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原子力委員会委員就任にあたって 原子力委員会委員
向坂 正男
今回はからずも原子力委員に任命されました。この歳でいまさらとも考えましたが、周辺からのお勧めもあり、お引受けすることにしました。お引受けした以上、全力投球をしたいと思います。皆様のご指導、ご鞭撻をお願いする次第です。 この5年間、科技庁、通産省の原子力関係の多くの諮問機関に首をつっこんで、原子力政策を勉強してきましたし、また国際エネルギー政策フォーラムを通じて、内外の原子力事情の研究をしてきました。大体のことは理解できたと思っていましたが、今回原子力委員として責任ある立場から、担当部局からのレクチャーをうけていますと、関連分野がいかに広いか、また政策判断をしていくだけの正確な知識に欠けていることを痛感しています。委員として私の果たすべき重点分野を選んでいきたいと考えているところです。 原子力エネルギーとしての自立体制の確立に向けて進められてきた大型研究開発プロジェクトが、世紀末に向かって実用化される時期になっています。この民間への技術移転を円滑におこなうことが重要です。電力需要の伸びが鈍化する見通しの下で、これら大型プロジェクトを適切なスケヂュールでできるだけ効率よく、いかに実用化に向けて開発をすすめていくか、原子力委員会に積極的な指導性が求められている、と考えています。 そのために、関係省庁からの意見をきくことももちろん大事ですが、研究開発機関、産業界の第1線で活躍し、また苦労している方々の考えを直接うかがいたい、と考えています。私の部屋のドアーはいつも開かれています。遠慮なくお出掛け下さい。 |
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