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関係機関

第8回日米核融合調整委員会について

技術振興課



1.開催日時及び場所
 昭和61年5月8日(木)、9日(金)、日本原子力研究所東京本部

2.出席者
 (日本側)
  宮島 龍興  原子力委員会参与、核融合会議座長(団長)
  松井 隆  科学技術庁長官官房審議官
  重藤 学二  文部省大臣官房審議官
  橋本 久義  通産省工技院産業公害研究調整官
  森 茂  日本原子力研究所理事
  内田岱二郎  名古屋大学プラズマ研究所長
 (米国側)
  R.Dowling  エネルギー省核融合エネルギー局開発技術課長(団長代理)
  M.Roberts  同国際協力課長
  J.Willis  同閉込めシステム課長
  H.Furth  プリンストン大学プラズマ研究所長
  T.Fowler  ローレンス・リバモア研究所副所長
  M.Rosenthal  オークリッジ研究所副所長

3.議事概要
1) 日本の計画概要の紹介
 宮島団長から、次段階計画の検討作業、我が国の予算状況について説明を行ったのち、各省庁・研究機関の研究開発の現状について各委員が報告した。

2)米国の計画概要の紹介
 米国エネルギー省の磁気核融合研究開発予算は、1986会計年度が約3.6億ドル、1987会計年度が大統領原案で約3.3億ドルとなっており、予算状勢の逼迫、エネルギー需給の緩和、新エネルギー源開発の緊急性見直し等による約10%の減少が続いている。

 米国の基本計画である「磁気核融合開発計画」に基づく実施方策検討のため、昨年来行われている検討の現状が紹介され、次期装置CIT(Compact Ignition Tokamak、小型短時間燃焼装置)の設計作業が進展していることと共に、ソ連を含む国際協力の検討が始められようとしている工学試験炉(ETR)に関する米国の準備とし、TIBER(トカマク点火燃焼実験炉)の予備的構想の検討を始めたことが報告された。

3)事務局報告
(1)85年度の協力実施状況について、100件の協力項目が実施され、米国から日本に129名、日本から米国に133名が訪問したこと、

(2)トカマク改良研究を推進するため、トカマク物理調整グループを発足させること、
の他、共同計画活動の評価、各分野における新規協力検討の動き等について報告が行われた。

4)各協力活動の報告
(1)JT-60/TFTR協力の人材交流は、IEA3大トカマク協力の発足に伴い、ワークショップ等の効率化のためIEAの枠組に移すこと、

(2)データ・リンケージ活動が一年間のテスト期間を成功裡に終了して、暫定的実用化の段階に入ること、

(3)RTNS-Ⅱ協力が、'86年度で所期の成果を挙げて終了すること、

(4)工学技術分野で、トリチウム取扱い機器試験をロスアラモス研究所で実施するため、原研・DOE間の協力協定に新しい付属書を追加し、さらに原研で製作中の20MJパルス・ポロイダル・コイルによる試験への参加を米国が検討すること、
の他、ダブレットⅢ実験の再開等について活発な活動状況が報告された。

5)1986年度交流計画の承認
 事務局から116件の協力項目からなる1986年度計画が提案され、審議の結果、承認された。

6)自由討論
(1)将来における協力拡大の可能性
① 文部省による新ヘリカル計画検討への米国の参加
② 米国のCIT設計活動に対する文部省及び原研の助言の要請
③ 多岐に亘る工学技術分野の協力拡大
④ 次期大型装置に関する国際協力
を中心に、新たな協力の可能性をめぐって意見交換が行われ、今後とも理解を深め合う努力を約した。
(2)協力の形態
① 多国間協力と二国間協力との関係については、JT-60/TFTR間の協力に見られるように、前者によってワークショップ等の人材交流を、後者によって機器及び資金の移動を伴う共同プロジェクトを行うこと、
② 共同計画活動は、長期的及び短期的目標の設定に基づく達成度の自己評価を行うこと、
について意見交換を行い、意見の一致をみた。
 また、種々の協力活動の再編、見直しのための科学的相互評価については、さらに検討を継続することとした。


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