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委員会の動き

定例及び臨時会議


第33回(臨時)

〔日時〕1993年9月3日(金)10:30~

〔議題〕
(1)伊原委員の海外出張について
(2)原子力委員会専門委員の変更について

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第32回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。

(2)伊原委員の海外出張について
 伊原委員が1993年9月11日(土)から9月19日(日)までの9日間、米国シアトルで開催されるグローバル'93(米国原子力学会主催の国際会議)に出席し、講演を行うとともに近辺の原子力施設を視察するため、米国へ海外出張する旨説明がなされ、了承された。

(3)原子力委員会専門委員の変更について
 標記の件について、事務局から資料に基づき説明がなされ、了承された。(資料1)

第34回(定例)

〔日時〕1993年9月7日(火)10:30~

〔議題〕
(1)原子力委員会原子力国際問題等懇談会の構成員の変更について

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第33回原子力委員会臨時会議議事録」が了承された。

(2)原子力委員会原子力国際問題等懇談会の構成員の変更について
 標記の件について、事務局から資料に基づき説明がなされ、了承された。(資料2)

第35回(定例)

〔日時〕1993年9月21日(火)10:30~

〔議題〕
(1)伊原委員の海外出張報告について
(2)旧ソ連・東欧原子力安全に関するシンポジウムの開催について
(3)平成5年度の原子力委員会による海外原子力関係者の招へいについて

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第34回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。

(2)伊原委員の海外出張報告について
 伊原委員及び事務局から資料に基づき、伊原委員の1993年9月11日(土)から9月19日(日)までの9日間の、米国シアトルで開催されたグローバル'93(米国原子力学会主催の国際会議)への出席、講演及び米国エネルギー省ハンフォード施設の視察に関する出張について報告があった。

(3)旧ソ連・東欧原子力安全に関するシンポジウムの開催について
 事務局から資料に基づき、来たる10月27日に東京においてIAEAと科学技術庁の主催により、一般を対象とした旧ソ連・東欧原子力安全に関するシンポジウムが開催される旨報告があった。(資料3)

(4)平成5年度の原子力委員会による海外原子力関係者の招へいについて
 事務局から資料に基づきビクトル ミハエロフ ロシア原子力省大臣他1名を招へいすることについて説明がなされ審議を行なった。
  ・ロシアは高速増殖炉開発等に熱心に取り組んでおり、かかる機会は重要である。
  ・日本の原子力開発利用の現状をよく知ってもらえるように対応することが重要である。
 等の意見が出され、旧ソ連・東欧原子力安全に関するシンポジウムへの出席を含む日程により、同大臣他1名の招へいを決定した。

第36回(臨時)

〔日時〕1993年9月24日(金)10:30~

〔議題〕
(1)江田委員長の海外出張について
(2)大山委員長代理の海外出張について
(3)プルトニウム等の国際管理について

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第35回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。

(2)江田委員長の海外出張について
 事務局から、江田委員長が1993年9月25日(土)から9月28日(火)までの4日間、第37回国際原子力機関(IAEA)総会に政府代表として出席し代表演説を行うとともに、ブリックスIAEA事務局長及び各国要人との会談を行うため、オーストリアへ海外出張する旨説明がなされ、了承された。

(3)大山委員長代理の海外出張について
 大山委員長代理が1993年9月25日(土)から10月6日(水)までの12日間、第37回国際原子力機関(IAEA)総会に政府代表顧問として出席するとともに、欧州原子力関係要人との意見交換を行うため、オーストリア及びフランスへ海外出張する旨説明がなされ、了承された。

(4)プルトニウム等の国際管理について
 プルトニウム国際管理検討委員会栗原座長及び事務局から資料に基づき、「プルトニウム及び高濃縮ウランに関する国際管理制度」の基本的骨格について報告があり、
  ・我が国がこのような問題で努力することは国際的にも大変望ましいことである。
  ・この制度はプルトニウム等の使用計画の正当性や経済性を議論するものではないという考え方をきちんと周知するべきである。
 等の意見が出され、今後この案をもとに国内外関係機関等と意見交換をしていくことが了承された。(資料4)


