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第409号 原子力委員会メールマガジン

― 目次 ――――――――――――――――――――――――――――――
●こんにちは、原子力参事官です
「高レベル放射性廃棄物の最終処分」

●5月14日(火)の定例会議報告
・原子力白書に関するヒアリング「原子力に関する世論の動向とコミュニケーション」(木村学習コンサルタンツ 代表 木村浩氏)
・「もんじゅ」廃止措置の進捗状況に関する報告(日本原子力研究開発機構)

●5月21日(火)の定例会議予定
・ミュオンを利用した福島第一原子力発電所の測定及び今後の展開などについて(技術研究組合 国際廃炉研究開発機構 山内 豊明氏、関 修氏、株式会社東芝 宮寺 晴夫氏)
・東北電力株式会社女川原子力発電所2号炉の発電用原子炉の設置変更許可(所内常設直流電源設備(3系統目)の設置等)について(諮問)(原子力規制庁)
・関西電力株式会社高浜発電所の発電用原子炉の設置変更許可(3号炉及び4号炉の蒸気発生器の取替え等)について(諮問)(原子力規制庁)

●原子力関係行政情報
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――‥‥――こんにちは、原子力参事官です ――‥‥――‥‥――‥‥――
「高レベル放射性廃棄物の最終処分」

こんにちは、原子力参事官の山田です。
いい季節になりました。
目には青葉 山ほととぎす 初鰹 という句がぴったりの時期です。
江戸時代中期に詠まれたこの句は何百年も受け継がれ、この令和の時期でも共感を得られる17音(正確には18音ですが)になっています。

今回の話題は、上記の俳句が詠まれ続けている何百年という時間感覚をはるかに超えるほどの長期にわたる事業である、高レベル放射性廃棄物(電気のごみ)の最終処分についてです。
5月14日(火)に開催した定例会議で、上坂委員長から以下の発言がありました。重要なコメントですので、全文掲載します。
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既に報道されています通り、今月10日、佐賀県玄海町の脇山町長は、高レベル放射性廃棄物の最終処分施設選定に向けた文献調査を受け入れることを表明しました。文献調査の受け入れは、北海道寿都町、北海道神恵内村に引き続き3例目で、原子力発電所が立地する自治体としては初めてとなります。

岸田総理大臣をはじめ、関係者からは、文献調査受け入れの判断をされたことに対し、心から敬意と感謝を表したい、とのコメントがありました。
原子力委員会としても、玄海町長が様々な声を聴き、悩まれながら文献調査の受け入れを判断されたことに、心から敬意と感謝を表したいと思います。

原子力委員会は「原子力利用に関する基本的考え方」において、「原子力利用による便益を享受した現世代の責任として、その処分の方策と道筋を明確にするとの認識を、原子力に関わる全ての関係者を含む現世代の間で共有する必要がある」と記載しました。

玄海町長が文献調査の受け入れを表明したことは、この記述に沿った動きであると認識しています。

また、「全国のできるだけ多くの地域で関心を持っていただき、調査を実施できるよう、引き続き、国が前面に立って全国での対話活動に取り組む必要がある。」とも記載しました。

経済産業省が、玄海町に調査の実施を申し入れた、という動きも、「国が前面に立って」という「基本的考え方」の記述に沿ったものであると認識しています。

原子力委員会は、今回の佐賀県玄海町における高レベル放射性廃棄物の最終処分施設選定に向けた文献調査のみならず、北海道の2町村で行われている文献調査、及び、原子力発電環境整備機構が行っている対話型全国説明会について、関心を持って見守ってまいります。
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ちょうど1週間前の5月10日、つまり、佐賀県玄海町の町長が調査受け入れを表明した日に、上記に関する報道、及び、コメントが各所から出ました。
本件につき、様々な意見があることは承知しています。
1つだけ言えることは、原子力を進める、進めない、以前の問題として、既に存在している廃棄物は、未来永劫放っておくわけにはいかず、いつか誰かが何らかの方法で処分しなければならない、ということです。岸田総理大臣も、最終処分地の選定は、半世紀にわたり原発を活用していた日本にとって必ず解決しなければならない課題だ、とコメントしています。

この課題の解決の方法は、世界各国で採用されている「地層処分」という形で科学的に研究が重ねられています。しかし、地上に住む私たちにとって、地下の世界、地層の世界はなかなか想像が出来ず、一般的には理解しにくい、という側面もあると思います。だからこそ、政府も事業者も、国民の皆さまと同じ目線に立って、丁寧に、誠実に、粘り強く説明し、何が分からない・分かりづらいのか、どういうところが不安なのか、しっかり耳を傾けることが重要です。

地下の世界、地層の世界を理解する際の参考になるのが、「化石」です。地層の中から、何万年、時には何億年も前の生物の化石が見つかることがありますが、これは、地下(特に深いところ)では物を閉じ込める性質がある、ということを示しています。地上で何千年も物を保存するというのはとても大変ですが、地下は地上とはいろいろ状況が違うんですね。

