§3 農林水産業利用

 農林水産業の面における放射線の利用は,基礎研究のみならず応用面においても多くの成果があがっている。
 植物等の放射線照射による突然変異を利用した品種改良の研究が,各地の試験場,大学等で行なわれている。農林省放射線育種場では,放射線照射による植物の苗種改良が行なわれている。
 放射線照射による発芽防止,殺虫,殺菌等の効果を利用した食品の処理については,農林省食糧研究所および東海区水産研究所をはじめ,理化学研究所各地の大学等においても研究がすすめられている。これら研究機関等の研究者によって39年2月,食品照射研究協議会が結成され,情報交換,研究成果の照合試験等の活動が行なわれている。
 このほか,かんがい水の追跡,土壌の改良,施肥法の改善,各種代謝機構の解明等の研究にラジオアイソトープがトレーサーとして利用されている。


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