第14回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合
平成25年12月19日
平成25年12月19日、東京三田共用会議所において第14回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合を開催し、日本からは山本大臣がご出席されました。
FNCAは、日本が主導となり、近隣アジア地域における原子力の平和的利用を促進するための情報交換、知見の共有を図るもので、東アジア等の12か国の大臣級代表(大臣2ヵ国、副大臣3ヵ国、原子力行政機関長他)が一堂に会し、これまでのFNCAにおける放射線利用及び原子力発電に関する様々な取組の成果が報告され、今後の活動に対する指示が決議案として取りまとめられました。
今次会合では、「FNCAプロジェクトの成果の活用」と「核セキュリティ文化の醸成」の2つの議題について円卓討議が行われました。
FNCAプロジェクトの成果の活用に係る討議では、放射線アイソトープを含む放射線利用の市場が原発に匹敵する規模にありながら、FNCAの研究成果が商用化につながりにくいとの課題が報告され、対策として研究部門とエンドユーザーを結びつけるコーディネーション委員会の設置や、研究側への成果報酬分配等が提案されました。
核セキュリティ文化の醸成に係る討議では、IAEAより、核セキュリティ文化の構築には訓練、教育に加えて「マネジメント・システム」と「個人の行動」に関する自己診断の重要性が指摘されました。また、各国からは自国での核セキュリティ文化の醸成のための取組が報告されました。
会合の最後には、会合議長である山本大臣から、FNCAの活動の重要性は今次会合でも確認されたものの、その地道な取組を更に世界に発信していくことが課題であるとの指摘があり、「核セキュリティ文化の醸成」、「FNCAプロジェクトの成果の活用」、「原子力平和利用とアジア地域の発展への貢献」の3点についての議長声明が発出されました。
こうした議論を踏まえて採択された決議の主な内容は以下の通りです。
- ・原子力発電の基盤整備に向けて、福島第一原発事故の教訓の共有、継続検討テーマであるステークホルダー・インボルブメント、緊急時対応と地域協力、及び新規テーマである中小型炉の検討での協力を進める。
- ・人材育成計画に関与する上級行政官の参加するワークショップを通じ、各国の人材育成機会の見直しを奨励する。
- ・放射線利用分野、特に天然高分子の放射線処理、バイオ肥料、放射線育種に関するFNCAの成果の実用化を加速させるため、エンドユーザーとのネットワークの構築に努める。
- ・FNCAプロジェクトの一層の生産性向上と協力強化のため、各国にてプロジェクト毎の運営委員会とプロジェクトリーダー会合の設立を奨励する。
- ・各国政府及び関連ステークホルダーによる、国際的なベストプラクティスに沿った核セキュリティ文化の醸成を奨励する。

各国代表の集合写真(山本大臣は右から6番目)

会合議長を務める山本大臣

FNCA会合の会場の様子

エウォン・エビン マレーシア科学技術革新省大臣