原子力委員会日誌


昭和32年第47回

日時 昭和32年12月6日(金) 14時40分〜18時10分

議題
(1)原子炉等規制法関係の府令等について
(2)三島参与帰朝談
(3)その他

(A)日本原子力発電会社の発電所用候補地について
(B)日本原子力発電会社の訪英調査団の派遣について
(C)協定問題について

配布資料

(1)核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則、核燃料物質の加工の事業に関する規則、原子炉の設置、運転等に関する規則、核燃料物質の使用等に関する規則
(2)訪英調査団の派遣について
(3)発電所用候補地について
(4)地震対策小委員会経過報告書、その他

審議決定および報告事項

(1)規制法関係府令について
 原子炉安全専門部会等の意見を入れて修正した点について、配布資料「核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則」、「核燃料物質の加工の事業に関する規則」、「原子炉の設置、運転等に関する規則」、「核燃料物質の使用等に関する規則」を説明し了承された。

(2)発電所用候補地について
 日本原子力発電会社から発電所用候補地について陳情書が出されたので検討した結果、「日本原子力研究所の意見をきいた上で取扱いを決めること」となった。

(3)三島参与帰朝談
 米国における製錬事情の報告および従来の濃縮ウラン一辺倒から天然ウランの研究も真剣に始めていること等の状況説明があった。

(4)原子力協定について
 対英交渉のその後の経過報告があり、今後の方針とさらに対米協定に対する態度について了承を受けた。

(5)訪英調査団の派遣について
 日本原子力発電会社から調査団派遣に関する陳情書が提出された旨報告があり、調査項目等の資料の内容については今後検討して適当に助言することとした。


第48回

日時 昭和32年12月13日(金) 14時20分〜17時45分

議題

(1)大学における教育研究用原子炉について(内規)
(2)委託研究成果発表検討会について
(3)ジュネーブ展覧会について
(4)年内審議予定について
(5)訪英調査団派遣について
(6)発電用原子炉開発のための長期計画(案)の検討

配布資料

(1)発電用原子炉開発のための長期計画(案)
(2)大学における教育研究用原子炉について(案)
(3)委託研究成果発表検討会開催日程

審譲決定および報告事項

(1)原子力船専門部会委員の追加について
 原子力委員会参与岡野保次郎氏を原子力船専門部会委員として追加することに決定した。
(2)大学における教育研究用原子炉について
 大学における教育研究用原子炉についての方針を資料のとおり内規として決定した。
(3)委託研究成果発表検討会について
 委託研究成果を普及浸透させる目的で資料のとおり発表検討会を開催する旨報告があり了承された。
(4)ジュネーブ展覧会について
 33年9月国際会議開催の際展示会も開催される旨連絡があり、これに対する態度を検討したが、一応参加することにして手続きをとり、予算面の検討をすることに了承された。
(5)年内審議予定について
 次週の定例委員会は18日(水)14時からとし、翌々週は27日に開催することおよび主要懸案事項を確認し、これら懸案事項については定例委員会以外にも審議することを申し合わせた。
(6)訪英調査団派遣について
 日本原子力発電会社で作成した主要調査事項について検討したが内容について、日本原子力発電会社首脳部との懇談会を来週早々開いた上で取扱いをきめることになった。
(7)発電用原子炉開発のための長期計画(案)について
 発電用原子炉開発のための長期計画改訂案の審議を行い、指摘のあった点を改訂して次週月曜日に再審議することになった。

第49回

日時 昭和32年12月18日(水) 14時20分〜17時5分

議題

(1)昭和32年度研究委託費第二次要望課題について
(2)核融合反応の研究開発促進について
(3)放射線審議会の答申について(報告)
(4)発電用原子炉開発のための長期計画
(5)その他

(イ)実用原子炉に関する乙種技術導入について
(ロ)国内ウラン鉱探査、探鉱の現況について(報告)

配布資料

(1)委託研究費第二次要望課題
(2)核融合反応の研究開発促進について(案)
(3)放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する諮問について(答申)
(4)発電用原子炉開発のための長期計画
(5)実用原子炉に関する乙種技術導入について(案)

審議決定および報告事項

(1)昭和32年度委託研究費第二次要望課題について
 本件については各方面の意見を入れ、配布資料のとおり要望課題をまとめた旨報告があり、科学技術庁庁議決定のうえ、第二次募集を行うこととなった。

(2)核融合反応に関する研究促進について
 核融合反応に関する研究を促進すべきであるという態度を委員会として表明したい旨提案があり、原案を一部修正の上決定された。

(3)放射線審議会の答申について
 放射線寮議会から政令関係について配布資料のとおり答申が出された旨報告があった。

(4)実用原子炉に関する乙種技術導入について
 実用原子炉に関する乙種技術導入について個別審査に対する一般的な考え方として配布資料のとおり決定したい旨提案があり、一部修正の上決定された。

(5)発電用原子炉開発のための長期計画
 標記につきかねて原案を作成、各課の意見を聴取していたが、最終案(配布資料4)ができあがったので、一部修正の上正式に決定された。

(6)国内ウラン鉱探査、探鉱の現況について
 原子燃料公社佐藤理事から最近発見された山形県大成および朝日鉱山、岐阜県黒川、岩倉地区、富山県庄川流域等におけるウラン鉱床の概況説明があった。

(委員会開始に先だって、米国原子力委員会東京事務所長ペニングトン氏から委員会に対する挨拶が行われた。)

