原子力委員会ホーム > 決定文・報告書等 > 原子力白書 > 「平成30年度版 原子力白書」HTML版 > 7-2 放射線利用に関する基本的な考え方

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7-2 放射線利用に関する国際的な動向

 放射線は国際的にも、工業や医療等、様々な分野で利用されています。特に開発途上国においては、健康、農業、産業、エネルギー等の分野における開発目標を達成するために、放射線利用に対する需要が高く、IAEAはこれらの国に対する支援を行っています。様々な支援のうち、IAEAは、放射線利用の専門家育成に焦点を当てており、1957年のIAEA創設以来、5万人近くの技術者がIAEAの研究施設での研修に参加し、各国における放射線技術者の育成に貢献しています[1]
 2018年11月、IAEAは、ウィーンで原子力科学技術閣僚会議を開催しました。同会議は、原子力の平和的利用と持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取組の促進を目的としたこの分野で初めての閣僚会議であり、日本からは辻清人外務大臣政務官が出席し、共同議長を務めました[2]
 2019年1月には、産業界や研究機関による放射線利用の国際的プラットフォームとする目的で、「放射線科学技術利用に関する国際会議」(ICARST12019)が日本で開催されました。ICARST2019には各国の放射線技術の専門家、事業者や科学者等が参加し、放射線利用のケーススタディの紹介等が行われました[3]

コラム ~国際原子力機関(IAEA)原子力科学技術閣僚会議~

 IAEAの原子力科学技術閣僚会議は、保健・医療、農業・食糧、環境、水資源等の分野における原子力科学技術の応用と、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組促進を目的とした、この分野で初めての閣僚会議です。2018年11月にウィーンで開催され、137か国から約1,100名の代表団が参加し、54か国から閣僚・政務レベルが参加しました。
 我が国からは、辻清人外務大臣政務官が参加し、コスタリカ共和国とともに共同議長を務めたほか、日本政府代表として演説を行い、原子力科学技術がSDGs取組促進に向けて今後一層活用されることを期待する旨を述べました。 同会議初日の最後には、原子力科学技術の応用に関する閣僚宣言が採択されました [2]。

IAEA原子力科学技術閣僚会議に出席する辻外務大臣政務官

出典)外務省「辻外務大臣政務官の『国際原子力機関原子力科学技術閣僚会議』への出席」2

    

  1. International Conference on Applied Radiation Science and Technology
  2. https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006794.html
    



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