原子力関係機械類の輸入手続について

1. 機械類の輸入

 機械類の輸入方式は外貨割当制、無公表品目であるから毎週申請書の受付をするのが原則である。その輸入手続を簡単に述べると、まず、需要者が商社に対して輸入発注を行い、これにしたがって商社(申請者)は必要な書類を添えて外貨割当申請書を通商局輸入課に提出する。申請書の受付は毎週火曜日輸入課で行われる。輸入課では番号と日付を打ち、申請書を生産原局(重工業局)と各機械の需要原局(たとえば鉱山機械なら鉱山局、科学技術機械の場合は科学技術庁)に送付する。外部審査会は以上3者によって構成され、生産原局は国産品の有無等を、需要原局はその機械の必要性、緊急度等の面から審査する。外部審査会をパスした機械について外貨の割当が行われるわけである。

 次に原子力機械の大部分は科学技術機械であるから科学技術機械について述べると、その定義は科学技術行政協議会(STAC)時代の慣例により、次のようになっている。「科学技術機械とは、官公私立の諸学校、試験研究機関及び民間会社の同種機関において、試験研究の目的をもって使用する機械に限り、直接生産工程に使用されるものは含まれない。」しかし民間会社等の研究所で研究目的に使用する機械は科学技術機械の分類に入らない。したがって科学技術機械の定義が使用目的と使用場所によって一般機械と区別されているから、使用場所を変更することによって一般機械の分類にも入り得るわけである。

2. 原子力関係機械の輸入手続 

a,bの2組に分類し、それぞれの手続は次のように定められた。


a. 科学技術機械

1.科学技術機械の需要原局は科学技術庁であるが、そのうち原子力研究開発利用に関するもの(たとえば日本原子力研究所、原子燃料公社、放射線医学総合研究所が最終需要者となる機械、国立試験研究機関等が原子力予算で輸入する機械)の事務処理は原子力局で行う。

2.原子力局における窓口は原子力局政策課とし、事務処理手続は関係各課と協議のうえ原子力局政策課が行う。

3.外貨割当審議会には原子力局政策課(必要に応じて関係各課)が出席する。

4.緊急審議発券願、副申等の手続も1.2.に準じて行う。


b. 科学技術機械以外の機械

 科学技術機械以外の機械のうち原子力予算で輸入する機械(および民間会社が輸入する重要な原子力機械)の場合

1.外貨予算は各品目枠の中に入れる。

2.原子力局は通商局より外部申請書の送付を受け、それを検討した結果を各品目の需要原局に申し入れる。

3.この場合の手続もaの2.に準じて行う。