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委員会の決定等

核兵器の不拡散に関する条約の延長について

平成5年8月23日
原子力委員会委員長談話



 本日、細川内閣総理大臣の第127回国会における所信表明演説において、核兵器の不拡散に関する条約に関して、無期限延長を支持していくことが表明された。
 本条約が、原子力平和利用と核不拡散を両立させる枢要な国際的枠組みであり、原子力平和利用の円滑な推進のためには核不拡散体制の維持・強化が不可欠であることを考えれば、本委員会としても本条約の無期限延長を支持することが妥当と考える。
 同時に本委員会としては、1995年に開催される本条約の延長を検討する会議に向けて、以下の点を主張していくことにより、本条約の普遍性をより高めることが重要であると考える。
 第一に、本条約がこれまで締約国の原子力平和利用を円滑に推進する上で果たしてきた重要な役割に鑑み、今後とも、本条約が締約国に対し原子力平和利用による利益の享受を最大限保障するものであることが再確認されるべきである。
 第二に、人類の核兵器廃絶への願いを考えれば、本条約の無期限延長が核兵器国による核兵器の保有を無期限とするものではなく、全ての核兵器国が自らに課された核軍縮努力の責務をより一層重いものとして受けとめ、具体的かつ早期に核兵器削減を実行することを強く望むものである。
 また、本条約の延長をより有意義なものとするため、本条約の下での核不拡散体制の強化を図ることが必要であり,関係国と協調して、我が国として積極的に貢献していくべきである。

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