第2章 国内外の原子力開発利用の状況
1.動燃改革について

(3)原子力基本法及び動燃事業団法の改正

 1998年5月、動燃を核燃料サイクル開発機構に改組するための「原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案」が国会で可決され、成立しました

 動燃改革検討委員会及び新法人作業部会の検討結果、並びに動燃の改革の方針についての原子力委員会の決定に基づき、科学技術庁は、動燃を機構に改組するために必要な法律改正の検討を行い、1998年2月、動燃改革法案を第142回国会に提出した。
 同法案は、衆議院科学技術委員会、衆議院本会議、参議院文教・科学委員会を経て、1998年5月13日に参議院本会議において原案通り可決され、成立した。
 同法の要点は表2-1-5のとおりである。

表2-1-5 動燃改革法の概要
①法人の名称
動燃を改組した法人の業務内容等を的確に表現できるよう「核燃料サイクル開発機構」に名称を変更する。
②主たる事務所
立地地元重視の観点から、主たる事務所を茨城県に移転する旨を規定する。
③役員の任期等
行政改革との観点から、理事の定数削減及び任期短縮を行うとともに、経営の刷新を図るとの観点から、機構への移行に伴い動燃役員の任期を満了させる旨を規定する。
④運営審議会の設置
業務運営の透明性と社会性が確保されるよう運営審議会を機構に設置する旨を規定する。
○運営審議会は、理事長の諮問に対する答申及び意見具申を実施する。
○委員は15人とし、内閣総理大臣の認可を受け、理事長が任命する。
⑤機構の業務
海外ウラン探鉱、ウラン濃縮研究開発及び新型転換炉研究開発について年限を切って撤退を図るとともに、業務を重点化する。
○主たる業務
・高速増殖炉及びその燃料の開発及びこれに必要な研究
・再処理技術の開発及びこれに必要な研究
・高レベル放射性廃棄物の処理処分技術の開発及びこれに必要な研究
○その他の業務
・技術移転等成果の普及、施設・設備の共用
⑥業務の運営
動燃改革の趣旨の徹底を図るため、安全の確保、適切な情報公開、適正かつ効率的な業務の運営の実施について、機構の責務として規定する。
⑦基本方針の充実
機構が業務を実施するに当たり、事業目標の明確化を図るため、国の定める基本方針について、業務運営の基本的事項や配慮事項等の内容の充実を図るとともに、その対象を業務全体に拡大する。


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