メールアイコン メールマガジン配信サービス

第415号 原子力委員会メールマガジン


    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2024年6月28日415号
― 目次 ――――――――――――――――――――――――――――――
●こんにちは、原子力参事官です。
「令和5年度版 原子力白書」

●6月25日(火)の定例会議報告
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225】(日本原子力研究開発機構 理事 大島宏之氏、同機構 次長 前田茂貴氏)
・令和5年度版原子力白書(案)について
・廃止措置・放射性廃棄物連携プラットフォームの活動状況について

●7月9日(火)の定例会議予定
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(厚生労働省、原子力規制庁)
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(文部科学省)
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225】(量子科学技術研究開発機構)

●原子力関係行政情報
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
――‥‥――こんにちは、原子力参事官です ――‥‥――‥‥――‥‥――
「令和5年度版 原子力白書」

こんにちは。もう一人の原子力参事官の梅北と申します(原子力白書担当)。本日は今月25日に原子力委員会で決定した「令和5年度版 原子力白書」についてご紹介いたします。

原子力白書は、昨今話題となっているテーマを取り扱う特集と、「原子力利用に関する基本的考え方(2023年2月原子力委員会決定)」を踏まえた柱建ての下、東電福島原子力発電所の事故後の動きや原子力のエネルギー利用、放射性廃棄物対応などの1年間の動きを整理した第1~9章で構成されます。今回は、特集についてご紹介させていただきますが、実は今回の白書では第1~9章にちりばめたコラムにも興味深いと思われるテーマを盛り込んでいますので、是非ご覧いただければと思います。

令和5年度版原子力白書の特集は「放射線の安全・安心と利用促進に向けた課題の多面性」というタイトルとしております。
令和5年度の大きな原子力関連イベントの一つにALPS(アルプス)処理水の海洋放出が挙げられると思いますが、放出の前後を中心として、国内外で放射性物質の安全性についての議論が巻き起こりました。放射線は目に見えず、その影響メカニズムは複雑かつ難解でまだ完全に解明されたわけではないということもあり、低線量であっても漠然とした不安を感じておられる方もいらっしゃると思います。高線量の放射線が危険であることは言うまでもありませんが、例えば、100mSv(ミリシーベルト)程度以下の低線量域については、放射線被ばくの影響を疫学的に検出することは難しいとされています。また、自然界には、空気や大地の中、また、私たちが日々食している野菜やお肉等の中にも微量とは言え放射線を発する放射性同位体が含まれており、私たちは日々放射線の影響を受けながら生活していることも事実です。
今回の白書の中では、ALPS処理水など特集で採り上げたトピックに関連する放射線量とレントゲンや航空機利用など日常生活で関わる放射線量との相対比較を示し、人々の理解に資することを目指しています。
例えば、日本で自然界から一人当たり平均的に受ける線量は2.1mSv/年と言われていますが、今回特集のトピックとして取り上げているクリアランス物(原子力施設から発生する放射性廃棄物のうち、放射能濃度が低く人への影響がほとんどないとされるもの)に関しては、リサイクルを可能とする国の基準は0.01mSv/年以下となっているにもかかわらず、リサイクル利用は進んでいません。クリアランス物を有効に活用することは資源の有効利用や処分場の規模を抑えるなどの観点から非常に重要ですし、一般の工場やビルの解体等の際に出てくる鉄スクラップなどがほぼ100%リサイクルされているという事実を踏まえると、人々の理解を得て、少しでも前に進めていければと思います。

勿論、放射線を取り扱う場合には、自然放射線との比較など物理的な放射線量を示すだけでは人々の理解を得ることは困難です。基準レベルが適切なのか、その基準は厳格に運用されているのかという安全面での対応ぶりを評価することに加え、放射線を利用することにより社会にどのようなメリットがあるのか、例えば、大きな経済効果がもたらされるとか、重要な社会課題の解決に貢献しうるのかとか、その効果が他の代替手段と比較しても総合的に優れているかなど、放射線利用のマイナス面・プラス面を多面的・客観的に評価し、人々のご理解を得られるかどうかを公正に判断することが重要です。

国際放射線防護委員会(ICRP)では、放射線を利用する際の放射線防護の3原則として、①正当化、②防護の最適化、③線量限度の適用を示しています。ごく簡単にまとめると、放射線利用はベネフィットがリスクを上回る場合にのみ認められるものですが、その際、社会・経済的なバランスを考慮しつつ合理的に達成可能な限り被ばく量を少なくすること、また、放射線量の基準値を適切に設定することが必要という考え方です。今回の白書の原子力委員会からのメッセージはこのような国際的な考え方に通じていると思います。