地層の深いところに廃棄物を閉じ込める、というのは今まで日本でやったことがありませんので、国民の皆さまが不安に思うのはある意味当然だと思うのですが、それでも課題は存在し続け、いずれは解決しないといけない、という状況です。
廃棄物には「発生者責任」という原則がありますので、一義的には発生者が責任をもって処分しますが、その処分はどこかの場所で行いますので、その地域の課題解決にもなるような取り組みが重要だと思います。そして、そのような取り組みはきっとあると思います。

実は私も、この高レベル放射性廃棄物に関する仕事をしたことがあります。
その時の感想としては、「大変難しい仕事だな」というものと、「電気を作るところ(発電所)と使うところ(消費地)の意識の差を埋めるのは大変だな」というものでした。つまり、高レベル放射性廃棄物は発電所での発電及び再処理施設での再処理(リサイクル)の結果発生したものですが、消費地は電気を使うだけで、その電気はどうやって作ったのだろうか、作った後に残るのは何だろうか、というところまでなかなか思いが至らない、ということです。
今回の玄海町の調査受け入れは、このような問題に一石を投じたものであることは間違いありません。
上記の「電気を作るところと使うところの意識の差」を少しでも埋めるためにも、「原子力利用に関する基本的考え方」にあるように、まずは「全国のできるだけ多くの地域で関心を持っていただ」くことが重要である、と改めて思いました。

――‥‥――定例会議情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥
●原子力委員会の定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/index.html

●5月14日(火)の定例会議の議題は以下のとおりです。
配布資料はこちら
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/2024/siryo14/

【議題1】原子力白書に関するヒアリング「原子力に関する世論の動向とコミュニケーション」(木村学習コンサルタンツ 代表 木村浩氏)

<主なやりとり等>
原子力白書に関するヒアリング「原子力に関する世論の動向とコミュニケーション」について、木村学習コンサルタンツ 木村代表より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

【議題2】「もんじゅ」廃止措置の進捗状況に関する報告(日本原子力研究開発機構)

<主なやりとり等>
「もんじゅ」廃止措置の進捗状況に関する報告について、日本原子力研究開発機構 敦賀廃止措置実証本部 荒井本部長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

●5月21日(火)の定例会議予定
5月21日(火)14:00からの定例会議の議題は以下となります。傍聴をご希望される方は、以下より登録をお願いいたします。(登録の締め切りは5月20日(月)15:00となります。) 
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0073.html
【議題1】ミュオンを利用した福島第一原子力発電所の測定及び今後の展開などについて(技術研究組合 国際廃炉研究開発機構 山内 豊明氏、関 修氏、株式会社東芝 宮寺 晴夫氏)
【議題2】東北電力株式会社女川原子力発電所2号炉の発電用原子炉の設置変更許可(所内常設直流電源設備(3系統目)の設置等)について(諮問)(原子力規制庁)
【議題3】関西電力株式会社高浜発電所の発電用原子炉の設置変更許可(3号炉及び4号炉の蒸気発生器の取替え等)について(諮問)(原子力規制庁)




――‥‥――原子力関係行政情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥
原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
・原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
・原子力災害対策本部会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
・廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/index.html)

■内閣官房
・原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
・最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
・放射能対策連絡会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/housyanou/index.html)
・GX実行会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/index.html)

■内閣府
・統合イノベーション戦略推進会議
(https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/kaigi.html)
┗イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」
(https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html)
・原子力防災
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/index.html)
┗地域原子力防災協議会
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/kyougikai.html)

■経済産業省・資源エネルギー庁
・総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/index.html)
┗原子力小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣原子力の自主性安全性向上に関するWG
┣原子力事業環境整備検討専門WG
┣革新炉WG
┣廃炉等円滑化WG
┗電力・ガス基本政策小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/index.html)
┣特定放射性廃棄物小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/index.html)
┗地層処分技術WG
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/geological_disposal/index.html)
・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/index.html)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
(https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/#cost_wg)
┗電力需給検証小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/denryoku_jukyu/index.html)
┗使用済燃料対策推進協議会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)
┗地層処分研究開発調整会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/chiso_shobun/index.html)
┗高速炉開発会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/index.html)
┗青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/aomori_kyosokaigi/index.html)
┗福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/fukui_kyosokaigi/index.html)

■原子力規制委員会
・原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┣原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_senmon/menu.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)

■文部科学省
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力研究開発・基盤・人材作業部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力バックエンド作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/099/index.htm)
┗科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)
┗原子力損害賠償紛争審査会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm)
┗次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/025/index.html)
┗核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/027/index.html)
┗国立研究開発法人審議会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/index.htm)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/010/index.htm)
┗日本原子力研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/003/index.htm)

●次号配信は、2024年5月24日(金)午後の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:上坂 充委員長、直井 洋介委員、岡田 往子委員
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