資料1

原子力委員会専門委員の変更について

1993年9月3日(金)
原子力委員会
  1. 原子力委員会専門委員青山伸を森壮一に変更し、核融合に関する試験研究の推進に関する事項を調査審議させることとする。
  2. 上記に伴い、所要の手続きを取ることとする。


資料2

原子力委員会原子力国際問題等懇談会の構成員の変更について

1993年9月7日(火)
原子力委員会
  1. 原子力委員会原子力国際問題等懇談会の構成員のうち、須藤隆也を林暘に変更する。
  2. 上記に伴い、所要の手続きを取ることとする。


資料3

旧ソ連・東欧原子力安全に関するシンポジウムの開催について

平成5年9月21日
科学技術庁原子力局
  1. 日時 10月27日(水)10:00~17:00
  2. 場所 東京(東京全日空ホテル)
  3. 主催 IAEA/科学技術庁
  4. 人数 120名~150名
  5. 目的
     科学技術庁では、平成4年度より、IAEAが行っている旧ソ連・東欧原子力発電所の安全支援活動に特別拠出金を拠出している。
     今般、本支援活動の内容、実施状況、改善による効果等及びソ連型原子力発電所の安全状況について、一般の公衆を対象にしたシンポジウムを開催する。
     これにより、一般の公衆に、原子力の安全性についての正しい情報を提供し、PA活動に役立てる。
  6. 外国からの参加者
     (来賓) ミハイロフ露大臣(予定)
     (IAEA) ローゼン事務局長補佐
     レーダーマン原子力安全部
     (ソ連型炉専門家) チャクラボディーRBMK運営委員会議長
     アバギャン露原子力発電所運転研究所所長
     エペリンレニングラード発電所所長


資料4

「プルトニウム及び高濃縮ウランに関する国際管理制度」の基本的骨格について

平成5年9月22日
科学技術庁原子力局
 科学技術庁原子力局では、プルトニウム等の国際管理のあり方に関し具体的提案を行っていくことが重要との考え方のもとに、本年7月12日、科学技術庁原子力局に「プルトニウム国際管理検討委員会」を設け、学識経験者、専門家等を中心とする検討を進めてきたが、この度、中間的に「プルトニウム及び高濃縮ウランに関する国際管理制度」の基本的骨格を別紙のとおりとりまとめた。
 なお、本件については、今後、国内外関係機関等との意見交換を踏まえつつ、さらに検討を進め、最終的な報告書をまとめていくこととしている。

(別紙)

「プルトニウム及び高濃縮ウランに関する国際管理制度」の基本的骨格

1.目的

 本制度は、下記2.の対象核物質(プルトニウム等)について、その所在、使用計画等を一元的に把握し、それを国際的に公開することによって、
 (1)対象核物質に係る平和利用活動の透明性を高めるとともに、
 (2)核軍縮の結果、核兵器の解体に伴い発生し、非軍事目的のものとして取り扱われることとなった対象核物質が適切に管理されることを国際的に確認すること、
 を目的とする。
 なお、本制度は、プルトニウム等の核兵器転用を検知するためのものではない。*1
 本制度の創設により、IAEA保障措置制度と相まって、世界の核不拡散体制の充実に貢献することが期待される。

2.対象核物質

 平和利用されている全ての分離/回収されたプルトニウム及び全ての高濃縮ウラン並びに核兵器の解体に伴い発生し、非軍事目的のものとして取り扱われることとなったプルトニウム及び高濃縮ウラン(以下、総称して「プルトニウム等」という。)を対象とする。