第50回

日時 昭和32年12月27日(金) 14時30分〜17時5分

議題

(1)国連科学委員会出席委員の推薦について
(2)動力試験炉について
(3)総合的重要研究促進のための特別措置について
(4)トリウム対策について
(5)その他

配布資料

(1)動力試験炉導入の概要
(2)総合的重要研究促進のための特別措置について、その他
(3)原子力委員会関係文書取扱要領、その他
(4)核燃料管理問題についての当面の方針
(5)許容濃度等に関する告示

審議決定および報告事項

(1)総合的重要研究促進のための特別措置について
 配布資料により説明があったが、委員会としては核融合等の問題について文部省に対し所見を表明する態度をとることに決定した。

(2)国連科学委員会出席委員の推薦について
 都築、檜山、田島の3氏を派遣することにした旨説明があり了承された。

(3)動力試験炉について
 日本原子力研究所の動力試験炉委員会で作成した資料の説明があり、原研に導入する炉の型式としては現段階においては一応PWRが適当である旨了承された。

(4)トリウム対策について
 トリウム買上げに関する問題について従来の経緯の証明があったが、精錬の問題もあるのでこれらを総合した方針をたてることになった。

(5)核燃料管理問題について
 資料により説朋があり一部修正の上これらの予想される問題点について検討を進めることになった。

(6)許容濃度に関する告示について
 原子炉等規制法の府令のうちの許容濃度その他についての告示に関し資料により報告があった。

(7)原子力委員会関係文書取扱要領について
 配布資料により説明があり、一部修正の上決定された。

昭和33年第1回

日時 昭和33年1月10日(金) 14時20分〜17時15分

議題

(1)昭和33年度原子力関係予算案の第1次内示について
(2)放射線障害防止法施行令(案)等の審議経過について
(3)その他

配布資料

(1)原子力予算に対する第1次内示の概要その他
(2)放射線障害防止法政令(案)その他
(3)留学生業務進捗状況(第6次中間報告)

審議決定および報告事項

(1)放射線障害防止法施行令(案)等の審議経過について放射線審議会の答申にもとづき作成された施行令(案)につき配布資料により 報告があり、答申と異なった点について説明があった。

(2)留学生業務進捗状況
 前回の報告以後現在までに8名の留学生派遣が決定され、原子力局予算による留学生は累計28名となる旨報告があった。

(3)昭和33年度原子力関係予算案の第1次内示について
 昭和33年度原子力予算第1次内示に対する復活要求につき配布資料により説明があり、交渉経過について報告があった。

(4)訪英調査団の出発について
 訪英調査団は予定どおり1月17日に出発できるよう、対英協定交渉状況も考慮して、外務省において検討することとなった。


第2回

日時 昭和33年1月17日(金) 15時〜18時10分

議題

(1)昭和33年度原子力関係予算について(報告)
(2)その他

配布資料

IAEA事務局員の募集に関する件

審議決定および報告事項

(1)燃料受入契約当事者について
 日本原子力発電会社が動力炉を受け入れるに際して、燃料受入契約当事者を早急にはっきりさせる必要がある旨石川委員から発言があり、燃料管理の問題として検討することになった。

(2)原子力協定の交渉経過について
 対英協定についてその後の交渉経過の説明があった。

(3)国際原子力機関事務局員の募集について
 国際原子力機関から事務局員候補者の推薦の申入れがあったので、藤岡委員を中心に検討することとなった。

(4)昭和33年度原子力予算について
 正力委員長から予算問題について報告があった。

(5)民間原子力産業グループについて
 原子力開発の進展にともない、民間原子力産業グループ間の協同体制を整えるため首脳者の会合を開きたい旨石川委員から発言があり了承された。

第3回

日時 昭和33年1月24日(金) 14時10分〜15時5分

議題

(1)昭和33年度原子力関係予算案について(報告)
(2)その他

(イ)原子力委員会における当面の重要審議事項(案)について

配布資料

(1)昭和33年度原子力予算表
(2)原子力委員会における当面の重要審議事項(案)

審議決定および報告事項

(1)昭和33年度原子力関係予算案について(報告)
 配布資料昭和33年度原子力予算表により、大蔵省と折衝した結果について項目別に報告があった。

(2)原子力委員会における当面の重要審議事項(案)について
 配布資料原子力委員会における当面の重要審議事項(案)により重要審議事項およびタイムスケジュールについて審議した結果さらに詳細な審議予定表を作成し、提出することとなった。

第4回

日時 昭和33年1月31日(金) 14時10分〜16時20分

議題

(1)昭和33年度原子力関係海外留学生募集要領について
(2)その他

配布資料

(1)昭和33年度原子力関係海外留学生募集要領(案)

審議決定および報告事項

(1)昭和33年度原子力関係海外留学生募集要領について
 配布資料により昭和33年度原子力関係海外留学生の募集を行いたい旨提案があり質疑ののち了承された。

(2)科学技術会議設置法案について
 科学技術会議設置法案の内容について説明があり、科学技術会議と原子力委員会との所掌事務について原子力委員会の意見をとりまとめて各方面と折衝することとなった。

(3)国際原子力機関の留学生受入れについて
 海外からの原子力関係留学生受入れにあたって、予算上その他とるべき措置について検討することとなった。

(4)ジュネーブ国際会議提出論文について
 ジュネーブ国際会議に提出する論文の選考について、その進行状況の報告があり、今後の進め方について説明があった。