(仮 訳)   (日本側書簡

 書簡をもって啓上いたします。本使は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定に言及し、同協定を締結するための交渉において到達された次の了解を述べる光栄を有します。

1 合衆国原子力委員会(以下合衆国委員会という。)は、同委員会が前記の協定第2条Aの規定に従って六弗化ウランを日本国政府が雇用した契約者に引き渡す時に、引き渡す六弗化ウランの濃縮度及び純度を同契約者に通告し、かつ、その通告の写を日本国政府に送付するものとする。その契約者の引き渡された六弗化ウランの量、濃縮度及び純度が同契約者と合衆国委員会との間の契約と掲げる仕様に合致しなかったときは、アメリカ合衆国政府の責任及び補償義務は、同委員会が、その六弗化ウランの返還に対し、同委員会の施設において同仕様に合致する六弗かウランを引き渡すため合理的な努力を払い、かつ、同仕様に合致しない六弗化ウランの同委員会への返還のため生じた荷造及び輸送のための同契約者の合理的な費用を払いもどすことのみに限定されるものとする。

2 日本国政府は、溶液型研究用原子炉における使用のため賃借する濃縮ウランを含む原子炉用物質の中に生ずるプルトニウム又は副産物が少量であるので、それらの物質についてクレデイット又は支払を認められないことが了解され、かつ、合意される。ただし、その了解は、前記の協定の場合についてのみ日本国政府が同意するものであり、将来締結されることがある賃貸借に関する協定におけるこの問題に関する同政府の立場を害するものではない。

3 前記の協定第2条B及び第3条(b)は、両政府が溶液型研究用原子炉における使用のため日本国政府が賃借する濃縮ウランの分析を行う分析者を選定することを定めている。同協定の両当事者は、必要な分析を行うことができる商業的分析者の利用の可否を確認する十分な時間がなかったので、事前に特定の分析者について合意することなく、分析者の選定に関する規定を設けた。分析が必要となったときに、その業務を行う商業的分析者を利用することができないかもしれないことが認められる。

 したがって、分析が行われるべきときに、満足な商業的分析者を利用することができない場合には、両当事者は、合衆国の民間の機関が操作する合衆国委員会の施設であって適当な設備を有するものにおいて必要な分析を行わせるため、その施設を操作するそれらの機関の一を選定することに同意すべきことが、了解され、かつ、合意される。現在におけるそれらの機関の例は、次のとおりである。

(1)テネシー州オーク・リッヂのオーク・リッヂ国立研究所及びケンタッキー州パドゥカの施設を操作するユニオン・カーバイド原子核会社
(2)オハイオ州ポーツマスの施設を操作するグッドイヤー原子力会社
(3)ワシントン州ハンフォードの施設を操作するジェネラルニ・エレクトリック会社
(4)イリノイ州レモントのアルゴンヌ国立研究所を操作するシカゴ大学

4 前記の協定第5条の規定に関し、同条は、日本国政府がその同意なしでアメリカ合衆国の裁判所の管轄に服することを意味することを目的とするものではないことが了解される。

 貴下が前記の了解を確認されれば幸いであります。

    1956年11月23日
                                   日本国大使 谷 正之

 合衆国原子力委員会委員長代理 ハロルド・S・ヴァンス貴下

(仮 訳)   (アメリカ側書簡

 書簡をもって啓上いたします。本職は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関するアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会と日本国政府との間の協定に関する本日付の閣下の書簡に言及いたします。その書簡において、閣下は、ある事項に関する閣下の次の了解を述べられました。

1 、、、、、、

2 、、、、、、

3 、、、、、、

4 、、、、、、

本職は、前記の事項に関するわれわれの了解を確認いたします。

    1956年11月23日

                                   委員長代理 ハロルド・S・ヴァンス

 日本国大使 谷 正之 閣下

(仮 訳)   (日本側書簡

 書簡をもって啓上いたします。本使は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定に言及し、同協定を締結するための交渉において到達された次の了解を述べる光栄を有します。

 前記の協定第2条Eによれば、日本国政府は、同協定に基いて同政府が賃借した濃縮ウランを含むすべての原子炉用物質を1960年9月30日より前のいかなる時にも返還することができ、また、同物質がそのようにして返還されなかったときは、いかなる場合にも1960年9月30日又は同協定の終了の時のいずれか早い方の時に同物質を返還すべきこととなっている。さらに、そのすべての原子炉用物質は、別段の合意がある場合を除くほか、同時に返還されるべきことが了解される。

 貴下が前記の了解を確認されれば幸であります。

    1956年11月23日

                                   日本国大使 谷 正之

 合衆国原子力委員会委員長代理 ハロルド・S・ヴァンス貴下

(仮 訳)   (アメリカ側書簡

 書簡をもって啓上いたします。本職は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関するアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会と日本国政府との間の協定に関する本日付の閣下の書簡に言及いたします。その書簡において、閣下は、同協定に関する次の了解を述べられました。

 前記の協定第2条Eによれば、日本国政府は、同協定に基いて同政府が賃借した濃縮ウランを含むすべての原子炉用物質を1960年9月30日より前のいかなる時にも返還することができ、また、同物質がそのようにして返還されなかったときは、いかなる場合にも1960年9月30日又は同協定の終了の時のいずれか早い方の時に同物質を返還すべきこととなっている。さらに、そのすべての原子炉用物質は、別段の合意がある場合を除くほか、同時に返還されるべきことが了解される。

 本職は、前記の事項に関するわれわれの了解を確認いたします。

    1956年11月23日

                                   委員長代理 ハロルド・S・ヴァンス

 日本国大使 谷 正之 閣下