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委員会の動き 定例及び臨時会議 第37回(臨時) 〔日時〕1993年10月1日(金)10:30~〔議題〕 (1)江田委員長の海外出張報告について 〔審議事項〕 (1)議事録の確認 事務局作成の「第36回原子力委員会臨時会議議事録」が了承された。 (2)江田委員長の海外出張報告について 事務局から江田委員長の海外出張は当初日程が変更され、1993年9月25日(土)から9月30日(木)までの6日間のオーストリア及びフランスヘの出張となった旨報告があり、引き続き石田原子力局長及び事務局から、同出張における第37回国際原子力機関(IAEA)総会での政府代表演説及びこの機会にそれぞれ行われたブリックスIAEA事務局長、金韓国科学技術処大臣、ルビロワ仏原子力庁長官、オレアリー米エネルギー省長官、ミハイロフ露原子力省大臣との会談の模様について報告があった。 第38回(臨時) 〔日時〕1993年10月8日(金)10:30~〔議題〕 (1)第37回IAEA総会の結果について (2)米国の核不拡散政策について 〔審議事項〕 (1)議事録の確認 事務局作成の「第37回原子力委員会臨時会議議事録」が了承された。 (2)第37回IAEA総会の結果について 事務局から資料に基づき、1993年9月27日(月)から10月1日(金)までオーストリアのウィーンにおいて開催された第37回IAEA総会の結果について報告があり、北朝鮮の保障措置協定不履行に関する総会決議の表決結果(決議案賛成72ケ国、反対2ケ国、棄権11ケ国)は、よく認識する必要がある等の意見があった。(資料1) (3)米国の核不拡散政策について 事務局から資料に基づき、1993年9月27日(月)に公表された米国の核不拡散政策について説明があり、 ・米国が西欧と日本の民生用原子力計画におけるプルトニウム利用に関し従来からのコミットメントを維持するとしたことは、米国が日本、西欧に対し信頼感を持っていると考えてよいのではないか。 ・米国は自ら発電用としてもプルトニウムの分離を行わないとしているが、これとの関係で米国のALMRの研究開発やFFTFを巡る動きがどうなるかは重要である。 ・中国が核実験を行なったことに対する、米国及び他の核兵器国の動き等の関連動向をフォローしていく必要がある。 等の意見が出され、本件に関する今後の推移は引き続き原子力委員会として十分に注視していくこととした。(資料2) 第39回(定例) 〔日時〕1993年10月12日(火)10:30~〔議題〕 (1)大山委員長代理の海外出張報告について 〔審議事項〕 (1)議事録の確認 事務局作成の「第38回原子力委員会臨時会議議事録」が了承された。 (2)大山委員長代理の海外出張報告について 大山委員長代理及び事務局から、大山委員長代理の1993年9月25日(土)から10月6日(水)までの12日間の、オーストリア及びフランスヘの出張(第37回国際原子力機関総会への政府代表顧問としての出席、欧州原子力関係要人:植松OECD/NEA事務局長、シロタ仏COGEMA社会長、ルビロワ仏原子力庁長官:との意見交換、仏ノジョン原子力発電所の視察)に関し報告があり、高速炉の活用やプルトニウム国際管理に関する仏の動向、考え方に引き続き注意を払っていく必要がある等の意見が出された。 第40回(定例) 〔日時〕1993年10月19日(火)10:30~〔議題〕 (1)原子力委員会参与の再任について 〔審議事項〕 (1)議事録の確認 事務局作成の「第39回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。 (2)原子力委員会参与の再任について 標記の件について、事務局から資料に基づき説明がなされ、了承された。(資料3) 第41回(臨時) 〔日時〕1993年10月22日(金)10:30~〔議題〕 (1)放射性廃棄物の海洋投棄の取扱いについて 〔審議事項〕 (1)議事録の確認 事務局作成の「第40回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。 (2)放射性廃棄物の海洋投棄の取扱いについて 標記の件に関し、事務局から資料に基づき説明があり、第16回ロンドン条約締約国会議に向けての考え方等について、 ・海洋投棄と再処理施設等からの排水とは条約上も別の概念であることに留意すべきである。 ・低レベル放射性廃棄物の海洋投棄は、国際原子力機関の基準に則って実施すれば、科学的には安全ではあるものの、政治的、経済的、社会的及び法律的な観点をも加えて検討する必要があり、旧ソ連及びロシアによる一連の海洋投棄の内外への影響等を考慮すれば、我が国が海洋投棄の選択肢を維持し続けることは現時点では困難である。 ・なお、将来、政治的、経済的、社会的状況等が大きく変化した場合には安全が確保される海洋投棄ができるよう努力が必要である。 ・条約変更に伴う国内関係法令の改正問題はどうか。 等の意見が出され、関係諸外国の動向にも留意しつつ引き続き審議することとした。(資料4) 第42回(定例) 〔日時〕1993年10月26日(火)10:00~〔議題〕 (1)原子力委員会専門委員の変更について 〔審議事項〕 (1)議事録の確認 事務局作成の「第41回原子力委員会臨時会議議事録」が了承された。 (2)原子力委員会専門委員の変更について 標記の件について、事務局から資料に基づき説明がなされ、了承された。(資料5) 資料1
第37回IAEA総会の結果について 平成5年10月8日
原子力局