世の中には、原子力・放射線関連項目に加え、たばこやワクチン、自動車の運転、食品添加物など、様々なリスク源が存在しますが、今回白書を原子力委委員会が執筆するに当たって、これらリスク源に対する人々のリスク認識を比較するためにアンケート調査を実施しました。
詳細は白書をご覧いただきたく思いますが、放射線関連のものは他のリスク源と比較して、同じようなレベルで危険と“主観的”に感じたとしても、より人々の受容度が低く出る傾向がみられたことや、放射線関連については、一般層と原子力・放射線に詳しい層を比較した場合、他のリスク源よりも受容度の差が大きく出る(原子力・放射線に詳しい層では放射線関連のリスクを受入れ可能とする割合が顕著に増加)など、注目に値する結果が得られました。
これに関連して、各リスク項目を受け入れられる理由として、量などが「少なければ危険性は少ない」と考える方々が多い一方、同じリスク項目を受け入れられないと考える方々の多くは、その理由として、「少なくても危険性がある」という点を挙げており、対照的な結果となりました。
また、健康診断で使うX線や予防接種で使うワクチンなど日常的に使用されているものについては、リスクも認識されるものの、ベネフィットがリスクを上回るとして活用が一定程度受け入れられている一方、原子力発電関連については、電力の安定供給などのベネフィットをもたらすものですが、その運転に伴って対応が必要となる放射性廃棄物関連やクリアランス物などの受容性は低くなりました。
社会全体のベネフィットを人々とどう共有できるかは大変難しい課題ですが、国など原子力・放射線関係者が継続的に取り組んでいかなければなりません。
ALPS処理水の海洋放出の際に、国や原子力関連機関等が行ったように、社会的な意義の提示と科学的なデータの透明性確保に加え、場合によっては、国際機関のように利害関係のない第三者機関に評価をゆだねるといった観点も国民の理解を得るために必要となることもあると思います。

原子力・放射線を扱う際には、安全の確保が大前提ですが、今回の白書を一つのきっかけとして、放射線に科学的根拠を持って向き合うとともに、ベネフィットやリスク、プラス面やマイナス面など、多面的に評価する機運が一層高まることを願っています。
ついつい力が入って長文となってしまいました。申し訳ありません。

――‥‥――定例会議情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥
●原子力委員会の定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/index.html

●6月25日(火)の定例会議の議題は以下のとおりです。
配布資料はこちら
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/2024/siryo20/

【議題1】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225】(日本原子力研究開発機構 理事 大島宏之氏、同機構 次長 前田茂貴氏)

<主なやりとり等>
医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて、日本原子力研究開発機構 大島理事、同機構 前田次長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

【議題2】令和5年度版原子力白書(案)について

<主なやりとり等>
令和5年度版原子力白書(案)について、事務局より説明し、その後委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。原子力白書(案)については、委員の異議なしを確認し、事務局の案を委員会として決定することとした。

【議題3】廃止措置・放射性廃棄物連携プラットフォームの活動状況について

<主なやりとり等>
廃止措置・放射性廃棄物連携プラットフォームの活動状況について、事務局より説明し、その後委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

●7月9日(火)の定例会議予定
7月9日(火)14:00からの定例会議の議題は以下となります。傍聴をご希望される方は、以下より登録をお願いいたします。(登録の締め切りは7月8日(月)15:00となります。) 
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0079.html
【議題1】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(厚生労働省、原子力規制庁)
【議題2】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【制度・体制の整備等】(文部科学省)
【議題3】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225】(量子科学技術研究開発機構)

――‥‥――原子力関係行政情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥
原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
・原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
・原子力災害対策本部会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
・廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/index.html)

■内閣官房
・原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
・最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
・放射能対策連絡会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/housyanou/index.html)
・GX実行会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/index.html)

■内閣府
・統合イノベーション戦略推進会議
(https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/kaigi.html)
┗イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」
(https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html)
・原子力防災
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/index.html)
┗地域原子力防災協議会
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/kyougikai.html)

■経済産業省・資源エネルギー庁
・総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/index.html)
┗原子力小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣原子力の自主性安全性向上に関するWG
┣原子力事業環境整備検討専門WG
┣革新炉WG
┣廃炉等円滑化WG
┗電力・ガス基本政策小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/index.html)
┣特定放射性廃棄物小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/index.html)
┗地層処分技術WG
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/geological_disposal/index.html)
・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/index.html)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
(https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/#cost_wg)
┗電力需給検証小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/denryoku_jukyu/index.html)
┗使用済燃料対策推進協議会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)
┗地層処分研究開発調整会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/chiso_shobun/index.html)
┗高速炉開発会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/index.html)
┗青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/aomori_kyosokaigi/index.html)
┗福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/fukui_kyosokaigi/index.html)

■原子力規制委員会
・原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┣原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_senmon/menu.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)

■文部科学省
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力研究開発・基盤・人材作業部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力バックエンド作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/099/index.htm)
┗科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)
┗原子力損害賠償紛争審査会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm)
┗次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/025/index.html)
┗核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/027/index.html)
┗国立研究開発法人審議会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/index.htm)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/010/index.htm)
┗日本原子力研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/003/index.htm)

●次号配信は、2024年7月12日(金)頃の予定です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:上坂 充委員長、直井 洋介委員、岡田 往子委員
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ(お寄せいただいた御意見に対しては、原則として回答致しませんが、今後の原子力委員会の業務の参考とさせていただきます。)
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
https://www.aec.go.jp/mailmagagine/
○原子力委員会ホームページ
https://www.aec.go.jp/
原子力委員会ホームページは2024年2月28日にリニューアルしました。
URLが変更となっているページがございますので、お気に入り等の修正をお願いいたします。

○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
※414号(6/21配信)において、技術士法の成立年につき、誤った記載がありました。
技術士法は、昭和58年(1983年)制定ではなく、昭和32年(1957年)制定でした。訂正してお詫び申し上げます(バックナンバーは訂正済です)。
          

戻る