原子力委員会

原子力委員会専門部会の拡充強化

 原子力委員会設置法施行令の一部改正にともなって原子力委員会事門部会が拡充強化されることとなり、新設または改組された専門部会を紙面の都合で4月25日までに決定の分だけにかぎって紹介した。さらに昭和33年度核原料物質探鉱計画が4月25日委員会の議決をみ、また今回解散された動力炉専門部会の経過報告書が提出されたのでこれらをあわせて紹介した。

原子力委員会専門部会の拡充強化

重水、核融合等5専門部会の設置を決定


 原子力委員会設置法施行令(昭和31年1月24日公布政令第4号、改正 昭和32年6月28日公布政令第160号)にもとづき、原子力委員会に専門の事項を調査審議させるために専門委員を置くこととされているが、今度別項記事のように同施行令の一部を改正する政令が昭和33年4月21日政令第82号として公布された結果従来50名以内とされていた専門委員の定数150名以内とされたため、委員会の専門事項に対する調査審議能力が著しく強化されることとなった。
 原子力委員会においては、これに対応してかねてから専門部会の再編成を審議していたが、現在の原子燃料、動力炉、放射能調査、原子力船および原子炉安全の5専門部会のうち、動力炉、原子燃料、原子炉安全の3専門部会は任務の終了にともない解散することとし、そのほかにすでに前号で紹介した原子炉安全審査専門部会をはじめ、重水(4月4日)、核融合(4月11日)、原子炉安全基準、核燃料、核燃料経済(以上4月18日)の新設を決定した。これら新設専門部会の名称、設置の理由、審議事項および部会構成員は次のとおりである。

新設の専門部会名称(継続のものは含まない。決定の分のみ)

原子炉安全審査
重水
核融合
原子炉安全基準
核燃料
核燃料経済

重水専門部会

1.設置の理由
 昭和29年度以降、助成を続けてきた各種重水製造方式およびその組合せについて研究成果を検討し、重水製造方式確立のための問題点を抽出するため。

2.審議事項
(1)「交換反応法」、「蒸留法」および「回収電解法」の組合せによる製造方式の技術的、経済的検討。
(2)「交換反応法」、「液化精留法」および「回収電解法」の組合せによる製造方式の技術的、経済的検討。
(3)その他新技術による重水の製造の検討。
(4)(1)、(2)の企業化までにとるべき技術的措置の検討。
(5)(1)、(2)の企業化にともなう問題点の検討。

3.部会構成員 9名


核融合専門部会

1.設置の理由
 核融合反応の研究についての方針を検討するため。

2.審議事項
 核融合反応研究の具体的方針。
 核融合反応に関する研究態勢の検討。

3.部会構成員 11名


原子炉安全基準専門部会

1.設置の理由
 原子炉施設の安全性についての科学技術的基準を制定するため。

2.当面の審議事項
 放射線障害防止のための原子炉施設(排気、排水施設、遮蔽壁等)の安全基準の制定。(例:風速、逆転層等の気象条件および発生放射性物質を考慮して希釈送風量、煙突高、フィルター性能等の排気施設の保持すべき安全上の施設基準の制定)

3.部会構成員 22名


核燃料門部会

1.設置の理由
 核燃料の加工方式および分析、検査方式を調査検討するため。

2.審議事項
 核燃料加工方式および分析検査方式の検討。

3.部会構成員10名

 核燃料経済専門部会

1.設置の理由
 わが国に最も適した核燃料経済を検討するため。

2.審議事項
 長期計画に関連する核燃料経済の検討。

3.部会構成員 10名
 

専門部会構成