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第416号 原子力委員会メールマガジン

    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2024年7月12日416号
― 目次 ――――――――――――――――――――――――――――――
●上坂委員長より、IAEA知識継承・人材育成国際会議報告

●7月9日(火)の定例会議報告
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(厚生労働省、原子力規制庁)
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(文部科学省)
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225】(量子科学技術研究開発機構)

●7月16日(火)の定例会議予定
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225等】(福島国際研究教育機構 理事 木村直人氏)
・我が国における2023年の保障措置活動の実施結果及び国際原子力機関(IAEA)による「2023年版保障措置声明」の公表について(原子力規制庁)
・令和5年における我が国のプルトニウム管理状況について

●原子力関係行政情報
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――‥‥――上坂委員長より、IAEA知識継承・人材育成国際会議報告 ――‥‥――‥‥――‥‥――

本会議は2004年よりほぼ4年毎、IAEA本部等で開催される、Nuclear Knowledge Management(NKM;技術継承)とHuman Resource Development(HRD;人材育成)に関する、意義と規模の大きい国際会議です。私も今まで2回出席・講演しました。今回はMs.Elsie Pile (Group Executive, South Africa)議長、Ms.Kim PringleA-Sahaaf(Director of Human Capacity Building, Saudi Arabia))副議長とともに副議長(Vice President)として、会議の運営と、講演2回をやってきました。参加者は世界から1,000名程度でした。

Rafael M.Grossi IAEA事務局長、議長、副議長、IAEA原子力エネルギー局幹部らによる開会セッションでは、全員の挨拶がありました。

私は今回、以下の2つの講演をしてきました。
1つ目は、開会セッションの後の、PLENARY SESSION 1 Member States’ view on NKM & HRDにて、日本の原子力と人材育成の現況の講演をしました。ここでは、人材育成について、文部科学省が進めているANEC(Advanced Nuclear Education Consortium for the Future Society)という全国の大学の教育連携システムの紹介をしました。

2つ目は、2日目のPLENARY SESSION 4にて、“Professional Engineers for Nuclear Knowledge Management”の題目で講演をしました。ここでは、日本では約20年発電用原子炉の建設がなく、かつ約半分の原子力発電所で運転が約10年止まったままで、たとえ中堅のエンジニアでも、建設や運転の経験がない状況を述べました。そのため、経験あるエンジニアから、若手・中堅へ、しっかりとした、かつ厳しい側面をもった知識継承を今強化する必要があることを強調しました。

私は3年半前まで、東大にて、原子力・放射線系の最難関の国家資格である原子炉主任技術者と核燃料取扱主任者の学科試験(法規を除く)が免除となる専門職修士号を授与する原子力専攻(専門職大学院)にて約20年教鞭をとっていました。入学生は、基本、修士課程卒業後3年の実務経験を経る必要があります。まさに受験勉強並みの猛勉強をします。休みも遅刻も私語も居眠りもほとんどなく、質問は旺盛、講義後も学生の多くが質問にきます。午後は毎日演習で、宿題もたくさん出ます。木金は日本原子力研究開発機構にて実験があります。この厳しい学習の成果として、この20年間両資格の合格者の約半数が卒業生です。

その経験から、前述の、しっかりとした厳しい技術継承に、この教育システムを使って、同じく国家資格である技術士(Professional Engineer; PE)をとらせることを主張しました。
技術士は日本で約2万人、世界で最も多いアメリカでは約82万人も認定されています。日本では約半分は建設・機械分野です。アメリカでは機械系PEは、州によりますが、原子炉設置申請・設計・解析の実施に不可欠です。原子力・放射線分野技術士には、理工学のみならず、技術倫理・コミュニケーション等人文社会学の知見も要求されます。

一方、私は約15年間、IAEA INMA(International Nuclear Management Academy)の委員として、理工学的とともに人文社会学的高い知識をもった原子力マネージャーの育成の大学院カリキュラム・シラバスの作成と、認定申請のあった世界の大学院でのプログラムの評価・認定の業務も行っていました。世界ではここまで、マンチェスター大、東大、テキサスA&M大含め、10以上の大学の大学院が認定されています。さて、前述の技術士とIAEA INMA原子力マネージャーには、理工学的とともに人文社会学的知識が共通要素です。

ということで、講演の結言では、IAEAに世界で、IAEA INMA原子力マネージャー育成と技術士取得を一緒に推奨することを提唱しました。

講演後、私のところに、多くの国々の原子力関係者が質問と議論にきてくれました。IAEAの人材育成担当者とも、具体的方策を議論してきました。

 今後も、安全で安定な原子力の発展のための技術継承に、IAEAと連携協力して頑張って参ります。ご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

――‥‥――定例会議情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥
●原子力委員会の定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/index.html

●7月9日(火)の定例会議の議題は以下のとおりです。
配布資料はこちら
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/2024/siryo21/

【議題1】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(厚生労働省、原子力規制庁)

<主なやりとり等>
医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて、厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 九十九がん対策推進官、同省 医薬局 医薬品審査管理課 中井課長、同省 医政局 地域医療計画課 医療安全推進・医務指導室 松本室長、原子力規制庁 放射性規制部門 吉川安全規制管理官、同庁 放射性規制部門 上谷管理官補佐、同庁 規制企画課 片野課長補佐、同庁 規制企画課 後藤係長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

【議題2】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(文部科学省)

<主なやりとり等>
医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて、文部科学省 研究振興局 大月研究振興戦略官より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

