メールアイコン メールマガジン配信サービス

第413号 原子力委員会メールマガジン


    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2024年6月14日413号
― 目次 ――――――――――――――――――――――――――――――
●核セキュリティを巡る動向と日本の貢献について(直井委員より)

●6月11日(火)の定例会議報告
・原子力発電所の保全活動について(関西電力株式会社 原子力発電部長 棚橋晶氏)
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【医療用RIを巡る各国の情勢】(公益社団法人日本アイソトープ協会 専務理事(原子力委員会参与)畑澤順氏、同協会 医薬品部 次長 北岡麻美氏)

●6月18日(火)の定例会議予定
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Mo-99/Tc-99m】(日本原子力研究開発機構 理事 門馬利行氏、同機構 部長 永冨英記氏、同機構 部長 土谷邦彦氏)
・医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225、Mo-99/Tc-99m】(日本メジフィジックス株式会社 研究開発本部長 波多野正氏、同社 片倉博氏)

●原子力関係行政情報
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
――‥‥――核セキュリティを巡る動向と日本の貢献について(直井委員より) ――‥‥――‥‥――‥‥――

原子力委員の直井です。
昨日(6/13)、文部科学省の核不拡散・核セキュリティ作業部会*において、有識者ヒヤリングとして意見表明させていただく機会がありました。その中からいくつか紹介させていただきます。
*文部科学大臣の諮問機関である科学技術・学術審議会/研究計画・評価分科会/原子力科学技術委員会の中にある作業部会

ロシアによるウクライナ侵略では、原子力発電所が武力攻撃を受け占拠されるという異常事態が発生しています。武力攻撃は国の安全保障の問題であり、あくまで国の責任で対応する事になりますが、発電所を運転する事業者も国を支援していかなければなりません。このような事態に備えて、国と事業者が準備をする必要があります。また、ロシアの侵略により現在も核セキュリティの脅威は高まっており、しっかりと備える(防護する)ことが重要になっています。今後、国際社会は、原子力施設が武力攻撃を受けないような枠組み・仕組みを考えていく必要があります。ただし、現下の国際情勢を考えると国際的な枠組み作りは簡単ではなさそうです。

核不拡散・核セキュリティの国際規範を遵守しつつ原子力平和利用を進めてきた日本の知見・経験は大変貴重であり、それらを、アジア地域を中心とした人材育成支援で活用していくことは、日本だからできる意義深い国際貢献の一つです。

日本原子力研究開発機構(JAEA)の核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)が、国際原子力機関(IAEA)が事務局を務める国際核セキュリティ教育ネットワーク(INSEN)に今般加盟したとのこと、素晴らしいことです。IAEAが同じく事務局を務めるNSSCネットワーク(各国の核セキュリティ体制構築・維持やこの分野の人材育成を支援する各国のセンターのネットワーク)をISCNは中心的に支えてきており、その実績などからIAEAの核セキュリティに係る「協働センター」としても指定されています。核セキュリティを学ぶ大学教育のネットワークにも参加することでIAEA協働センターとしてのISCNの更なる国際貢献が期待できるとともに、日本の大学が進める先進的原子力教育コンソーシアム(ANEC)との連携により、日本の大学教育への貢献も期待できます。

アジアでは、産業用または病院などで利用されている放射性同位元素(RI)が盗まれたり、紛失したりする事案が多発しており、そういった事案の対応を含めたRIセキュリティに対する人材育成支援ニーズが高いです。また、小型モジュール炉(SMR)や試験研究炉の導入を検討している国も多く、これらの国の政策立案者や事業者を対象に、核不拡散・核セキュリティの重要性を認識するセミナーやワークショップなどを、米国などと共同で進めていくことが良いのではないかと考えます。

枠組みを主導する日本を含めアジアの12ヶ国が加盟するアジア原子力協力フォーラム(FNCA)では、核セキュリティ・保障措置プロジェクトを2011年度から進めています。この活動は、メンバー国の核不拡散・核セキュリティ確保に従事する政府関係者が一堂に会する貴重な場となっており、参加するメンバー国間で良好事例を共有するとともに、どのような課題を抱えているかなど課題や支援ニーズを聞くことができます。すでに、ISCNは設立当初より本プロジェクトを支えていますが、引き続き協力・支援をお願いしたいと思います。

ISCNが進める核不拡散・核セキュリティに資する技術開発については、成果が実際に社会で活用されていくことを期待したいです。今年度より、核鑑識においてプルトニウム(Pu)の核鑑識技術開発を進めるとのこと、Puの平和利用を進める我が国にとって大変重要なことと考えます。2022年2月には、タイにおいて核兵器級Puの違法取引が摘発されました。押収された核物質は米国において核鑑識され、核兵器級Puであることが判明しました。発生する頻度は多くはありませんが、押収された際にその核鑑識技術を有することは抑止にもつながる重要であり、かつ、貴重なことです。

