IV 参考図表

7. 昭和37年度日本原子力研究所における安全性の研究

 安全性解析とそれに伴う実験としては,研究炉を対象として,動特性の研究と密接な連絡をとりつつ,事故解析,すなわち炉履歴に対する遅発中性子ポイズン等の影響,照射物質移動時の動特性,冷却糸を考慮した動特性,自動制御系の安定性等の解明につとめ,また,炉および建家全体を一つの系とした遮蔽の実験と計算との検討を行なう。
 安全性に関する炉工学的研究としては炉およびループ関係機器の現場用非破壊試験,冷却材漏洩検出技術の開発,燃料破損検出装置の改良,炉付属製系における核分裂生成物の挙動とその捕捉法の開発を行なう。
 事故時に対する安全性については,非常対策用モニターの設置を行なうため,核種の放出源,拡散,沈着とくに逆転層時の局地性,拡散雲等を考慮に入れた被曝解析を行なう。また,大気,海洋中での放射性物質の拡散,沈降,付着の機構を明らかにするため,拡散実験および解析を行なう。
 建設技術の研究としては,遮蔽構造,格納容器,耐震構造につき,建設途上の炉につき基礎データを求め,また建築材料の放射線に対する損傷の基礎データを求める。


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