資料
日米原子力協定実施取極附属書5の修正について
昭和63年10月18日
科学技術庁
原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極附属書5の修正に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡の交換について
原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極附属書の修正に関し、アメリカ合衆国政府との間に別紙の書簡を交換することとする。
(別紙)
(原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極附属書5の修正に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の交換公文)
(日本側書簡)
(訳文)
書簡をもって啓上いたします。本使は、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極(以下「実施取極」という。)第2条1及び実施取極附属書5「回収プルトニウムの国際輸送のための指針」に言及する光栄を有します。
本使は、更に、実施取極第2条1に従って、実施取極附属書5が次のとおり修正されることを日本国政府に代わって提案する光栄を有します。
実施取極附属書5 1の前に「A 航空輸送」を加える。
実施取極附属書5 2(h)の次に次を加える。
「B 海上輸送
1 輸送は、英国又はフランスの港から、自然の災害又は社会の騒乱の生じている地域を避けるように、かつ、積荷及び輸送船の安全を確保するように選定された経路で、日本国の港まで、専用輸送船により実施される。輸送船は、輸送途上においては事前に予定する形での寄港を行わない。緊急時における寄港は、2に規定される輸送計画に記載される手続に従ってのみ行われる。
個々の船積みの前に、輸送について実施される特定の取決めを記載する輸送計画が、輸送される核物質の適切な防護を特に確保するため、作成される。当該計画は、荷送人、荷受人及び運送人の間の調整を通じ、かつ、関係当局との適切な連絡及び協議を通じて事前に確保される両当事国政府、移転国政府及び必要な場合にはその他の政府の協力及び援助を得て、作成される。輸送計画には、次の措置を含む。
(a)
(i)輸送船には、武装し及び装備を有し、かつ、輸送船の乗組員から独立した護衛者が乗船する。船上の護衛者は、積荷の常時監視及び防護に責任を有し、関係各国の法令に従って行動する。
(ii)輸送船は、出発から到着まで、武装護衛船によって護衛される。ただし、輸送計画に記載される代替安全措置が、武装護衛船による護衛のないことを効果的に補填する場合には、この限りでない。
(b)輸送に主要な責任を有する者(例えば、輸送船の乗組員、輸送船上の護衛者及びオペレーション・センター要員)の信頼性が確認される。
(c)すべての港において、盗取又は妨害行為から守るため、警察を含む関係当局の協力を得て又は他の武装要員を使って輸送船への接近が制限される。
(d)海上における積荷の移動を防ぐための措置が講じられる。この措置には艙(そう)口の開閉装置及び船上のデリック装置又はクレーンを作動不能にすることが含まれる。輸送容器又は輸送コンテナーは、許可を得ていない者が核物質に接近することを防ぐために旋錠され、かつ、封印される。個々の輸送容器又は輸送コンテナーには、事故の際に位置の特定を容易にするため、応答器又は発信器を装備する。
(e)輸送船には、通常の航行通信器とは別個の通信系であって実用化された先端技術を用いた信頼性のあるものを装信する。この通信系は、(i)輸送船からオペレーション・センターに輸送船の位置及び積荷の状況の情報を自動的に、かつ、安全確実に送信する能力並びに(ii)輸送船乗組員の介在なしに乗船護衛者とオペレーション・センターとの間の別個の、かつ、安全確実な通信を可能にする能力を有する。
(f)利用可能な先端技術を用いて出発から到着まで継続的に輸送船の位置及び積荷の状況を監視する責任を有するオペレーション・センターが設置される。オペレーション・センターと輸送計画において指定された関係当局のコンタクト・ポイントとの間で通信経路が確立される。
(g)詳細な緊急時計画が事前に作成される。これらの計画においては、想定される緊急時の状況並びに当該状況下での輸送船の乗組員、船上の護衛者、護衛船及びオペレーション・センター要員のとるべき行動が示される。これらの計画においては、輸送計画において指定された関係当局のコンタクト・ポイント及び責任分担が示される。
(h)指定された各関係当局が、前記の防護措置の効果的な実施を確保するため必要とされる特定の計画を、適当な場合には他の関係当局との協議並びに荷送人、荷受人及び運送人との密接な連絡を通じて作成した旨の確認が、当該各関係当局から得られる。」
本使は、更に、この書簡及びアメリカ合衆国政府に代わって前記の提案を受諾したことを確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意が閣下の返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることを提案する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
(米国側書簡)
(訳文)
書簡をもって啓上いたします。本長官は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本長官は、更に、アメリカ合衆国政府に代わって前記の提案を受諾したことを確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意がこの返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることに同意する光栄を有します。
本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて、閣下に向かって敬意を表します。
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