核鑑識技術開発以外にも、ISCNは核不拡散(保障措置)や核セキュリティへの適用を目指した核物質の非破壊での測定検知技術開発を進めています。中性子問いかけ法を使った遅発ガンマ線非破壊分析技術開発では、小型装置の開発で実用化にかなり近いところまで来ており、実機の施設での実証試験などでその技術の有用性が示されることを期待しています。

ロシアのウクライナ侵略、ガザにおけるイスラエルとハマスの衝突、米欧と中露の分断、核兵器使用の閾値(しきいち)の低下など、現下の国際情勢は混とんとしています。そんななかで、国際動向の変化が原子力の平和利用や核不拡散・核セキュリティにどのような影響が及ぶのか、ISCNは技術に根差したシンクタンク機能を有しておられますので、是非とも、的確に分析し、適時に発信していただきたいと思います。

――‥‥――定例会議情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥
●原子力委員会の定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/index.html

●6月11日(火)の定例会議の議題は以下のとおりです。
配布資料はこちら
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/2024/siryo18/

【議題1】原子力発電所の保全活動について(関西電力株式会社 原子力発電部長 棚橋晶氏)

<主なやりとり等>
原子力発電所の保全活動について、関西電力株式会社 原子力事業本部 原子力発電部門 棚橋原子力発電部長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

【議題2】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【医療用RIを巡る各国の情勢】(公益社団法人日本アイソトープ協会 専務理事(原子力委員会参与)畑澤順氏、同協会 医薬品部 次長 北岡麻美氏)

<主なやりとり等>
医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて、公益社団法人日本アイソトープ協会 畑澤専務理事、同協会 医薬品部 北岡次長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

●6月18日(火)の定例会議予定
6月18日(火)14:00からの定例会議の議題は以下となります。傍聴をご希望される方は、以下より登録をお願いいたします。(登録の締め切りは6月17日(月)15:00となります。) 
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0077.html
【議題1】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Mo-99/Tc-99m】(日本原子力研究開発機構 理事 門馬利行氏、同機構 部長 永冨英記氏、同機構 部長 土谷邦彦氏)
【議題2】医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて【Ac-225、Mo-99/Tc-99m】(日本メジフィジックス株式会社 研究開発本部長 波多野正氏、同社 片倉博氏)

――‥‥――原子力関係行政情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥
原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
・原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
・原子力災害対策本部会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
・廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/index.html)

■内閣官房
・原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
・最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
・放射能対策連絡会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/housyanou/index.html)
・GX実行会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/index.html)

■内閣府
・統合イノベーション戦略推進会議
(https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/kaigi.html)
┗イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」
(https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html)
・原子力防災
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/index.html)
┗地域原子力防災協議会
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/kyougikai.html)

■経済産業省・資源エネルギー庁
・総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/index.html)
┗原子力小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣原子力の自主性安全性向上に関するWG
┣原子力事業環境整備検討専門WG
┣革新炉WG
┣廃炉等円滑化WG
┗電力・ガス基本政策小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/index.html)
┣特定放射性廃棄物小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/index.html)
┗地層処分技術WG
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/geological_disposal/index.html)
・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/index.html)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
(https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/#cost_wg)
┗電力需給検証小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/denryoku_jukyu/index.html)
┗使用済燃料対策推進協議会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)
┗地層処分研究開発調整会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/chiso_shobun/index.html)
┗高速炉開発会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/index.html)
┗青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/aomori_kyosokaigi/index.html)
┗福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/fukui_kyosokaigi/index.html)

■原子力規制委員会
・原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┣原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_senmon/menu.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)

■文部科学省
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力研究開発・基盤・人材作業部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力バックエンド作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/099/index.htm)
┗科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)
┗原子力損害賠償紛争審査会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm)
┗次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/025/index.html)
┗核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/027/index.html)
┗国立研究開発法人審議会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/index.htm)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/010/index.htm)
┗日本原子力研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/003/index.htm)

●次号配信は、2024年6月21日(金)頃の予定です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:上坂 充委員長、直井 洋介委員、岡田 往子委員
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ(お寄せいただいた御意見に対しては、原則として回答致しませんが、今後の原子力委員会の業務の参考とさせていただきます。)
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
https://www.aec.go.jp/mailmagagine/
○原子力委員会ホームページ
https://www.aec.go.jp/
原子力委員会ホームページは2024年2月28日にリニューアルしました。
URLが変更となっているページがございますので、お気に入り等の修正をお願いいたします。

○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



          

戻る