3.参加国

(1)参加国の範囲
 参加国の範囲としては、原則として上記2.のプルトニウム等を所有する国とする。

(2)参加国の平等性の確保
 本年度は、可能な限り多数の国の参加を求めるとの観点から、本制度の枠内において、参加国間の平等性を確保することとする。

(3)参加国の経済的負担
 本制度は、参加国に過度の経済的負担を強いるものであってはならない。

4.具体的な制度的枠組み

(1)登録
 参加国は、施設ごとを基本として、全てのプルトニウム等について本制度に登録する。なお、国際間の再処理委託等に伴い、所有国と所在国の異なるプルトニウム等についての登録は、所有国が所在国の協力を得て行うこととする。
 また、参加国は、その後のプルトニウム等の施設間の移動、新規登録、登録からの解除(下記(2)参照)等に基づき、登録内容を定期的に更新する。

(2)登録からの解除
 登録されたプルトニウムについては、原子炉に装荷された時点、また、高濃縮ウランについては、低濃縮ウランのレベルまで薄められた時点で、登録から解除される。
 また、廃棄物として処理されたプルトニウム等について、いかなる原子力活動にも使用することができないような態様で希釈された場合又は実際上回収不可能となった場合についても、同様に登録から解除される。

(3)使用計画の提出
 参加国は、本制度への参加に際し、予め自国のプルトニウム等の平和的な使用計画(以下「使用計画」という。)を策定し、本制度に提出する。提出された使用計画は、各参加国の代表により構成される「委員会(下記(6)参照)」による確認を受けるものとする。使用計画に変更等が生じた場合も同様とする。

(4)余剰プルトニウム等の貯蔵管理
 参加国は、登録されたプルトニウム等のうち、使用計画において一定期間内に使用予定のないものについては、余剰プルトニウム等として取り扱い、本制度に報告する。*2
 余剰プルトニウム等は、必要に応じ参加国からの届出に基づき設置された1つ又は複数の貯蔵管理施設において管理される。この貯蔵管理施設は必ずしも独立した施設である必要はなく、再処理施設、燃料加工施設等に併設されたものでもよい。なお、安全確保対策、核物質防護措置等を含む貯蔵施設の運転管理については、当該施設の設置者及び当該国の責任において行う。

(5)貯蔵管理施設からの引出し
 貯蔵管理施設からの余剰プルトニウム等の引出しは、所有国(所有国と所在国が異なる場合には両者共同で)からの引出し請求に基づき行われる。その際、引出し事由が上記(3)で確認された使用計画の範囲内であり、かつ、一定期間内に使用される場合には、自動的に引き出せるものとする。なお、この条件に該当せず、自動的に引出しを行いえないような事例については、下記(6)に掲げる「委員会」において、個別の確認を受けて行うことができるものとする。

(6)「委員会」
 本制度の運用に係る重要事項の協議等を行うため、各参加国からの代表により構成される「委員会」を設置する。
 「委員会」の役割は、次のとおりとする。
  ①本制度の運用に係る定期的なレビュー
  ②上記(3)の使用計画(その変更計画を含む。)の確認
  ③余剰プルトニウム等に関する報告内容の確認
  ④使用計画の範囲内で行われる余剰プルトニウム等の引出し請求について確認(下記(7)⑤参照)
  ⑤上記(4)の貯蔵管理施設からの余剰プルトニウム等の引出しに関する個別確認
  ⑥その他本制度の運用に係る重要事項の協議等

(7)事務局
 本制度の円滑な運営を図るための事務局を創設する。
 事務局の主体については、参加国の拠出により、独立した国際機関を設置し、専任の職員からなる事務局機能を保持することも考えられるが、上記3.(3)で述べたとおり参加国の経費負担の軽減のため、さらに中立性の確保等の観点からは、参加国が、IAEAに対し共同で特別拠出を行い、IAEAに事務局を担当させることが現実的である。ただし、その
 場合には、現行の保障措置機能とは別の事務局機能とすることが重要である。
 事務局の役割は、次のとおりとする。
  ①各参加国からのプルトニウム等の登録及び登録更新の受理、集計処理
  ②各参加国からの使用計画(その変更計画を含む。)の受理
  ③各参加国における貯蔵管理施設の設置に関する届出の受理
  ④各参加国の貯蔵管理施設における余剰プルトニウム等に関する報告の受理、集計処理
  ⑤各参加国からの貯蔵管理施設からの引出しに関する請求の受理及び「委員会」への報告(上記(6)③及び④)
  ⑥「委員会」の庶務(上記(6)参照)
  ⑦情報の公開に関する事務(下記(8)参照)
  ⑧その他参加国間の連絡調整等本制度の円滑運用に資する事項

