第8章 原子力関係技術者の養成および原子力知識普及活動
§4 原子力知識の普及活動

 原子力委員会は,従来広く一般国民を対象に,正しい原子力知識の普及のため種々の啓蒙活動を行なってきたが,38年度においてもこれらの活動はひきつづきすすめられた.
 原子力利用について種々の映画が原子力委員会の監修により製作されているが,38年度には,日本における原子力利用全般にわたって解説を行なった「原子力と日本」が製作された.
 また,中学校および高等学校の教職員を対象に,原子力についての基礎的知識の普及をはかる目的で,文部省の後援および各都道府県の協力を得て36年度以来各地で原子力セミナーを開催してきたが,38年度は8月に秋田市で第5回原子力セミナーが,10月には名古屋市で第6回原子力セミナーがそれぞれ開催された.受講者は両方あわせて481名であった.
 39年4月15日から21日までの第5回科学技術週間には,原子力開発の現状を広く一般国民に知らせその理解を深めるために,原研東海研究所,燃料公社東海製錬所,同人形峠出張所,放射線医学総合研究所,東京都立アイソトープ総合研究所および大阪府立放射線中央研究所の施設が公開された.また,この週間中には日本原子力産業会議を始め,民間各団体によって,講演会等各種の普及活動が行なわれた.
 茨城県立原子力館は,わが国唯一の原子力資料館として83年12月開館したが,38年度には延べ5万6490人の見学者があった.
 また,日本科学技術振興財団が設置した科学技術館は39年4月12日に開館した.ここには原子力関係の諸資料などが陳列されており,原子力知識の普及に大きく寄与することが期待されている.


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