設計画に関し国防省発表に関する件
(5)国産1号炉についてカナダとの協力について
(6)世銀の討論会参加の件
(7)対外関係について
(8)菊池委員人形峠鉱山視察について

〔配布資料〕
(1)昭和34年度原子力予算について
(2)動力試験炉調査員報告書
(3)英国原子炉建設計画に関し国防省発表に関する件

審議決定および報告事項

(1)昭和34年度原子力予算について
 昭和34年度原子力予算編成について、配布資料(1)のごとき方針により作業を進めたい旨提案があり、了承された。

(2)原子力研究所の動力試験炉に関する報告について
 本件について、配布資料(2)により報告があり、導入する原子炉型式としては、PWR、BWRいずれでも大差ない点が説明された。

(3)関西大学共同原子炉について
 関西大学共同原子炉の設置を推進するため、原子炉安全審査専門部会において予備審査を行われたい旨当事者の希望があるので、今後先方の申請に応じて検討することになった。

(4)英国原子炉建設計画に関し国防省発表に関する件
 本件について、配布資料(3)のごとく駐英大使館から報告があった旨報告された。

(5)国産1号炉についてカナダとの協力について
 国産1号炉の設計建設について、カナダから技術者を派遣する旨申入れがあったので外交ルートにのせ交渉することになった。

(6)世銀の討論会参加の件
 7月1日から開催される世銀主催イタリア原子力開発国際パネルに対し、オブザーバーを派遣することにつき検討が行われた。

(7)対外関係について
 対米、英協定の批准手続、技術提携等につき検討が行われた。

(8)菊池委員人形峠鉱山視察について
 菊池委員から人形峠鉱山の調査状況につき、視察報告があった。

第26回

〔日 時〕昭和33年7月4日(金)14.00〜17.30

〔議 題〕
(1)有沢委員帰朝報告
(2)原子燃料公社の監事任命について
(3)日本原子力研究所の監事任命について
(4)昭和34年度日本原子力研究所予算について

〔配布資料〕
(1)昭和34年度原研予算の問題点について

審議決定および報告事項

(1)有沢委員帰朝報告
 6月5日から7月19日に至る欧米諸国の原子力事情視察について有沢委員から報告があった。

(2)原子燃料公社の監事任命について
 8月10日で任期が満了する公社監事、宮原、村田両氏の留任を了承した。

(3)日本原子力研究所の監事任命について
 原研今泉監事の任期が6月26日で満了したので、前田氏の監事任命を了承した。

(4)昭和34年度日本原子力研究所予算について
 配布資料(1)により、原研34年度予算の問題点につき、意見の交換を行った。

第27回

〔日 時〕昭和33年7月11日(金)14.15〜16.30

〔議 題〕
(1)関西研究用原子炉について
(2)昭和34年度原子力予算の問題点について

〔配布資料〕
(1)昭和34年度原子力予算の問題点について
(2)関西原子炉設置申請基礎資料の事前審査について
(3)第1回原子炉安全審査専門部会議事録
(4)第2回原子炉安全審査専門部会議事録
(5)第1回、第2回核融合専門部会議事録

審査決定および報告事項

(1)関西研究用原子炉について
 文部省に原子炉の運営についての報告を求め、かつ学術会議でも連絡を保ちつつ事前審査を開始することを決定した。

(2)昭和34年度原子力予算の問題点について
 イ)トリウムについて
  島村課長から具体的な問題点につき説明があり

1.研究については将来に備えて基礎研究を行う。
2.買上げ方針については山県氏および核燃料専門部会の意見を参考として決定する。
3.東南アジアの資原については極力協力する。

  以上のとおりすることとした。

 ロ)重水について
 堀課長から重水製造についての現状の説明があり、完成をみていない技術中有望なものの研究については今後も続行する必要のあることを了承した。

 ハ)公社の加工および検査について
 原研および公社と具体的な内容につき連絡をとり決定するとの方針を了承した。