【議題3】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225】(量子科学技術研究開発機構)

<主なやりとり等>
医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて、量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部 東部長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

●7月16日(火)の定例会議予定
7月16日(火)14:00からの定例会議の議題は以下となります。傍聴をご希望される方は、以下より登録をお願いいたします。(登録の締め切りは7月16日(火)09:00までとなります。) 
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0080.html
【議題1】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225等】(福島国際研究教育機構 理事 木村直人氏)
【議題2】我が国における2023年の保障措置活動の実施結果及び国際原子力機関(IAEA)による「2023年版保障措置声明」の公表について(原子力規制庁)
【議題3】令和5年における我が国のプルトニウム管理状況について

――‥‥――イベント開催情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥―
・ロシアのウクライナ侵略に起因する核不拡散・核セキュリティ・原子力平和利用への影響に係るwebセミナー

<イベント概要>
 ロシアのウクライナ侵略ではプーチン大統領による核兵器使用の威嚇や原子力発電所への攻撃・占拠など、原子力平和利用や原子力安全、核不拡散・核セキュリティに対して様々な影響が出てきており、その対応について国際的に議論されています。
 核不拡散や核セキュリティをめぐる国際的動向やこの戦争による影響についてこの分野の専門家に現状をレビューしていただくことを目的に、以下の通り、webセミナーを開催します。 
このWebセミナーでは、武力紛争時に原子力発電所の安全確保や保護に係る国際的な枠組みについて学び、これからの原子力平和利用や核不拡散・核セキュリティ対応に活かしていきたいと考えています。奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます。

開催日時:2024年9月5日(木)14:00-16:30
開催形式:Webオンライン(Zoom)
主催:日本原子力学会 核不拡散・保障措置・核セキュリティ連絡会、日本核物質管理学会
協力:原子力委員会(予定)、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(JAEA/ISCN)
参加対象:国内の関係者(原子力関係の事業者、関係府省、日本原子力学会会員、日本核物質管理学会会員等。特に学会の若手(YGN)や学生連絡会、学生部会からの参加を期待しています。)

<ウェブセミナーのプログラム>
開会挨拶:日本原子力学会 核不拡散・保障措置・核セキュリティ等連絡会 部会長 相樂 洋

講演(総合司会:核不拡散・保障措置・核セキュリティ連絡会 木村 祥紀)
・核セキュリティをめぐる国際動向(ロシアのウクライナ侵略を踏まえて)(講演者:外務省 林 美都子 軍縮不拡散・科学部 審議官)
・国際的な武力紛争時の原子力施設の安全確保・保護に係る国際的な枠組みの現状(講演者:大阪学院大学 真山 全 教授)
・国際人道法(ジュネーヴ諸条約第1追加議定書)での扱いなど
・ISCNにおける政策研究報告(ロシアのウクライナ侵攻に起因する核不拡散・核セキュリティへの影響と対応策)(講演者:JAEA/ISCN富川 裕文 室長)

質疑応答・ディスカッション(モデレータ:原子力委員会 直井 洋介 委員)
閉会挨拶:日本核物質管理学会会長 坪井 裕

<参加申し込み>
参加希望者は、以下のリンクから8月23日(金)までに申し込みをお願いします。
https://forms.office.com/r/CHZYB5vynN
申し込みいただいた方に、後日、Webセミナーのリンク情報をお送りします。

――‥‥――原子力関係行政情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥
原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
・原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
・原子力災害対策本部会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
・廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/index.html)

■内閣官房
・原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
・最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
・放射能対策連絡会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/housyanou/index.html)
・GX実行会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/index.html)

■内閣府
・統合イノベーション戦略推進会議
(https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/kaigi.html)
┗イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」
(https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html)
・原子力防災
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/index.html)
┗地域原子力防災協議会
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/kyougikai.html)

■経済産業省・資源エネルギー庁
・総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/index.html)
┗原子力小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣原子力の自主性安全性向上に関するWG
┣原子力事業環境整備検討専門WG
┣革新炉WG
┣廃炉等円滑化WG
┗電力・ガス基本政策小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/index.html)
┣特定放射性廃棄物小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/index.html)
┗地層処分技術WG
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/geological_disposal/index.html)
・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/index.html)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
(https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/#cost_wg)
┗電力需給検証小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/denryoku_jukyu/index.html)
┗使用済燃料対策推進協議会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)
┗地層処分研究開発調整会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/chiso_shobun/index.html)
┗高速炉開発会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/index.html)
┗青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/aomori_kyosokaigi/index.html)
┗福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/fukui_kyosokaigi/index.html)

■原子力規制委員会
・原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┣原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_senmon/menu.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)

■文部科学省
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力研究開発・基盤・人材作業部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力バックエンド作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/099/index.htm)
┗科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)
┗原子力損害賠償紛争審査会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm)
┗次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/025/index.html)
┗核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/027/index.html)
┗国立研究開発法人審議会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/index.htm)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/010/index.htm)
┗日本原子力研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/003/index.htm)

●次号配信は、2024年7月19日(金)頃の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:上坂 充委員長、直井 洋介委員、岡田 往子委員
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ(お寄せいただいた御意見に対しては、原則として回答致しませんが、今後の原子力委員会の業務の参考とさせていただきます。)
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○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
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○原子力委員会ホームページ
https://www.aec.go.jp/
原子力委員会ホームページは2024年2月28日にリニューアルしました。
URLが変更となっているページがございますので、お気に入り等の修正をお願いいたします。

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