1.期間 平成5年9月27日(月)~10月1日(金)2.場所 ウィーン(オーストリアセンター) 3.結果概要(主な課題) ①新規加盟国承認 チェコ共和国、アルメニア共和国、カザフスタン共和国、マーシャル諸島共和国、スロバキア共和国及び旧ユーゴスラビア・マセドニア共和国の加盟が承認された。 ②事務局長任命の承認 ブリックス事務局長の93年12月1日から4年間の再任が承認された。 ③一般演説 江田大臣を始め、各国代表が演説を行った。 ④原子力安全及び放射線防護に係る国際協力の強化「放射性廃棄物管理問題の解決手段」、「原子力安全条約の早期締結による原子力安全の強化」の両決議が採択された。 ⑤保障措置の強化、効率化 「保障措置システムの強化と効率性の向上」に関する決議が採択された。保障措置実施諮問委員会(SAGSI)の報告書については、今後も、理事会による検討を継続しつつ保障措置の強化、効率化に努めること等が盛り込まれた。 ⑥北朝鮮との保障措置協定の履行 北朝鮮の保障措置協定不履行に関する決議が採択され、重大な懸念表明等が盛り込まれた。 資料2
米国の不拡散政策及び輸出管理政策(核不拡散関連部分) 1993年9月27日
ホワイトハウス発表
■核分裂性物質●核兵器の解体から生ずる、及び、民生用の原子力計画の中の核分裂性物質の増大する蓄積に対して包括的アプローチを採用する。このため米国は以下の措置をとる。
●米国はプルトニウムの民生利用を奨励しない。したがって、自ら、発電用としても、また、核爆発目的のためにもプルトニウムの分離を行わない。しかしながら、米国は西欧と日本の民生用原子力計画におけるプルトニウム利用に関し従来からのコミットメントを維持する。
■輸出管理■核不拡散……NPTの無期限延長とIAEAの能力の強化 ■ミサイルの拡散 ■化学生物兵器 ■地域の核不拡散のための措置 ●核不拡散は、外交においてより大きな優先順位を受ける。朝鮮半島、中東、南アジアの拡散の脅威に対応するために特別な努力を払う。
●朝鮮半島を非核半島とすることが我々の目標である。我々は、北朝鮮が不拡散のコミットメントを十分に遵守し南北の非核化合意が効果的に実施されるようすべての努力を払う。
●中東、ラテンアメリカ、南アフリカ(略)
■軍事計画及びそのドクトリン■通常兵器の移転 資料3
原子力委員会参与の再任について 1993年10月19日(火)
原子力委員会
以上
資料4
海洋投棄の取扱いについて 1.ロンドン条約放射性廃棄物の海洋投棄を取り扱っている条約として、海洋汚染の原因の一つである投棄を規制することを目的とし、1972年11月13日にロンドンにおいて採択された、ロンドン条約(正式名称:廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約)がある。 同条約においては、以下の3つの区分が規定されている。 ①物質を海洋投棄禁止物質(附属書I) 高レベル放射性物質、同廃棄物、PCB、DDT、カドミウム等 ②特別許可を必要とする物質(附属書II) 低レベル放射性物質、同廃棄物、砒素、鉛、銅等を相当量含む廃棄物 ③一般許可を必要とするその他のもの 2.ロンドン条約採択を受けての我が国の対応 ロンドン条約の採択を受け、我が国は、放射性廃棄物等に関し、同条約に沿った内容に原子炉等規制法及び放射線障害防止法を改正し、同条約を1980年10月15日に批准した。 なお、同条約に関連する国内法には、次のものがある。 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律 3.放射性廃棄物の海洋投棄をめぐる条約再検討の経緯 1983年、ロンドン条約締約国会議において、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄の一時停止の決議がなされた。更に、1985年には、政治的、法律的、経済的、社会的検討を含む広範な調査研究を終了するまで海洋投棄を引き続き一時停止することが決議された。1986年、本件について調査研究を行うために、政府間専門家パネル(IGPRAD)が設立され、本年7月、報告書が取りまとめられた。本報告書は、本年11月に開催される第16回ロンドン条約締約国会議に報告されることになっている。 一方、1972年に取りまとめられたロンドン条約が20周年を迎え、最近の環境問題に対する関心の高まりをも踏まえ、全般的に同条約の見直しが行われることとされている。 このような状況を経て、本年7月、条約改正特別会合が開催され、放射性廃棄物の海洋投棄を含め、海洋投棄の取扱いについての各国の考え方について意見交換がなされ、本年11月に開催される第16回ロンドン条約締約国会議に報告されることになっている。 4.放射性廃棄物の海洋投棄に関する我が国の政策の現状 法律の整備の状況については、「2.」に述べた通りとなっている。 一方、「3.」に述べた、ロンドン条約締約国会議における、自主的なモラトリアムを求める決議をも踏まえ、1985年、当時の中曽根総理がオーストラリア等太平洋四カ国訪問の際に、関係国の懸念を無視しては海洋処分を強行はしないとの方針を各国首脳に表明した。 また、現在の原子力開発利用長期計画においては、以下のように述べられている。 ・低レベル放射性廃棄物の処分については、陸地処分及び海洋処分を行うことを基本的な方針とする。 ・海洋処分の実施については関係国の懸念を無視して強行はしないとの考え方の下に慎重に対処する。 5.本年7月の条約改正特別会合の状況及び今後の見通し 本年7月に開催された条約改正特別会合において、放射性廃棄物の海洋投棄に関しては、 ①大多数の国が放射性廃棄物の海洋投棄禁止を支持したこと ②各国は11月の締約国会議までの間、IGPRAD報告書を検討すること ③IGPRAD報告書の7つのオプションについて若千の議論がなされたこと等を記録するにとどめ、今回会合の検討状況を11月の同締約国会議に報告することとなった。 同締約国会議においては、海洋投棄禁止の雰囲気が強い状況で議論が進められ、海洋処分の取扱いについての方向性が定まるものと予想される。 資料5
原子力委員会専門委員の変更について 1993年10月26日(火)
原子力委員会
以上
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