(8)情報の公開
 プルトニウム等の平和利用の透明性の向上及び核兵器の解体に伴い発生し、非軍事目的のものとして取り扱われることとなったプルトニウム等が適切に管理されることを国際的に確認するため、本制度の運用により得られた情報は、本制度を通して、核物質防護等について支障をきたさない範囲で公開することとする。
 公開の方法としては、定期的な刊行物の発行の他、適宜、プレスリリース等を行う。情報の公開は、本制度についての国際的理解と円滑な運用を図る上での最も重要となる事項である。

5.IAEA保障措置の適用

 本制度は、上記1.で述べたとおり、プルトニウム等の核兵器転用を検知するためのものではないため、本制度としては、独自の検認システムを持たない。*3
 本制度対象のプルトニウム等に関する核兵器転用防止という観点から、全てのプルトニウム等についてIAEA保障措置が適用されることが望ましい。
 しかしながら、本制度への参加国を可能な限り多くするとの観点からは、これまでIAEAによるフルスコープ保障措置を受け入れていない国に対しては、第1ステップとしては、登録した全てのプルトニウム等について、IAEA保障措置の適用を受けることを本制度への参加に際しての必要条件とはしないこととする。このため、過渡的・補足的な措置として、本制度の参加国の代表による「友好訪問」等の導入について検討することとする。

6.法的枠組み

(1)参加国間の多国間条約は、法的拘束力が強く本制度の実効性を確固たるものとするとの観点からは理想的である。しかしながら、本制度の早期構築、運用開始等を目指すとすれば、多国間条約は成立に時間を要すること等を十分考慮に入れなければならない。

(2)また、モデル協定を策定した上で、上記4.(7)の「国際機関/事務局」と各参加国との間で当該モデル協定に沿った二者間協定を締結し、運用することも考えられる。

(3)さらに、早期の運用開始をねらい、かつ、できる限り多数の参加国を得るとの観点からの現実的な枠組みとしては、共通のガイドラインに基づく政策意図表明を各国が行い、紳士協定として運用する方法も考慮に値するものと思われる。

7.本制度設立に向けての国際的検討の進め方

 本制度設立に向けて、関心を有する国で構成される多国間検討会議を設置する。これには、IAEAもメンバーとして参加する。本件の国際的検討に関する事務局は、ボランタリーにこれを引き受ける意思を持つ国があり、検討会議のメンバー国の了承が得られた場合は、その国が担当する。また、当該検討会議参加各国による持ち回り方式も考えられる。
 会議開催案内、資料の準備等の事務的事項、会場提供等については、IAEAに依頼することとする。
*1)プルトニウム等の核兵器転用を検知する役割は、IAEA保障措置制度が担うべきである。仮に、核兵器転用の検知について、その制度の充実・強化が必要との認識が生じた場合には、あくまでも、IAEA保障措置制度の枠内で検討すべきである。したがって、本制度はIAEA憲章第12条A5をよりどころとするものではない。
*2)一定期間内に使用予定のあるプルトニウム等には、ランニング・ストックが含まれうる。
*3)核物質の検認については、IAEA保障措置の適用を受けている核物質については、IAEA査察等による検認の対象となっている。さらに、IAEAフルスコープ保障措置が適用されている国においては、本件のプルトニウム等を含む平和的な原子力活動に係る全ての核物質が保障措置の適用対象となる。

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